伝えたい・受け継ぎたい“IDAJ DNA”
(Talk members)
徐 錦冑
創業メンバー。1994年から現職。(※対談時は代表取締役社長。2024年10月より代表取締役会長に就任)
T.K.
2015年に中途採用で入社。Ansysソフトウェアの販売・技術サポート、エンジニアリングコンサルティングのご提供を通して、お客様の製品開発における課題解決に向けた、マルチフィジックス・シミュレーションの活用方法をご提案します。高度な技術課題に対しても社内の知見を活用し、カスタマイズ用のプログラムを作成するなど、お客様のニーズにマッチするソリューションの構築を目指します。
Y.C.
2021年に新卒で入社。アカウントセールスとして、電機メーカー様をはじめとする様々なものづくり企業様に対する提案活動がメインの業務です。すでにお取引のあるお客様だけでなく、新規マーケットの開拓も担当します。
起業から現在にいたるまで意識しているのは、社員にとっての“働きやすい環境”
社長として過ごした過去、今、そして未来。
まずは創業時の話からしましょうか。私は新卒で入社した会社では科学システム部門でキャリアをスタートしました。8年ほど経ったころ、所属していた部門が縮小するタイミングが訪れ、このまま会社に残るか、それとも自分の得意な専門分野で挑戦するかでずいぶん迷いました。
“自分の実力に自信がなければ、大きな会社にいても将来はない”
このときは自分の力を信じて起業するという決断を下しました。私が重要な選択をするときの基準は“自分が最も価値を置くものは何か”です。判断基準としては一般的に、お金、ネームバリュー、自分のやりたいことなど、様々な基準がありますが、私はお金や名誉よりも自分の“信念”を選択しました。当時、起業は脱サラと呼ばれ、企業を飛び出した人というイメージが強く、起業することに今ほどポジティブな反応が少なかったように思います。私と同じ道を選択してくれた、創業メンバーの一人である東村とは「もし失敗したら、一緒にまた、別の仕事を見つければいいじゃないか」と度々こぼしていたほどです。
私自身、技術者として働いた経験があったので、技術者の働きやすさは今もかなり意識しています。働きやすい環境の1つ目は、成長を感じられることとお互いをリスペクトしあえること、2つ目は、常に最先端の技術に触れられること、3つ目は実力があれば若くてもより責任が大きいポジションを得られる環境を用意することです。立場が違ってもリスペクトはしたいですし、辞めていく社員に対してはよく「戻ってくるのを待っているよ」と言っています。
起業からの30年間を振り返ると、苦しい時期が何度もありました。会社に行くのが辛くてオフィスへのエレベータに乗りたくないときも、眠れないこともずいぶんありました。会社を継続し、成長させていく過程では苦しむタイミングが必ず幾度もあります。それに耐えていかなければなりません。またその本当の苦しさは、誰とも共有できないことでもあります。同じ創業メンバーの東村にさえ「彼がやる気を無くしてしまうかもしれない」と思うと、不安を打ち明けられなかったくらいですから。親が子供に辛い顔を見せたり、弱音を吐けないのと一緒ですよ。
経営者を続けるには、実力、信念、心の強さがとても重要だと思っています。さらには“運”。運という言葉で片付けるのは、説明をさぼっているように聞こえるかもしれませんが、やはり運という誰も読めないものがあるとしか思えません。信念で選んでも失敗することもある、また運の力が大きくとも、努力と実力がなければチャンスが来てもそれを掴み取ることはできない。苦しいことが多い、自分では読み切れないことがあるという意味で、おすすめできないということですね。 ただ、それらを覚悟して起業したいという思いをもっている人がいれば、応援したいという気持ちもあります。
最初は会社を倒産させないことだけを考えていましたが、ある程度大きくなってからはその考えが責任感に変わりました。社長としては、20〜30名の規模の組織が、全体が見え、問題も把握しやすいので、正直一番やりやすいんです。300名という規模が迫ってくると、問題や悩みが増え、その重みを思うと「成長しなくてもいいいじゃないか・・・」と個人的に考えるところもあります。ですが、成長を追ってきたのは、社員、パートナー様、お客様への還元のためです。その責任を果たすには、やはり成長し続けることが私にとっては重要だったんです。
意識やモチベーションが高いメンバーが多く、“技術が軸”だという同じ思いを共有。
一方で、部署間や社員同士に距離が生まれることを危惧している。
ただ、組織規模が大きくなるにつれて営業と技術だけでなく、他部署との物理的な距離が離れていきます。オフィス内でばったり出会うという機会も減りますし。そのコミュニケーションの減少が壁となることを心配しています。組織が拡大する分、仕組みなのかカルチャーなのか正解はわかりませんが、他部署とのかかわりを増やしていきたいと思います。
私はIDAJができないことは他の会社でもできないだろうと思っています。それくらいの気持ちです。
IDAJにはそういう文化があるんですよね。いつでも“Welcome”な雰囲気を出してくださっているので。
製造業は、変わり続ける「私たちのニーズの変化・多様性」に常に対応しようとしている。
IDAJは、その力になる。デジタル技術を軸として、プロセスや手段を革新する。
「会社の理念を大事にできる」、「お客様を大切にできる」、「常に新しい技術に挑戦する」という3つのことを常に意識していただける人なら、ぜひ一緒に働いていただきたいと考えています。そのための環境を用意することに会社としても真剣に取り組んでいきます。