最適化フロー構築サービス

多目的ロバスト設計最適化支援ツールmodeFRONTIERは、従来の単純な自動化やトレードオフ探索などに加えて、意思決定を支援するツールとして多くのお客様に広くお使いいただいています。
しかしながら、CFDは一般的に計算負荷が高いため、最適化分野で活用するには多くの計算リソースを必要とします。一方で、近年ではコンピュータの導入費用は従来に比べて大幅に下がってきているため、CFD分野での最適化技術計算が現実味を帯びてきました。
ここで新たに問題となってきたのがソフトウェアライセンス費用です。一般的な商用CFDツールは計算を流すジョブ数と使用するコア数に応じて課金されるため、計算機のコストが下がってもCFDツールのライセンス費用が障害となって最適化計算が十分に活用できない状態となっています。
iconCFDは、オープンソースソフトウェアベースのCFDソフトウェアであるため、一旦ご導入いただければお客様に必要なだけのジョブを、保有するハードウェアのコア数にあわせて存分にお使いいただけるため、ライセンス費用の制限から完全に開放されます。このため、iconCFDは最適化計算に対して最も適しているツールであると言えます。
最適化フロー構築サービスは、このiconCFDのコストメリットを最大限に活かせる最適化計算フローの構築からお客様サイトでの実行確認まで、IDAJが一貫してシステムを構築させていただくサービスです。

◆Topics◆
iconCFDとmodeFRONTIERを利用した3次元CFD多目的最適化へのチャレンジ

これまで、3次元CFDでの多目的最適化計算については、所有ライセンス数や最適結果を得られるまでの計算時間の問題などで、実務への適用を敬遠される傾向が見られました。
そこで、iconCFDを用いることで、計算環境さえ整えばライセンス数を気にせずに、リーズナブルな計算時間で多目的最適化ができるようになるため、その可能性が期待されます。
ここでは、3次元CFDの多目的最適化が実務で適用できるレベルにあるかを探るために、 DEP MeshWorksおよびiconCFDとmodeFRONTIERを連成し、空力解析に適用した事例についてご紹介します。
本事例の目的は、iconCFDによる3次元CFDとmodeFRONTIERの連成計算で
  • どの程度のCFDモデルと計算環境で、どの程度の計算時間になるか
  • 車体形状が空力特性(CD値/CL値)にどの程度影響するか
  • またCD値最小化とCL値最小化で最適解の分布がどのようになるか
を把握することです。
なお本事例で用いた形状は、CFDベンチマーク用風洞実験モデル(社団法人自動車技術会)の車体形状からアンダーフードのカバーと支柱の削除、およびハーフモデルに変更して使用しました。

計算環境

マシン

Dell社製 Precisior WorkStation T3400, Windows XP Professional x64 Edition v2003sp2, Intel Core2 Quad CPU Q9550 2.83GHz
modeFRONTIERおよびDEP MeshWorksのプリ・ポスト
日本コンピューティングシステム社製 VC83000-INXEW-X, Linux 2.6.21.6 (SUSE LINUX 10.0), Intel Xeon CPU 5160@3.0GHz (AMD64) 1CPU 4core ×36台 iconCFDのメッシュ作成およびCFD計算
計算に使用したcore数は, 統計分析用計算40core(計算時間:7時間12分), 最適化計算20core(計算時間:14時間50分)

ソフトウェア

最適化ツール:modeFRONTIER v4.4.2
メッシュモーフィング:DEP Mesh Works/Morpher v6.1
CFDメッシュおよび計算:iconCFD v2.0.3
キューイングシステム:Sun Grid Engine 6.1u2

統計分析結果

最適化結果

データマイニングと最適化結果

選好解のCFD最適化結果

結論

modeFRONTIERを用いることで自動化・最適化の設定が容易となり、人的工数の削除およびライセンス・マシンリソースを最大限に利用することが可能となります。
またmodeFRONTIERの多彩な結果処理チャートを用いることで、入力変数の出力への寄与、目的関数同士の定量的なトレードオフ情報の把握、およびデータマイニングによるデータの特徴づけや変数間の関係の把握などを簡単におこなうことができます。
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