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Case Study実績・お客様事例

芝浦メカトロニクス 様(CDAJ news vol.46)

要素技術の開発に「STAR-CD」をご活用

芝浦メカトロニクス 株式会社 技術本部 研究開発グループ 様
CDAJ news vol.46お客様紹介コーナーより抜粋
発行日 2006年12月

解析種別:熱解析
課題等:半導体ウェハ洗浄装置

STAR-CDを使った解析事例のご紹介をいただけないでしょうか?
ここで、半導体ウェハ洗浄装置の開発および品質向上にSTAR-CDを活用する事例を紹介しましょう。半導体ウェハは様々な機械的または化学的な処理を受け、その表面にパーティクルと言われる異物が付着します。そこで処理工程の間に繰り返しの洗浄が必要となります。この洗浄プロセスでは、ウェハ表面を薬液やブラシなどにより処理した後、超純水で洗浄し、乾燥させます。当社の開発した枚葉式スピン洗浄装置は、この一連の洗浄・乾燥プロセスを同一の装置内で実現できる構成となっています。この洗浄処理において、パーティクルを半導体ウェハの表面から除去するのはもちろん必要ですが、装置に付着したパーティクルを後続の乾燥処理で再びウェハ表面に巻き戻させないのもさらに重要となってきます。
図2は、ウェハ表面の水膜が高速スピンにより離脱する様子をSTAR-CDによりシミュレーションした結果と高速カメラ可視化観測した様子を示します。これは、洗浄処理にパーティクルが超純水とともにウェハ表面から除去されるプロセスに相当します。シミュレーションは2次元軸対称モデルで、ウェハ表面に薄い水膜を張った状態の気液二相流体を解析したものです。図2の左の上、下段はそれぞれ排気のプロセス条件による水滴の飛散状況を示しています。ウェハとともに回転するホルダーの外周に固定のガイドがあり、水滴の付着位置が異なっています。上段の図においては、水滴はガイドの上部に付着するのに対して、下段の図においては、水滴はよりガイドの下部に付着します。水滴、すなわちパーティクルのガイド上の付着位置は、後続の乾燥プロセスのクリーン化に大きく影響します。ガイド上のパーティクル付着位置は上に近づくほど、乾燥プロセスにウェハの表面に巻き戻される可能性が大きいと考えられます。また、STAR-CDのシミュレーション結果はカメラの観測結果と傾向が一致することが確認されました。
CDAJ news vol.46
図3は、ウェハ乾燥プロセスにおけるウェハと回転体の近傍での流線を示しています。流線がスムーズにウェハの表面から下部へ繋がっていく、いわゆるダウンフローに流れることは装置内のパーティクルを外部に排出させることに有利となります。従来の構造においては、左図に示した流線状態となり、装置内のパーティクルが再びウェハ表面に巻き戻される可能性があります。装置の排気構造を改善することにより、下図に示したようにダウンフローの流れが得られます。
CDAJ news vol.46
STAR-CDをご利用いただいている理由について教えてください。
我々が求めたい計算機シミュレーションツールには以下の2点が要求されます。解析理論が正しく充実な解析機能をコーティングされていることと、ユーザーフレンドリーなインターフェースです。特に、企業のユーザーは後者に目を向けがちです。我々も最初ユーザーフレンドリーなSTAR-CDのユーザーインタフェースに目を惹かれました。我々はまだSTAR-CDの奥深い機能を十分引き出せてはいないのですが、現在まで数多くの事例を経験し、問題の方向性検討、最適化の詳細設計およびロバスト設計の感度解析にそれなりの効用を果たしてきました。これが我々が継続的にSTAR-CDを使用している理由だと思います。

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