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CONVERGEオートノマスメッシング熱流体解析プログラム

【特集】オイル流れに伴う部材冷却ソリューション

【特集】オイル流れに伴う部材冷却ソリューション

ギヤ周りオイル撹拌

変速機を構成するギヤには、ギヤ同士の摩擦を低減させるためミッションオイルなどの潤滑油が使用されています。このオイルの流れをシミュレーションすることで、撹拌抵抗トルク、液面上昇高さ、オイル付着、オイルによるギヤの冷却性などの様々な情報を得ることができます。

ここではCONVERGEを使用したギヤの回転によるオイル流れ解析の例をご紹介します。

ディファレンシャルギヤ・プラネタリギヤオイルかきあげ

ギヤボックス内のオイルと空気界面の自由表面挙動を、VOF法による混相流解析で解析しています。

ここがポイント!①

公転・自転するギヤ間のわずかな隙間であっても、流体メッシュが自動で生成されます。苦労して、ギヤの移動と隙間の大きさに応じた流体メッシュを用意する必要は全くありません。さらにギヤ付近や自由表面付近のメッシュを自動的に細分化することができ、微小隙間から流れ出るオイルの気液界面を精度良く捉えることが可能です。

ここがポイント!②

CONVERGEには、サーフェス同士の接近距離を検出する機能があります。
接近距離に応じて、十分に近づいた箇所でギヤ間のメッシュを細分化させたり、ギヤ接触の発熱を模擬した熱ソースを付与するといった工夫が可能です。

【特集】オイル流れに伴う部材冷却ソリューション

ピストンオイルクーリング

レシプロエンジンで混合気を圧縮・膨張させるピストンは、燃焼行程中にアルミの融点である660℃をはるかに超える2,000℃に近い燃焼ガスにさらされることになります。そのため温度上昇による溶解・熱疲労による破損などが生じない安全性を考慮した熱設計のために、シミュレーションによる温度予測が必須となります。

ここでは、CONVERGEを使って、エンジンオイルによってピストンを冷却する解析例をご紹介します。

オイルジェットによるピストン冷却

クランクケース内のダクトから噴射されるオイルジェットによってピストン下部を冷却する解析と、より冷却性能を高めるためピストン内部に設けられたクーリングチャネルに向かって噴射する解析です。VOF法による気液混相流解析を行っているため、オイル挙動だけでなくガス流動も同時に解く詳細な解析が可能です。

ここがポイント!①

自動メッシュ生成機能により、ピストンだけでなくコンロッドやクランクシャフトの移動を考慮した解析を非常に容易に行うことができます。ユーザーが形状移動に合わせた流体メッシュを用意する必要はありません。

ここがポイント!②

流体空間はもちろん固体内部までCONVERGEでモデル化し、流体と同時に固体内温度分布を得ることができます。その際は、固体内部のメッシュも自動作成されます。
また固体表面上の局所熱伝達率や熱流束分布を得ることができるため、構造解析ツールと連携してピストンの熱応力解析の境界条件を与えることが可能です。


上記は単一気筒のピストン冷却に着目した事例ですが、以下は多気筒のピストン・コンロッド、そしてクランクシャフトを内包したクランクケース全体のオイル撹拌の事例です。
このように気筒ごとに位相差のある形状移動であっても、CONVERGEであれば容易にメッシュを生成し解析することが可能です。また、解適合格子機能により、気液界面や飛散したオイル周囲のみに細かいメッシュを自動配置することができ、少ないセル数で精度のよい効率的な計算が行えます。

【特集】オイル流れに伴う部材冷却ソリューション

モーター冷却

近年の車載モーターは小型化・高出力化が要求される一方で、銅損・鉄損・機械損に代表される発熱に構成部材が十分耐えうる熱設計を実現するために、空冷に限らない水冷・油冷といった冷却技術が重要な鍵となっています。その技術構築・設計開発においては、シミュレーションによる部材温度予測、冷却性能評価は必要不可欠なソリューションです。

ここでは、CONVERGEを使った油冷方式によるモーター冷却解析例の中から、モーター内の空気とオイルの挙動を、VOF法による気液混相流解析で確認した事例をご紹介します。

モーター内オイル流動

ここがポイント!

複雑な分布巻形状のコイルであっても、流体メッシュが自動で生成されます。
さらに間隔が狭い巻線間をオイルが流れる挙動を、細分化メッシュにより解像することで精度良く捉えることが可能です。

ATFによるモーター冷却熱伝達基礎検証

ATF(Automatic Transmission Fluid)によるモーター冷却の実測結果とCONVERGEの計算結果を比較した事例です。
CONVERGEの計算では、上方からATFを流入させ、下方にある銅線を冷却する計算モデルとなっています。計算負荷低減のため円周方向に1/12サイズ(30deg)形状に切り出しています。なお、ATFの自由表面の挙動はVOF法によりモデル化しています。

ここがポイント!

流体の挙動だけでなく、固体温度も同時に解いています。さらに固体温度の定常状態への収束を加速させるためにスーパーサイクル機能を使用しています。
ATF噴射速度が大きくなるにつれ冷却性が向上し、固体表面温度が低下する実測の傾向を計算でも捉えられていることがわかります。

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