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認証取得済みコード生成機能を核とした、組み込みソフトウェアのモデルベース開発環境「Ansys SCADE」 のご紹介(その1)

皆さま、こんにちは。

IDAJの小川です。

 

今回は、認証取得済みコード生成機能を核とした、組み込みソフトウェアのモデルベース開発環境「Ansys SCADE」(以下 SCADE)をご紹介します。

 

SCADEは、Safety Critical Application Development Environmentの頭文字からとったもので、安全性が求められるアプリケーションソフトウェアの開発環境として、現在は、ANSYS社がその開発を担っています。

 

ツールをご紹介する前に、現状のソフトウェア開発の課題と今後の傾向について触れたいと思います。

様々な業界において、ソフトウェアはますます複雑化しており、要求は高度化するばかりです。また、求められる安全性も日々、高度になっています。

しかし、開発のリソースが増やされることはなく、工数の削減と同時に品質の向上を図り、さらには、認証への対応を求められているのではないでしょうか。

となりますと、開発手法そのものを見直すしかない状況に置かれています。

そこで、このような状況を打破すべくモデルベース開発(MBD:Model Based Development)を導入して、複雑な設計内容をモデル化することが推進されています。

 

モデル化するメリットは主に3点。

・モデル化することでソフトウェア全体の見通しがよくなり、仕様が明確化する

・モデル化することで、ソフトウェアの振る舞いが理解しやすくなり、関係者間でのコミュニケーションがスムーズになる(下図のように、みんなでモデルを見ながら議論できる)

・モデルを動かす(=シミュレーション)ことで、上流工程において多くの検証を実施し、フロントローディングが可能になる

 

 

ここでご紹介するSCADEは、まさにモデルベース開発を加速するための開発環境です。

 

SCADEを一言で表すと、「機能安全認証に対応したモデルベース開発環境」。

以下の図は、SCADEの主な機能で、一番のコアになるのがSCADE Suiteで、ソフトウェアの振る舞いをモデルで描く(=定義する)部分にあたります。

SCADEモデルというモデル言語でソフトウェアの振る舞いを描いたのち、シミュレーションを用いてソフトウェアの振る舞いが意図通りであることを確認します。

シミュレーションを用いた検証が終了したら、Cコードを生成します。SCADEのコード生成機能はソフトウェアモデルと生成したCコード間の振る舞いの一致性をツール側が保証しています。

これが他のツールとの大きな違いです!

 

また、ソフトウェア設計前のシステムレベルでの設計をサポートするために、SysMLを用いたシステム設計ツールもあります。SysMLで定義したシステムモデルのソフトウェア部分をSCADE Suiteへ同期することが可能です。

私が知る限り、一つのツール環境で、SysMLモデルとソフトウェアモデル間で情報の同期ができるツールはSCADE以外にはありません。

また、ソフトウェアモデルはソフトウェアの仕様書とも言えますので、設計ドキュメントを生成することもできますし、組み込み向けのHMI(Human Machine Interface)を開発する環境も準備されています。

 

 

 

SCADEがお客様にご提供できる価値

それは、システム設計とソフトウェア開発間の一貫性が保持できるということです。

上図のSysMLモデルとソフトウェアモデル間で情報の行き来が簡単にできることが、これに当たります。

また、モデルレベルの設計に集中できるように、自動コード生成機能が機能安全認証を取得済みであるということもあげられます。モデルと生成コード間の一致性をツール側が保証しますので、いわゆるBack to Backテストや生成コードに対する静的な検証、さらにはコードレベルでのカバレッジ計測が不要です。

したがって、モデル上で検証を実施し、何か問題があればモデルを修正するだけで良く、生成コードを確認する必要はありません。また、生成コードはMISRAに準拠しているため危険な構文は含みません。

このように品質向上と検証工数の削減を可能とするSCADEは、実はすでに15年以上も前から実際のプロジェクトに適用されています。

そのプロジェクトの担当者様からは、

ソフトウェア開発コストを30~50%削減できた!

というとても嬉しいお声を頂戴しています。

次回に続きます。

追記・更新:2021年5月11日

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