事業を知る

デジタル・エンジニアリング事業に対する理念は
CAEへフォーカスするとともにお客様の製品開発プロセスを深く理解し、
それに密着したトータルソリューションを提供することに価値を見出すこと

CAEとは

Computer Aided Engineeringの頭文字をとったもので、工業製品の設計・開発工程においてその作業を支援するコンピュータシステムを指します。
具体的には、製品にまつわる様々な物理現象をコンピュータ上でシミュレーションすることです。
現在は構造解析、機構解析、熱流体解析、燃焼反応解析、電磁場解析、音響解析、制御ロジック診断解析、最適化解析及びそれらをすべて統合したシステムシミュレーションなどが含まれます。
その技術の究極形は、コンピュータ上で、バーチャルプロダクトを構築することです。

たとえば、こんなこと・・・

自動車のエンジンの中の様子を見る(熱流体解析)

パソコンの内部の様子を計算して新技術を開発する(熱流体解析)

自転車のフレームにかかる応力を計算する(構造解析)

近年、「インダストリー4.0」というキーワードが世界中で注目されています。これは、モノづくりのプロセスをデジタル化することで、大幅な業務改善を行い、競争力を高めるということを意味する言葉。日本でも、あらゆるモノづくりの現場にデジタル化が進行していますが、その中で特に注目を集めているのが「CAE(Computer Aided Engineering)」。

コスト・労力を大幅に削減するCAE CAEは構造、機構、熱流体といった様々な物理現象をコンピュータ上でシミュレーションし、モノづくりにおける設計・開発プロセスを支援する技術です。弊社が創業した1994年当時は、コンピュータの性能が貧弱だったこともあり、CAEは設計現場で大きな存在感を示すことはありませんでした。しかし近年、コンピュータの急速な性能向上などにより、CAEは設計現場に欠かせないツールとなってきています。CAEが導入されるまでは、設計後に試作品を製作し、要求性能が満たされているかを実験・評価していました。要求が満たされるまで、何度も試作と変更を繰り返す・・・。これでは、コストも労力も莫大に掛かってしまいます。そこで登場したのがCAEです。コンピュータ上で製品の性能をシミュレーションすることで、試作~実験のプロセスを省くことができ、大幅なコスト削減や設計期間の短縮が可能になったのです。さらに、実験ではなかなか見られない物理現象、例えばエンジン内部の燃焼状態なども、シミュレーションを用いて可視化することで設計に活かせるようになりました。このように、モノづくりの現場で重要な役割を担い、注目を集めるようになったCAEツールを提供し、業界内でも高い評価をいただいているのが、IDAJです。弊社は、CAEツールを販売するだけでなく、お客様の課題に踏み込み、ツールを応用したソリューションを提供しています。おかげさまで、自動車、重工業、電気・電子など、多種多様な業界の大手企業様からご支持をいただいています。

地球環境に優しいディーゼルエンジンの開発に寄与 弊社がこれまでに提供した数々のCAEソリューションの中でも、世の中に大きなインパクトを残すことができた事例の一つが、大手自動車メーカーのエンジン開発です。「次世代に向けた高効率なクリーンディーゼルエンジンを開発したい」というお客様からのニーズに対して、弊社のCAEツールを導入していただき、開発プロセスを大幅に短縮。その結果、ディーゼルエンジンでは世界一の低圧縮比(14・0)を達成しました。さらに、従来比20%の燃費改善と低速域での大幅なトルク(回転力)向上、ならびにNOx(窒素酸化物)後処理装置無しで大幅な排出ガス性能向上を同時に実現したのです。
このエンジンは、お客様の全車種に組み込まれ、地球環境に優しいクリーンな走行に役立っています。ご担当者様からは、「IDAJさんの協力が無ければこのエンジンを開発できなかった」という言葉もいただき、現在も良好な信頼関係を築けています。自動車以外にも、ショッピングモールの設計や、手術に使用される精密な医療器具の開発、自転車の開発、ウィンタースポーツに使用されるゴーグルの開発など、弊社のCAEツールは様々な分野で使用されており、効率的で低コストなモノづくりに寄与しています。

バーチャルエンジニアリング・自動設計の最先端企業へ 設計者がコンピュータ上で仮想的に製品を構築(バーチャルプロダクション)し、試作品による実測を行うことなく、様々な角度から製品の性能などを評価した上で、設計を完成させる。バーチャルエンジニアリング・自動設計の最先端企業として、弊社は歩みを進めています。そのために必要となるモデルベース開発(MBD)に関する知見の収集はもちろん、AIなどの技術を深めるために、部署やチームを横断した勉強会や研究にも着手しています。お客様からは自動運転に関連した新しいプロジェクトのニーズもいただいており、手掛ける製品や解析手法の幅は今後もさらに広がっていくでしょう。そのために弊社ではCAE技術のプロフェッショナル人材を積極的に採用・育成しています。入社後には研修期間を設けており、先輩からのOJTもあるので、CAEやシミュレーションに関する深い知識は不要です。シミュレーションを活用してモノづくりに貢献することに少しでも関心を持った理系学生にとって、CAEはチャレンジしがいのあるフィールドといえるでしょう。

(理系ナビ2018 冬号)

ビジネスを構成する3つの柱

これら3つのビジネスは、決して単独に存在するのではなく、お互いがデジタルソリューションで密接に連携し、相乗効果を発揮します。そのどれを欠いても我々が目指している「IDAJ integrated digital advanced solution」ビジネスは成立しえません。

プロダクトの販売および技術サポート 弊社は、構造解析から熱流体解析、システムシミュレーションまで様々な解析技術を幅広くカバーし、総合的なCAE技術力を発揮します。
また、世界的に評価の高い多くのプロダクトを戦略的にラインナップし、お客様に最適なソリューションをご提案します。納入後も、理論から実践まで様々なセミナー、保守サポート、解析結果の評価支援など、充実したカスタマーサービスをご提供しています。

エンジニアリング・コンサルティング 最先端のCAE技術に対するテーマを請負い、計算と検証、物理モデルの開発、解析手法をご提案し、お客様のCAEに関するあらゆる問題解決を支援します。
また実際に、お客様からのご依頼によって、コンピュータの上でバーチャルHybridカー1台を仮想的に構築し、製品性能を評価するなど、製品開発の一部に参加しています。

CAEを中心とするシステム構築と開発 解析計算の利便性を図りより良い結果を早く導くために、カスタマイズ開発やシステム構築も行っています。

組織と仕事

営業部 お客様の問題点をお聞きして課題を明確にします。その後、様々なソリューションを予算や納期等にあわせてご提案します。お客様とエンジニアという人と人、課題と解決技術というモノとモノをつなぐポジションにあり、お客様の課題解決のために社内に蓄積された知識、経験、技術といったすべてのリソースをすべて活用・調整する必要があります。
課題を的確に把握し、常に多岐にわたる商品、技術知識を持ちながら、課題解決に関するコンサルティングコーディネーションを行う提案型営業がIDAJの営業スタイルです。

1. 営業コンサルタント

技術部門 受託解析コンサルティング、技術サポート、解析システム開発などを担います。またお客様のCAE技術早期立ち上げのために、操作講習、技術移管などの業務もあります。
お客様の開発プロセスや設計・開発に深く関わりますので、定型的なノウハウや知識では対応できないため、すべてがカスタマイズと言っても過言ではありません。そこにやりがいがあり、自分自身をより成長させるためのチャンスがあります。
技術部門に属するエンジニアは大きく分けて、以下の3職種です。

2. 数値解析コンサルタント
3. カスタマーサービスエンジニア
4. システム開発エンジニア