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Customer experience

「Simcenter Flotherm」を活用してモデルベース開発(MBD)による熱設計のフロントローディングを実現

株式会社 デンソー 様

熱抵抗と熱容量で構成されるRCモデルを開発し、そのRCモデルの高精度化と、より効果の高い電子設計、筐体設計のフロントローディングに取り組む。素子の温度上昇を見積もるための素子モデルを独自で作成し、そのための技術も構築。 Flothermを活用した結果、2006年では100%が実験で行われていたものが、現在ではトライ&エラーでの実験ゼロを目標に、納入前の品質確認実験で「一度で判定基準を満足することが普通」という状態に限りなく近づいている。そのため部品選定や制御ソフトウェアの開発などを、効率よくかつ適切に行うことが可能に。またFlothermをフロアプランの段階で活用することで、放熱に関する課題を設計上流で取り除くことができ、プリント基板の設計手戻りが大幅に減少。

(User’s voice)

ツールを活用したフロントローディングも重要ですが、弊社だけでなく他の会社様でも大きな問題なのが、熱解析を適切に扱うことができるエンジニアの不足です。その理由の一つには、電子機器や半導体の熱技術が大学の電子系のカリキュラムに含まれないことではないかと思っています。熱解析の年成長率が20%とも言われていますので、ツールを使いたい企業の需要を満たすことができる十分な数の熱専門人材を必要とするならば、今後、このような問題は大学とともに協力して取り組む必要があると思います。私も今は、東京工業大学に学生として通っており、この現実を実感していますので、シミュレーションに関する部分はIDAJにご支援をお願いするかもしれません。その際は、どうぞよろしくお願いします。
これまでの熱技術では、流通可能なモデルがありませんでしたが、この仮想技術をこれからもIDAJと一緒に構築し、デンソーの立場として日本の工業を支えていけるようになりたいと考えています。仮想技術は、まだまだ日本では発展途上だと思っていますので、私と同じような立場で熱設計に取り組んでいらっしゃるエンジニアの皆さんとともに、仮想技術のますますの普及と利用拡大に向けてまい進したいと思います。