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Case Study実績・お客様事例

大日本スクリーン製造 様(CDAJ news vol.17)

半導体製造装置への熱流体解析の有効利用

大日本スクリーン製造 株式会社 技術開発センター 様
CDAJ news vol.17 お客様紹介コーナーより抜粋
発行日 1999年7月

解析種別:熱解析
課題等:半導体製造装置

STAR-CDはどのような解析にご利用いただいているのですか?
1年ぐらい前までは、全社からの委託解析も実施していましたので、本当に様々な解析テーマに利用しました。流れや熱を扱う部分のほとんどでSTAR-CDを使ってきましたが、主なものは電子機器の熱解析、液晶製造装置内の流れ解析、それに半導体製造装置の熱流れ解析など様々です。中でも、半導体基板の表面を純水や薬品で洗浄する半導体洗浄装置内の解析にはとても有効利用しています。これは最初の段階で可視化実験と解析結果を比較していい一致を見ましたので、今ではほとんど実験をせずに流れ解析だけを用いて洗浄槽内の流動の把握ができるぐらいにまでなっています。
現在は、半導体の高速熱処理装置の開発でSTAR-CDを利用しています。高速熱処理装置とは基板の周りの空間に酸素、窒素などの処理ガスを充満させて赤外線ランプで基板を常温から約1000℃まで高速加熱する装置です。この装置の解析をするには、ただの流動だけでなく、対流による熱移動、ガス拡散が含まれます。熱処理装置の内部は特殊な環境下で、なかなか実験ができないので、コンピュータ上でシミュレーションできると非常に有意義なのです。さらに、最近では、STAR-CDの移動メッシュ、スライディングメッシュおよびメッシュの追加削除の機能を利用して解析しています。といいますのは、加熱炉の中に基板が入った直後は赤外線ランプと基板の間には40から50mmぐらいの隙間が空いているのですが、熱処理する際に基板が上昇することにより、この隙間が急激に狭くなります。この時に基板の周りの処理ガスがどのように流動するかが重要なのです。基板が入ってきて上昇する工程と、1000℃以上まで温度が急上昇する工程を同時に解析できるというのは非常にありがたいのです。もし動かすことができなければ解析結果が全く違ったものになりますので、移動メッシュ、スライディングメッシュおよびメッシュの追加削除の機能が使えるということは非常に大きいです。
CDAJ news vol.17
そもそもSTAR-CDをご導入いただいた理由は何だったのですか?
うちが流体解析をはじめたのは1987年で、当時は他社のプログラムを導入しました。その後社内の解析ニーズもどんどん増えるにしたがい、 今後どのように解析を実施していけばいいのか、そのためにはハードウェア環境、ソフトウェア環境をどうしていけばいいのかを考えていきました。 その際にたどり着いたのが、当初導入したプログラムからSTAR-CDへの切り替えでした。STAR-CDを導入したのは1994年でしたが、まずは3 次元モデルに適応していくためには、非構造格子でないと難しいと判断したこと、STAR-CDは世界で最初に非構造格子に対応したため、完全不連続メッシュなどの機能も入っていたことが大きな導入理由です。プリポストが優秀でしたので、モデルの作りやすさという点では非常にメリットを感じています。さらに、いくつかベンチマークをお願いしたのですが、3次元モデルでも計算時間が非常にリーズナブルだったことも大きな要因です。またスライディングメッシュなどの特殊機能の充実も挙げられます。解析プログラムを切り替えるときには、膨大なデータを失いましたが、 現在ではそれ以上の成果を上げることができており、満足しています。

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熱流体解析
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