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Case Study実績・お客様事例

三重大学 様(CDAJ news vol.29)

大学の研究講座での「STAR-CD」の利用

三重大学 工学部機械工学科 エネルギーシステム設計研究室 様
CDAJ news vol.29お客様紹介コーナーより抜粋
発行日 2002年9月

解析種別:流体解析
課題等:ガスタービン、未燃水素、ガス

様々な研究テーマの中で、市販の熱流体解析コードであるSTAR-CDはどのような位置づけで利用されているのでしょうか?
まず1つは実験を実施する前の検討です。実験装置設計のための概要を把握するために用いています。もう1つは純粋に現象を捉えて、問題の改善点を抽出するために用います。ご存知のとおり、実験では装置のサイズによる制限やパラメータ変更などの問題で制限がありますので、それを補うという意味で非常に重要ですね。
具体的な解析例をご紹介いただけますでしょうか?
卒業研究で実施したガスタービン燃焼器の解析では、当初のモデルでは、解析結果から未燃水素が残っている可能性が判明し、実際に実験でも残存未燃水素に起因したバックファイヤーなどが確認されました。STAR-CDで様々なガス流入条件を試した結果、酸素を螺旋状に回転させて流入させることによりこの未燃水素を完全になくすことができました。そこで、実際に実験にフィードバックしたところ、燃焼状態を安定させることができました。これは、まさに実験で生じた問題点をシミュレーションで補完した一例です。また、水の自然対流に関する研究では、水は約4℃で密度が最大値をとるという特異な性質をもっているため、この4℃を挟む温度領域でどのような自然対流が起こるのかを実験とSTAR-CDによる解析との両方で調べました。実験装置は、矩形の容器で、上下面に断熱が施してあり、左右面の温度は0℃と8℃に設定してあります。STAR-CDのデフォルト状態で計算をしたところ、ぐるぐる回るだけの計算結果となってしまいました。そこで、密度や粘性係数を温度の関数にしてユーザサブルーチンに組み込んだところ、実験と計算の結果が良い一致を示しました。なお、ユーザサブルーチン利用にあたっては、CDAJのサポートの方に大変お世話になりました。
また、DPF(Diesel Particulate Filter)内の流れ解析に取り組んでいます。DPFでは流路(セル)の入口、もしくは出口が目封じ構造になっており、その目封じによってすすが排ガスから除去されます。すすがDPF内に不均一に付着すると、すすを燃焼させた時に温度差起因のクラックが発生し、DPFが使い物にならなくなります。すすの分布は流れに依存すると考えており、従ってどうすれば流れを均一にできるかが研究テーマです。これからもどんどんSTAR-CDを使っていこうと考えています。
CDAJ news vol29

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分野1:
熱流体解析
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