「シミュレーションと最適化技術を用いた 機能安全コンセプト策定手法」のご提案(その2)
皆さま、こんにちは。
IDAJの小川です。
今日は、前回ご紹介した記事の続きを書かせていただきます。
安全ライフサイクルとシミュレーション
下の図の左側は、ISO26262の製品開発サイクルをフローチャート式に記したものです。図中の数字はISO26262のPart番号・章番号です。アイテム定義で、開発対象を定義した後、ハザード分析とリスクアセスメントを行います。ここでは、マルファンクションの特定とマルファンクションによって引き起こされるハザードを分析します。最終的には、ハザードにつながるマルファンクションを防ぐ方策が機能安全コンセプトとなります。
機能安全コンセプトは、システムレベルの開発を通じて、ハードウェアで実現される要件とソフトウェアで実現される要件に分解し、それぞれの詳細設計に反映されます。これらの活動の中で、シミュレーションの活用ポイントが2つあります。一つ目が、ハザード分析とリスクアセスメントにおけるシチュエーション解析とハザードの特定です。ここでは、事故の再現や、環境要因によって生じるマルファンクションの特定にシミュレーションを活用します。
二つ目が、システム検証です。システムレベルの開発を通じて実現された機能安全コンセプトの有効性を確認するために、一度、コンセプトまで立ち返る(イタレーションを回す)ことを行います.これにより、開発の早い段階からコンセプトの有効性を確認しつつ、繰り返し開発(イタレーティブな開発)を進めることができます。
このとき、シミュレーションモデルとして、ハザード分析で用いたモデルをベースに、開発の結果として詳細化したモデルを取り込めると、より効果的なモデルにできるものと考えています。
次回は、「求められるシミュレーション環境」についてご紹介します。
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