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【はじめての流体解析】流体解析を構成する要素(その3)

皆さま、こんにちは。

IDAJの石川です。

 

~流体解析をはじめる前に知っておくこと~(12

今回も、流体解析を構成する要素の続きから。

■計算するためのコンピュータ

■解析する形状や計算に必要なメッシュ

■さまざまな計算手法と計算するためのプログラム

■どのような物理現象を扱うかを決める解析設定(!ここの続きからです)

■計算で得られた結果を人間に理解できる形にする結果処理

 


流れだけでなく、熱も扱うことができます。

流体内部での熱伝導はもちろんですが、固体内部にもメッシュ作成することで固体内部の熱伝導計算を行なうことが可能です。

さらに、流体と固体間の熱伝達も求めることが可能です。

また、固体の発熱で温められた空気が上昇していくような自然対流を扱うことも可能です。

流体解析では壁面間で輻射エネルギーがやりとりされる壁面輻射を扱うことができます。

また、燃焼炉などで重要になるガス輻射についても考慮することが可能です。

一般的な壁面間での熱輻射以外に、2物体間にある媒体を電磁波が通過する際にも、熱の吸収や散乱による熱エネルギーの放出が起こっている現象を特にガス輻射といいます。

ガス輻射は、2物体間に点在する媒体のもつ物性によっても違いがあります。例えば、媒体が空気であれば、ガス輻射の効果はほぼ無視できますが、反応炉の内部のように、媒体中に水蒸気や炭酸ガスが多く点在しているような場合には、ガス輻射の効果は大きくなります。そこで、前者を透明体、後者を半透明体といった具合に、ガス輻射の効果の大小によって、媒体を区別しています。

 

その他、太陽輻射を考慮することによって、ある角度で太陽が当たっている場合の室内温度分布を求めるといった解析が可能です。ご興味をお持ちでしたら、ぜひ一度お問い合わせください。

 

解析領域内に気体と液体、混ざり合わない液体同士などが同時に存在しているような混相流も捉えることが可能です。

こちらは、気体と液体の界面を捉える手法“自由表面”での解析事例です。

流体解析ソフトウェアで液体金属が固化する状態や逆に融解する状態を求めることもできます。

これを利用してキャスティング解析などを行います。(以下は、ガリウム溶融解析です。)

インジェクタやポンプなど、液体が高速で移動する場合に発生するキャビテーションも予測することが可能です。

キャビテーション(cavitation)は、液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象で、空洞現象ともいわれます。この現象は19世紀末に、高速船用のプロペラが予想された性能を発揮しなかったことから発見されました。

液体の流れの中で圧力がごく短時間だけ(水では大気圧の1/50程度)飽和蒸気圧より低くなったとき、液体中に存在する100μm以下のごく微小な「気泡核」を核として、液体が沸騰したり溶存気体の遊離によって小さな気泡が多数生じます。気泡核がなければ気泡も簡単に発生することはありません。

気体中に液滴を噴霧する場合の、液滴の挙動を捉えることができます。これには一般に“ラグランジェ混相流”と呼ばれる手法を用います。

古くからこの機能を利用して、エンジンや燃焼器内に燃料を噴霧し、さらに燃料が燃えるといった計算などが行われています。

液滴が壁面に衝突すると、壁面上に液体の膜が形成されます。これを一般に液膜と呼びますが、この液膜の生成、挙動などを求めることも可能です。

気体と液体の混相流だけでなく、液体と固体といった混相流を扱うことも可能です。

この事例では、“オイラー混相流”と呼ばれる手法を用いました。

残りのご説明は、またまた次回に譲ります。

 

続きはこちらです。【はじめての流体解析】流体解析を構成する要素(その4)

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