Simcenter Flotherm Session
Introduction
エレクトロニクス製品の設計は、カーボンニュートラルに代表される社会環境の変化と、生成AIに代表される技術革新という大きな変化に直面しています。これらが同時に進行しているため、製品への要求は多岐にわたり、従来のように過去機種を踏襲した設計では、競争力のある製品を世に出すことが難しくなってきました。このような状況は、構造設計や基板設計だけでなく、熱設計においても同じです。しかし、他の設計要件が優先されることで熱設計が後回しにされ、その結果、試作段階になって初めて熱問題が顕在化するケースがしばしば発生します。
こうした事情から、Simcenter Flothermに代表される熱シミュレーションを導入し、熱設計プロセスの改善や熱設計のフロントローディングを実現しようとする企業が増えています。一方で、「熱シミュレーションを設計品質改善に結びつかないまま、導入から数年が経過してしまった」、「CAE専任者は育成できたものの、設計者への展開が進んでいない」といった、設計現場における課題についてよくご相談をいただきます。
そこで、今年のSimcenter Flothermセッションでは、熱シミュレーションツールを製品設計に活用した事例をユーザー様よりご講演いただきます。
電子情報技術産業協会(JEITA)様からメモリデバイスの熱設計の効率を上げる熱抵抗モデルについて、デンソー様から部品の発熱量の算出について、ソシオネクスト様から半導体パッケージのモデル化と低次元モデル作成について、それぞれご紹介いただきます。
Simcenter Flothermによる効果的な設計活用事例としては、アイシン様から電動ウォーターポンプの熱シミュレーションのモデル開発と運用と製品展開事例について、ローム様から次世代パワーデバイスの性能を最大化する熱設計アプローチについて、ご紹介いただきます。
さらにSimcenter Flothermの開発元のSiemens Digital Industry Software様からは、Simcenter Flotherm製品の新バージョンに搭載されている重要な新機能と活用方法についてご紹介いただきます。
弊社からはエレクトロニクス製品の元設計エンジニアが、デスクトップPCを題材としたシミュレーション活用した熱設計手法についてご紹介いたします。最後にIDAJ技術顧問の国峯からは、熱シミュレーションを設計プロセスに必須な開発ツールとして定着させている企業と、そうでない企業の間にある3つの大きな違いについてご説明し、熱シミュレーションの活用に必要な事項について考察します。
今回の本セッションは、熱シミュレーションを現場に根付かせるヒントを持ち帰っていただける内容となっております。多くのお客様のご参加をお待ちしております。
第二モデリング・ソリューション本部 解析技術4部 部長 錦織 弘充
プログラム
*それぞれのご講演の後に質疑応答の時間を設けております。(約5分~10分)
*プログラムは予告なく中止・変更となる場合がございます。
*英語のご講演は逐次通訳させていただきます。
タイトル | 講演者 | |||||||||||||||
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10:00-10:10 | 開会のご挨拶
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IDAJ | ||||||||||||||
10:10-10:55 | メモリデバイスの熱設計の効率を上げるアプローチ
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一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) 様 | ||||||||||||||
10:55-11:40 | Elevating IC Design: What's New in Simcenter Flotherm during 2025 for Streamlined Thermal Workflows *English Lecture
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Siemens Digital Industry Software 社 様 | ||||||||||||||
11:40-13:10 | 休憩・ネットワーキング | |||||||||||||||
13:10-13:40 | BGAパッケージ、Chipletパッケージに対するEROMの適用
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株式会社 ソシオネクスト 様 | ||||||||||||||
13:40-14:10 | 次世代パワーデバイスの性能を最大化する熱設計アプローチ
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ローム 株式会社 様 | ||||||||||||||
14:10-14:40 | 設計経験者が語る開発プロセスの上流から下流へつなぐシミュレーション活用した熱設計
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IDAJ | ||||||||||||||
14:40-15:20 | 休憩・ネットワーキング | |||||||||||||||
15:20-15:50 | 機電一体型・電動ウォーターポンプの熱シミュレーションのモデル開発と運用と製品展開
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株式会社 アイシン 様 | ||||||||||||||
15:50-16:35 | 回路解析と伝熱解析で進化する車載ECU開発(仮) | 株式会社 デンソー 様 | ||||||||||||||
16:35-17:20 | 製品開発に熱流体解析を根付かせるために必要な3つのこと ~技術・組織・情報~
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IDAJ 技術顧問 国峯 尚樹 | ||||||||||||||
17:20-17:30 | 閉会のご挨拶 | IDAJ |