IDAJ SYMPOSIUM 2025

modeFRONTIER Session

Introduction

日本の製造業は、慢性的な人手不足や価格転嫁の難しさといった構造的課題を抱えながら、GX(省エネ・脱炭素)への対応や経済安全保障への取り組みを迫られています。コロナ禍以降は各種投資が回復し、ソフトウェア投資も順調に増加していますが、米国や欧州などと比べると依然として低水準にとどまっています。賃金の伸びは鈍く、実質賃金も長らく停滞しています。こうした状況を変えるには、ソフトウェアを十分に活用するための従業員育成と、知の再利用が重要だと指摘されています。
GXと同時に求められる製品力の向上(相反性能の両立)、サプライチェーンリスクを見据えたロバスト設計の導入、人員不足を補うために属人作業のパッケージ化による再現性と処理量の確保など、解決すべき課題は複雑です。modeFRONTIER・VOLTAは、自動化ワークフローの構築、複合最適化、ロバスト解析、サロゲートモデルの適用などを通じて、これら課題の解決に貢献できると考えております。
本セッションでは、避けては通れないGXと、GXとは切り離せないDXの推進にあたっての有用なアイデアをご提供いたします。今年もmodeFRONTIER・VOLTAの開発元であるESTECO社をお招きし、今後のビジョンと、さらに進化したESTECO製品についてご説明いただきます。また、各業界のユーザーの皆さまからも貴重なご講演を賜ります。
多くの技術者様にとって、本会が日常業務における有益で価値ある情報収集の場となり、それらを実務にお役立ていただければ幸いです。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。

第一モデリング・ソリューション本部 解析技術3部 部長 清水 欧一

プログラム

*それぞれのご講演の後に質疑応答の時間を設けております。(約5分~10分)
*プログラムは予告なく中止・変更となる場合がございます。
*英語のご講演では同時通訳サービスをご提供します。

