「シミュレーションと最適化技術を用いた 機能安全コンセプト策定手法」のご提案(最終回)
皆さま、こんにちは。
IDAJの小川です。
今日は、「シミュレーションと最適化技術を用いた 機能安全コンセプト策定手法のご提案」、最終回の記事を書かせていただきます。
ぜひ「その1~3」もあわせてご覧ください。
ブレーキを題材にした適用事例
自動ブレーキを題材に先述の考え方を適用した事例をご紹介します。アイテム定義では、SysMLを用いて初期アーキテクチャを描き、アイテムの機能についてまとめます。
ハザード分析とリスクアセスメントでは、雨のなかでトラックの影から人が飛び出す状況を再現したシミュレーションを実施することで、環境を考慮したマルファンクションの見える化をおこないました。
システム検証では、下図に示すようにxMOD上にSCADEで作成したディスプレイと車両、環境のモデルを結合し、modeFRONTIERと接続します。ここで、自動ブレーキのセンサー(カメラ)が環境要因によって、人の飛び出しを検知できない状況をシミュレーションします。
機能安全コンセプトから導出された例には、「センサーに検知性の問題があることを検出し、自動ブレーキが無効であることをドライバーに通知」という技術安全要求を定義しました。この場合の最悪化は、「ドライバーに自動ブレーキが無効であることを通知せず、かつ衝突する」状況を発生させるパラメータを探査することです。今回のシミュレーションでは、下図に示すように最悪な状況は発見され、探査した範囲内ではロバストなシステムとなっていることがわかりました。
こちらで示したシミュレーション技術は、STAMP/STPAへの適用も可能だと考えています。今後も積極的に技術構築に取り組んでいきます。
ご不明な点がございましたら、下記までご遠慮なくお問い合わせください。お待ち申し上げております。
■お問い合わせ先
株式会社 IDAJ 営業部
E-mail:info@idaj.co.jp
TEL: 045-683-1990