ADAS/AD技術は交通事故の減少、運転手不足への対応、運転負荷軽減などを目的として日々進化を遂げています。従来、人が行っていた運転操作の一部または全てを車両側が受け持つことになりますので、その実現には周辺認知、位置推定、経路計画、判断、操作といった機能を様々な環境下で評価する必要があり、評価を行う場合は数億キロに渡る走行試験が必要だと言われています。またロバスト性確保のために、通常の走行条件下だけではなく様々な自然環境下や、危険シーン下でも評価されなければなりませんが、実走行試験では環境条件、安全性、再現性を確保することは非常に困難だと考えられます。
これら課題の解決手法としてバーチャルシミュレータが広く活用されていますが、仮想3Dシーン構築に苦慮されるケースが多く見受けられます。
AnteMotion Productsは、ADAS/ADの要である認識、制御アルゴリズム開発のためのバーチャルシミュレーションツールチェーンです。ADAS/AD開発には数億キロに渡る走行テストが必要で、あらゆる条件を実環境で再現することは非常に困難です。
AnteMotionツールチェーンを使えば、ADAS/AD向けのフォトリアリスティックシミュレーション環境を簡単なプロセスで構築することができ、各種センサ評価などにご利用いただくことができます。
AnteMotion Productsは、HDMAPから道路ネットワークファイル（OpenDRIVE）を自動抽出するMAZE、OpenDRIVEファイルから3D環境を半自動的にモデリングするPROCEDURAL WORLDS、そしてUnreal Engine 5をベースとしたフォトリアリスティックリアルタイムシミュレータMIDGARDの3つのツールで構成されています。これらツールを利用することで、通常数か月かかるADAS/AD環境をわずかな時間で構築できます。
さらにMIDGARDフォトリアリスティック環境は、昼・夜・雨などの気象条件や時間、ロードマーカーのカスレ具合、道路表面の種別といった路面状況など、評価する環境条件をAPIから変更し、容易に再現することができます。また、ADAS SENSOR pluginを利用することで、カメラ・Lidar・Radarなどの多様なセンサアウトプットを得ることができます。オープンシミュレーションフレームワークであるMIDGARDは、新しい機能やユーザー様のモデル実装、ご利用中の1Dシミュレータとの連成が可能です。

AnteMotion社について

AnteMotion社は、2018年にイタリアのトレントで、V2R、ENGINESOFT、LHP Engineering Solutionの3社によって設立された会社で、CEOは、イタリアのOEMでマルチボディシミュレーションのエキスパートエンジニアだったLuca Gasbarro氏です。3Dレンダリングエンジニアとメカトロニクスエンジニアが、お客様に最適なシミュレーション環境を提供しています。