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【はじめての流体解析】流体解析を構成する要素(その4)

皆さま、こんにちは。

IDAJの石川です。

 

~流体解析をはじめる前に知っておくこと~(13

今回も、流体解析を構成する要素の続きから。

■計算するためのコンピュータ

■解析する形状や計算に必要なメッシュ

■さまざまな計算手法と計算するためのプログラム

■どのような物理現象を扱うかを決める解析設定(!ここの続きからです)

■計算で得られた結果を人間に理解できる形にする結果処理

 


燃焼を含む化学反応も解析することができます。さきほどのラグランジェ混相流と組み合わせることで、燃料を噴霧し、それが燃えるといったエンジン筒内などで起こっている現象を捉えます。また、発生する”すす”の量を予測するといったことも可能です。

流体機械として代表的な、ファンやタービンなどの回転機器内の流れを求めることができます。特殊な手法を用いて、羽根車を動かさずに定常状態を求めることもできますし、実機と同じように、解析モデル中の羽根車を時々刻々回転させながら計算させることも可能です。

エンジン筒内でのピストンの移動や搬送機器の移動など、解析領域内で何かが動く場合でも、物体の移動に伴った流体現象を捉えることができます。これは、動く物の周囲のメッシュを移動・変形させたり、追加・削除することで対応します。

走行中の自動車の窓を開けると“ゴー”という大きな音がします。これは流体の流れから発生する音で、一般に流体騒音と呼ばれています。音は突き詰めれば微細な圧力変動ですので、流体解析で捉えることができる現象の一つです。

以上、ご紹介したように、流体解析ではいろいろな現象を取り扱うことが可能です。また、その現象を取り扱うための物理モデルも多数存在しています。特に汎用の流体解析ソフトウェアになると、扱える現象も幅広く、搭載されている物理モデルも多岐に渡ります。

 

当然、これらの物理モデルを組み合わせて様々な現象を捉えることができますが、最初のアプローチから、あれもこれもと多くの機能を使用することはあまり賢明ではありません。

詳細な現象や形状を全てモデル化しなくても目的の結果を得られる場合があるからです。

 

例えば、“キャビテーションが発生するかどうか”を予測するケースを考えてみます。

 

キャビテーションは圧力が飽和蒸気圧よりも低くなった部分で発生する現象ですが、キャビテーションは非定常的な現象であるため、非定常解析を行わなければならず、計算時間がかかります。

しかし、キャビテーションが発生するかどうかを確認するだけであれば、流れ場の定常解析を行い、その圧力分布を見ることで予測することができるのです。

⇔“計算負荷”と”得られる情報”のトレードオフ

 

結局は、ある仮定をもとにモデル化を行わずに計算することになりますので、実験値などと比較して多少異なる結果が得られるという可能性があります。

そのため、あらかじめ、解析対象の物理現象をよく理解し、それに対する妥当な仮定を検討する必要があります。

また、解析結果の評価に際しても、得られた結果が仮定を考慮して考えた場合に妥当かどうかを慎重に考察する必要があります。

⇔“妥当な仮定”と”冷静な判断”

 

流体解析を構成する要素の最後、結果処理については、次回ご説明します。

 

続きはこちらです。【はじめての流体解析】流体解析を構成する要素(その5)

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