Ansys SCADE Architect Avionics Package （アビオニクスシステム開発者用ソリューション）は、航空や防衛分野に特化した、システムアーキテクチャ設計を可能にするソリューションです。

本パッケージに含まれる機能

• Ansys SCADE ArchitectのAvionics、IMA専用のプロファイル
  Ansys SCADE ArchitectのConfigurator機能を用いて、SysMLをAvionics、IMA用に拡張したプロファイル
• 標準的なアビオニクプロトコール（ARINC 653、ARINC 429、ARINC 664-P7 (AFDX)、CAN）に対応したプロファイル
• AADL（The SAE Architecture Analysis & Design Language）に対応した専用プロファイル
  他ツールで描いたAADLの情報のインポート・エクスポート

航空分野に特化したコンフィギュレーション

ハードウェアプラットフォームやアーキテクチャは、複数の処理ユニット、バス、センサとアクチュエータ、様々な通信プロトコールを含み、より複雑になっています。そのような複雑なシステムで実装すべき組込みソフトウェアを容易に設計するために、特別なコンフィギュレーションをご提供します。

• アビオニクスコンフィギュレーション
  IMA(Integrated Modular Avionics)を定義することが可能なコンフィギュレーションで、機能、ソフトウェア、プラットフォームの視点でアーキテクチャ設計を行います。

  

• 通信プロトコール用のコンフィギュレーション
  通信プロトコール(ARINC 429、ARINC 664-P7/AFDX、CAN)に基づいて、アビオニクスシステムレイヤー間の接続を実現します。
• ARINC 653用コンフィギュレーション
  パーティションメモリサイズといったARINC 653の属性を扱うための、リアルタイムOS固有のコンフィギュレーションです。このコンフィギュレーションを使用して与えたリアルタイムOSの属性は、VxWorks 653用のコンフィギュレーションテーブルを生成します。

“関心の分離”を明確にした、マルチレベルのシステムズエンジニアリング手法

アビオニクスパッケージは、機能アーキテクチャ設計、ソフトウェアアーキテクチャ設計、プラットフォームアーキテクチャ設計の視点で関心を分離した、システム設計・アーキテクチャ設計を実現します。

• 機能アーキテクチャ設計
  – 機能間でのデータやり取りを表記
  – 機能アーキテクチャの中で、データフローを伝搬させる
  – ExcelまたはCSVファイルでデータをインポート・エキスポートする

  

  

• ソフトウェアアーキテクチャ設計
  – 機能をソフトウェアコンポーネントにまとめ、コンポーネント間のメッセージを表記する
  – ソフトウェアコンポーネント間でのARINC 429、ARINC 664-P7、CANメッセージ交換を定義する
  – 機能をソフトウェアコンポーネントに割り当てる
  – 機能データをARINC 429、ARINC 664-P7、CANメッセージに割り当てる

  

  

• プラットフォームアーキテクチャ設計
  – 計算ユニット、バス、スイッチを表記する
  – ソフトウェアコンポーネントをハードウェアプラットフォームコンポーネントにマッピングする
  – ARINC 664フレームと仮想リンクを定義する

  

  

• インターフェースコントロールドキュメント(ICD)の管理
  上記の各アーキテクチャレベルに渡って、以下の一貫性のあるインターフェースコントロールドキュメント(ICD)を生成します。
  – ARINC 429メッセージ定義のテーブル
  – ARIC 664-P7・AFDXメッセージ定義のテーブルと仮想リンク
  – CANメッセージ定義のテーブル

  

AADLを用いたモデリング

• AADLは、SAE International Standardで、リアルタイムシステムのソフトウェアとハードウェアをモデリングするモデル言語です。機能要件に加え、非機能要件もモデリングすることができ、システムのアーキテクチャを描くことが可能です。
• Ansys SCADE ArchitectはAADL v2.2と互換しており、Ansys SCADE Architectにインポートしたあとは、Ansys SCADE Suiteとの双方向同期機能によって、システム設計とソフトウェア開発間の一貫性を保ちつつ、シームレスに設計情報を下位工程へ受け渡すことができます。