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Product製品情報

CONVERGEオートノマスメッシング熱流体解析プログラム

特徴

ソルバーによる完全自動メッシュ生成機能

多くの流体解析ツールでは、解析実施前にユーザーがメッシュを生成しなければならないことが、解析効率向上を大きく阻害しています。CONVERGEは、各ステップごとにメッシュを自動的に生成するため、もはやユーザーがメッシュを作成する必要がありません。ユーザーは、メッシュ作成に費やしていた時間を計算結果の評価や改善策の検討など、より本質的な作業に割くことができるようになります。

自動メッシュ生成のために事前に必要な処理は、解析対象の表面形状ファイルを準備することだけです。
境界面に接するセルは多面体セル(ポリへドラルセル)、それ以外の解析領域内部は完全な直交格子です。流体解析の精度を確保する上で最適なメッシュ体系を採用しています。

複雑形状への適用性の高さと形状変更の容易さ

原理上、どんな複雑な解析対象形状にも適用することができるため、これまでの流体解析ツールでは作成が困難であきらめていた形状や、作成に時間がかかっていた形状であっても、表面形状さえ準備すれば解析を始めることができます。

形状変更にも柔軟に対応することができます。ベースとなる形状で計算した後に、一部の形状を入れ替えて計算するだけで、形状差異による影響を簡単に評価することが可能です。例えば筒内計算において、ピストン形状の入れ替えや点火プラグの追加といった形状変更であれば、数分程度で完了です。

ピストン形状の入れ替え例(作業時間2分)
点火プラグの追加例(作業時間5分)

内燃機関、回転機械、弁など複雑な動きを伴う移動境界問題への適用性

メッシュが自動的に生成される大きなメリットのひとつに、移動境界問題に対する適用性が非常に高いことがあげられます。
流体運動は多くの場合、境界あるいは界面の運動を伴って起こっています。このとき境界の運動がその面内に限定されているのであれば境界の形状が変化することはありません。しかし一般的には、境界の位置は時間とともに変化し、”移動する境界(=移動境界問題)”として取り扱わなければなりません。回転機器をはじめとする複雑な動きを伴う工業製品を対象とした流体解析では、この動作を再現するためのメッシュ生成に大きな課題がありリーズナブルな時間で計算が終了しない、そもそも解析できないといった課題がありました。
CONVERGEは、表面形状に対してステップ毎にメッシュを生成する仕組みであるため、移動境界問題に対して完全に適応することができます。つまり移動によって物体どうしが近接する問題においては、メッシュが裏返ったり、体積が負になるといった状況が発生すると流体計算が進行しなくなりますが、CONVERGEではそのような状況は起こりえません。しかも、ユーザーの作業は移動対象形状の動きを指定するだけで、メッシュ生成にあたって特別な作業は不要です。

スピンナーバルブ内流れ解析
スピンナーバルブ内流れ解析
スパイラルバルブ内流れ解析
スパイラルバルブ内流れ解析
ギアポンプ内流れ解析
ギアポンプ内流れ解析
レシプロコンプレッサ内流れ解析
レシプロコンプレッサ内流れ解析

ピストンやバルブの移動を伴う内燃機関やコンプレッサ、ポンプ(特にスクロール型のコンプレッサやポンプ)、スプール弁などの動きが複雑な計算、また流体力によって物体を動かす計算も容易に実行できますので、数多くの適用事例が報告されています。

解適合格子(AMR: Adaptive Mesh Refinement)

CONVERGEには、速度、温度、化学種濃度、ボイド率といった変数の空間勾配に応じて、細かいメッシュを自動的に配置する解適合格子(AMR: Adaptive Mesh Refinement)機能があります。これにより、最小限の計算コストで高い解析精度を実現します。

他のツールでは、細かいメッシュの配置を計算前のメッシュ作成の段階で検討する必要があり、解析対象や流体解析に対する深い経験が必要だと言われてきました。その点、解適合格子では、変数勾配に応じて自動的にメッシュの粗密がコントロールされますので、ユーザーの経験を問わず、少ない解析負荷で高い精度の結果を得ることが期待できます。

またCONVERGEのメッシュ制御はすべて数値化された入力なので、メッシュサイズや解適合格子の適用などのメッシュ生成手順を容易に標準化することが可能です。これにより、作業者によって結果が変わるといった課題を最小限に抑えることができます。

高速な詳細化学反応ソルバー「SAGE」

CONVERGEには複雑な物理現象を解く物理サブモデルが多数用意されています。特に化学反応に関しては経験的な総括反応ベースのモデルに加えて、素反応までを含めた巨大な反応メカニズムを取り扱うことのできる詳細化学反応ソルバー「SAGE」を搭載しています。

詳細化学反応は、ノッキングや自着火、エミッション予測などに対して、従来の総括反応型の燃焼モデルに比べてより高い精度による解析が期待できますが、計算負荷が相対的に高くなる傾向があります。
CONVERGEには反応計算を高速に解くための多くのオプションがあり、他の流体解析ツールに比べてより効率的に詳細化学反応を取り扱うことができます。

さらに詳細化学反応ソルバーと解適合格子(AMR)を併用することで、燃焼にとって最も重要な火炎帯部分に効率的に細かいメッシュを配置することができ、乱流燃焼に対しても十分な解析精度を期待することができます。

多くの適用分野

CONVERGEは、メッシュの自動生成機能、複雑形状や形状変更に対する適用性、解適合格子、高度な燃焼モデルなど、多くの特徴を備えた流体解析ツールです。
これらに加えて、乱流モデル、混相流モデル(噴霧モデル・VOFモデル)など多くの物理モデルが搭載されており、内燃機関内部の噴霧燃焼解析、ガスタービン燃焼器内部の解析、コンプレッサー・バルブ周りの流れ解析など多くの分野への適用が可能です。

ガソリンエンジン内噴霧燃焼解析
ガソリンエンジン内噴霧燃焼解析
プラネタリギヤ自由表面解析
プラネタリギヤ自由表面解析
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