タイトル 講演者
10:00-10:10 開会のご挨拶 IDAJ
10:10-10:55 ESTECO Corporate and Strategy Overview(仮) *English Lecture
タイトル ESTECO Corporate and Strategy Overview(仮) *English Lecture
講演者 ESTECO 社 様
時間 10:10-10:55
概要 ESTECO社のフィロソフィー、最新情報、今後の取り組みと方向性についてご紹介します。
ESTECO 社 様
10:55-11:40 modeFRONTIERの導入期以降の展開と活用促進のための取り組み紹介
タイトル modeFRONTIERの導入期以降の展開と活用促進のための取り組み紹介
講演者 三菱電機 株式会社 様
時間 10:55-11:40
概要 私の所属するモーター開発GではmodeFRONTIERを使用しモーターの最適化を実施してきました。その中で、導入に至る経緯からどのように部門内に広めていったかを紹介します。
また、「modeFRONTIERには多数の最適化アルゴリズムが搭載されているが、最適化アルゴリズムの特徴や、どのような最適化問題にどのアルゴリズムが適しているかは専門家でないと判断が難しい」という点に対してモーターの簡易的な計算式を用いて各種最適化アルゴリズムの特徴検討を実施した事例を紹介します。
更に、「modeFRONTIERの用途は最適化アルゴリズムによる探査(Pareto解導出)のみではない」ということをJMAGと連携した事例で紹介し、技術者としてどのような目線で有効活用出来そうな可能性があるかをお伝えします。
■modeFRONTIER他弊社取扱いソフトウェアについて
弊社取り扱いのソフトウェアのご利用年数 8年
弊社取り扱いソフトウェアを利用しての主な解析テーマ モータの解析
弊社取り扱いソフトウェアを気に入っていただいている点 ・UIの使いやすさ
・サポートのレベルが高い
三菱電機 株式会社 様
11:40-13:10 休憩・ネットワーキング
13:10-13:40 eVTOL航空機に向けた電動モータの最適化設計
タイトル eVTOL航空機に向けた電動モータの最適化設計
講演者 公立大学法人 公立諏訪東京理科大学 様
時間 13:10-13:40
概要 多分野多目的最適化設計は航空機電動化の実現に向けて不可欠な一環であり、信頼性と競争力を高めるために、コンピュータを用いた設計は重要な開発手段として利用されている。本講演は電動垂直離着陸(eVTOL)航空機に搭載する電動モータに関して、仕様策定と磁気回路の最適化設計及び課題を紹介する。本設計ではmodeFRONTIER設計支援ツールを活用して、モータの磁気回路に対する双方向磁界・熱連成解析を用いた多目的最適化設計プラットホームを構築し、さらに構造・振動・音響を評価するマルチフィジックス解析手法を統合した。
公立大学法人 公立諏訪東京理科大学 様
13:40-14:10 modeFRONTIERを使った工場の人員配置の多目的最適化とその評価方法の検証
タイトル modeFRONTIERを使った工場の人員配置の多目的最適化とその評価方法の検証
講演者 中部電力 株式会社 様
時間 13:40-14:10
概要 中部電力グループでは、配電に使われる電柱の製造工場を持っている。
そこでは、電柱という大きな製品に対して、複数人の作業者がそれぞれの役割を持って従事している。しかし、変動する生産計画に対して、人員配置に余剰や不足が発生する問題を抱えていた。
そこで、生産計画に対して最適な人員配置を探索するため、複数人の作業者の作業負荷、作業時間、移動距離などを目的関数として多目的最適化を実施した。現在、導出した最適解の妥当性を評価するために、仮想空間に工場を再現したデジタルツイン環境で事前評価を行い、さらに現実空間での評価では、画像解析技術を活用することに取り組んでいる。
本講演では、modeFRONTIERと自社が保有する技術とを併用した最適解の探索とその取り組みを発表する。
■modeFRONTIER他弊社取扱いソフトウェアについて
弊社取り扱いのソフトウェアのご利用年数 3年
弊社取り扱いソフトウェアを利用しての主な解析テーマ 材料配合の最適化解析、機械設計の最適化解析
弊社取り扱いソフトウェアを気に入っていただいている点 IDAJさまからの手厚いフォローがいただけるため
中部電力 株式会社 様
14:10-14:40 遠隔地アクセスによる半導体テスト装置を用いた先端DRAMの回路動作性能最適化
タイトル X
講演者 マイクロンメモリジャパン 株式会社 様
時間 X
概要 X
■modeFRONTIER他弊社取扱いソフトウェアについて
弊社取り扱いのソフトウェアのご利用年数 X
弊社取り扱いソフトウェアを利用しての主な解析テーマ X
弊社取り扱いソフトウェアを気に入っていただいている点 X
マイクロンメモリジャパン 株式会社 様
14:40-15:20 休憩・ネットワーキング
15:20-15:50 modeFRONTIERを活用したETC設計におけるマルチフィジックス最適化事例
タイトル modeFRONTIERを活用したETC設計におけるマルチフィジックス最適化事例
