IDAJからのメッセージ

Core Competence Enhanced by MBD
昨今、製造分野におけるデジタル・トランスフォーメーションの一環としてのMBD手法が、大きな関心を集めています。正しく活用すればMBDは従来のモノづくりプロセスに大きな変革をもたらし、企業の製品開発力と競争力を格段に向上させる可能性を秘めていることは間違いありませんが、現状では、MBDをどのように活用すべきか、模索している企業様が多いようです。MBDには決まったプロセスが存在するわけではなく、その本質は、名前の示す通りモデルを活用することによって、より良い製品を、より効率よく設計開発するための手法です。ここでいうモデルとは、実物を使用せずに製品の性能をシミュレーションで評価するバーチャルモデルを指し、最近ではシステムモデルだけではなくCAE全般をも含み、広く捉えられるようになりました。
MBD手法を効果的に活用するには、いくつかの重要な要素をあらかじめ考慮しておく必要があります。 まずは既存の製品開発プロセスを分析し、製品の各開発フェーズにおいて使用するモデルの抽象度または詳細度の程度となる“粒度”を検討しておかなければなりません。開発プロセスにモデルを使うことが本来の目的ではありませんが、モデルのメリットを生かすために既存の設計開発プロセスを適宜見直した方が良いことがあります。特に開発の上流工程におけるモデルの活用は、開発の後戻りを防ぐという意味でより高い成果が期待できます。
次に、モデルの構築です。自動車のような大規模かつ複雑な製品の設計開発工程においては、様々なフェーズで、低精度・小規模簡潔・低計算コストなモデルから高精度・大規模複雑・高計算コストなモデルまで、様々な粒度のモデルが使われています。その中間評価モデルなども含めると膨大な数になるだけではなく、モデルの種類も多岐に渡ります。また、部品やサブシステム、全体システムなどの開発は、複数部署やサプライヤーにまたがり、モデル構築もそれぞれで行われるはずです。ここでの課題は、各開発フェーズに応じて計算時間が許容範囲内であり、かつ目的に応じた精度が担保されるモデルを効率よく構築すること、部署間で重複などの無駄なくモデルを共有し、さらに過去のモデルを有効利用することです。さらにモデルの利用促進に伴ってモデルの数が増えると、モデルの管理が自ずと重要になってきます。プロジェクトの進捗、作業リソース、ワークフロー、モデルによる評価履歴、ノウハウなどと共に、各開発フェーズに適した粒度の異なるモデルをわかりやすく、利用しやすくするプラットフォームを導入することが理想形です。
最終的には、構築されたMBD手法やプラットフォームを設計者が利用できるような支援も必要になるでしょう。
このように、MBD手法の導入・構築には、様々な技術やノウハウが必要とされ、規模によっては複数年かかるプロジェクトとなる可能性があり、外部パートナーの協力と支援が不可欠だと思われます。IDAJは長年培ってきたモデル構築技術と自動化システムの開発経験をもとに、MBDコンサルティングを推進しています。
今回の「IDAJ CAE Solution Conference 2019」は、「Core Competence Enhanced by MBD ~MBD利用促進ためのモデリング技術~」をテーマに、来る11月14日(木)・15日(金)の二日間、横浜ベイホテル東急(神奈川県横浜市)にて開催いたします。
弊社が販売している商品「modeFRONTIER」・「Simcenter Flotherm」・「CONVERGE」・「GT-SUITE」・「iconCFD」等に関して、多くのお客様からの事例発表に加えて、開発元や弊社から最新商品技術について詳しくご紹介させていただきます。また、特別セッションとして「Special Session - MBD: Key to Collaborative System Design」を企画し、皆様のMBD導入のご参考になる技術情報をご提供します。各商品をご利用のお客様はもちろん、これからCAEやMBDの導入をご検討中のお客様には是非カンファレンスにご参加いただき、多業種における取り組み事例や新しい技術・トレンドの情報収集、またCAE、MBD担当者の皆様との交流の場として大いにご活用いただければ幸いに存じます。

皆様のご来場を、社員一同心よりお待ち申し上げております。



2019年 9月
株式会社 IDAJ
代表取締役社長 徐 錦冑

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