「シミュレーションと最適化技術を用いた 機能安全コンセプト策定手法」のご提案(その3)
皆さま、こんにちは。
IDAJの小川です。
今日は、前回ご紹介した記事の続きを書かせていただきます。
求められるシミュレーション環境とは
これまでご紹介した開発を実施する上で必要となるシミュレーション環境には、アイテムモデルと環境がモデル化できる、モデルの詳細度を変更することができるという条件があります。
また、アイテムのモデル化だけでは不十分ですので、環境要因がモデル化でき、検証対象は詳細にモデル化する一方で、粗くてよい部分は簡易なモデル化が可能なツールが必要です。
そこで今回は、シミュレーションプラットフォームxMODをベースに、GT-SUITEで作成したエンジン~車両モデル、SCADEで作成した制御ソフトウェア、環境に関してはTASS International様のPreSCADE、そして最適化・自動化を行うmodeFRONTIERを接続したシミュレーション環境をご提案します。なぜこのような環境が相応しいのか、各ツールの特徴を交えて簡単にご紹介します。
・マルチツール連携、MILS、SILSからHILSまでモデル共有を可能とするシミュレーションプラットフォーム『xMODTM(エックスモッド)』
各ツールから生成したモデルをつなぎ合わせて一つのシミュレーション環境が作成できるという点において、今回ご提案するシミュレーション環境として理想的です。
・自動車総合シミュレーションプラットフォーム『GT-SUITE(ジーティースイート)』
モデル化の詳細度をユーザーが自由に選択することができます。
・クリティカルなシステム・ソフトウェアの統合開発環境『SCADE®(スケード)』
モデルで描いたソフトウェアの振る舞いを、FMIやS-Functionの形式で出力することができます。自動コード生成機能から生成されるCコードは、モデルとコードの一致性をツール側で保証しており、コストがかかるコードレベルでの検証(Back to Back、コードレビュー、コードカバレッジ)を省略することができます。また、ISO26262 ASIL-Dをすでに取得済みのツールですので、ユーザーが改めて取得する必要がありません。
・多目的ロバスト設計最適化支援ツール『modeFRONTIER®(モードフロンティア)』
一般的に最適化ツールには、ターゲットに近づくような最適化入力変数を自動的に探させます。しかし、自動運転車のテストにおいては、効率的に「崖」=「システムが破綻する入力パラメータの組み合わせ」を探査することが重要となるため、「最悪化」という方法を利用します。つまり。評価関数を最悪化(システムが破綻する)するような状況を最適化ツールに探索させるのです。
次回は、「ブレーキを題材にした適用事例」について簡単にご紹介します。
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