講演者 株式会社IHI 様
時間 15:20-15:50
概要 近年、燃料電池駆動の車両や航空機は脱炭素社会の実現に向けて重要なアプリケーションとして注目されている。燃料電池システムの効率的なエネルギー変換には空気を圧縮する電動過給機(ETC)の高性能化が求められる。IHIでは、電磁気・流体・振動・熱・機械強度などの複数の技術要素を統合したマルチフィジックス・マルチドメイン解析に基づくモデルベース開発を推進している。本講演では、ETC設計事例におけるmodeFRONTIERによるマルチフィジックス最適化手法およびpyCONSOLE add-onツール(DeepRSM/XAI)を活用した設計探索解に対する非属人的評価手法を紹介する。
■modeFRONTIER他弊社取扱いソフトウェアについて
弊社取り扱いのソフトウェアのご利用年数 3年
弊社取り扱いソフトウェアを利用しての主な解析テーマ MBD、MBSE、マルチフィジックス・マルチドメイン解析
弊社取り扱いソフトウェアを気に入っていただいている点 比較的解析の自由度が高く、IDAJ様のサポートが手厚いため各ソフトウェアが利用しやすい。
株式会社IHI 様
15:50-16:20 サロゲートモデルを用いた資源循環型化学システムの設計 ―溶媒選択によるCO2排出量とコストの最小化に向けて―
タイトル サロゲートモデルを用いた資源循環型化学システムの設計 ―溶媒選択によるCO2排出量とコストの最小化に向けて―
講演者 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 様
時間 15:50-16:20
概要 資源循環型のものづくりへの移行が加速するなかで、化学品生産プロセスの設計の考え方は大きく変化し、最適化に求められる指標も多様化している。特に、溶媒は化学品生産において不可欠な要素である一方、使用後は排出・焼却が一般的であり、CO2排出量および資源使用量の増加要因となっている。
この課題に対して、我々の研究グループでは、溶媒循環型システムの設計に関する研究開発を進めている。本研究の特徴は、プロセスシミュレーション(AVEVA Pro/II Simulation)から得られる膨大なデータを基盤に、modeFRONTIERを用いてサロゲートモデルを構築し、効率的に最適解を探索できる点にある。これにより、反応開発における溶媒選択を、従来の収率中心の評価から、溶媒再生の性能(CO2排出量やコストなど)を含めた多面的な評価への拡張を可能にしている。本講演では、このサロゲートモデルを活用した最適な溶媒の組み合わせの探索手法と、その応用可能性について紹介する。
■modeFRONTIER他弊社取扱いソフトウェアについて
弊社取り扱いのソフトウェアのご利用年数 2年
弊社取り扱いソフトウェアを利用しての主な解析テーマ 資源循環型化学プロセスにおけるCO2排出量やコスト等の多目的最適化
弊社取り扱いソフトウェアを気に入っていただいている点 操作性に優れたGUIと、プロセスシミュレータ等のソフトウェアとの連携性
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 様
16:20-16:50 -
タイトル X
講演者 X
時間 X
概要 X
■modeFRONTIER他弊社取扱いソフトウェアについて
弊社取り扱いのソフトウェアのご利用年数 X
弊社取り扱いソフトウェアを利用しての主な解析テーマ X
弊社取り扱いソフトウェアを気に入っていただいている点 X
調整中です。
16:50-17:20 深層学習×CAEによる耐久性能設計革新 〜構想段階での構造最適化を実現〜
タイトル 深層学習×CAEによる耐久性能設計革新 〜構想段階での構造最適化を実現〜
講演者 株式会社 SUBARU 様
時間 16:50-17:20
概要 SUBARUでは、品質向上とアジャイル型開発の両立を目指し、構想段階から合理的な構造設計を可能とするプロセス改革に取り組んでいる。従来、耐久性能開発ではモード解析や部署間調整の繰り返しによる手戻りが課題であり、特にボディ・ドア構造においては、断面形状・板厚・スポット溶接配置などの設計変数の組合せが膨大であり、初期段階で合理的な構造を見出すことが困難である。そこで、設計と性能間の意思決定を初期段階で迅速に行うため、modeFRONTIER・構造解析ソルバ・モーフィング・深層学習を連携させた設計支援システムを構築した。これにより、前処理の自動化からAI予測GUIの構築までを含む解析フローを整備し、耐久性能開発プロセスに適用することで、構想段階での構造設計判断を支援する仕組みを実現した。本講演では、その技術的背景と適用事例について紹介する。
■modeFRONTIER他弊社取扱いソフトウェアについて
弊社取り扱いのソフトウェアのご利用年数 3年
弊社取り扱いソフトウェアを利用しての主な解析テーマ ・耐久強度構造解析での最適化検討
・AIモデル作成
弊社取り扱いソフトウェアを気に入っていただいている点 ・他ソフトとの連携のしやすさとサポート体制
・最適化アルゴリズムと分析機能が充実している
株式会社 SUBARU 様
17:20-17:30 閉会のご挨拶 IDAJ