【今日のANSYS】Calm Landing ~無人機を静かに着水させるには~
皆さま、こんにちは。
IDAJのANSYSプロダクト担当の河口です。
CAEやCFDが世の中の役に立っている情報や興味を引く適用事例などの情報を、ANSYS, Inc.及びアンシス・ジャパン株式会社発行の情報誌「ADVANTAGE」の記事を中心にご紹介させていただきたいと思います。
今回は、世界をリードする航空会社、貨物空輸業者、軍用機運航会社などの顧客ベースに様々な保守・エンジニアリングサービスを提供している統合サービスプロバイダーSingapore Technologies Aerospace 社の、海洋監視用の無人機(UAV)の着水シミュレーションについてご紹介します。
UAVが想定外に着水(不時着)すると、機体が木端微塵になる
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その損害金額は、一度に数千または数百万ドルにのぼることも(!)
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UAVの設計においては不時着を想定する必要があるが、UAVの着水飛行試験は時間とコストを考えるとリーズナブルではない
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シミュレーションで検証せざるを得ない
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機能豊富なANSYS Fluentでシミュレーション
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混相流(VOF)が必要
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水と衝突時の圧力は非常に大きいため液体圧縮性が必要で、圧力と密度変化から定義される体積弾性係数に基づくUDFを組み込まなければならない
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衝撃荷重を捉えるために非常に小さい計算ステップを考慮しなければならず、移動メッシュも必須
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非常に高度で、かつ難易度の高いシミュレーション
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なんとか工夫しなければ!
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UAVを含むゾーン(半球で定義)とそれ以外の静止領域をMoving Deforming Mesh(MDM)手法でモデル化し、さらに対象境界にしてメッシュ数を節約
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6自由度剛体挙動連成計算を実施(移動に応じてその都度リメッシュ)
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誤差は僅かに2.2%!
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20パターンの着水ケースをシミュレーション
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シミュレーションで得られた貴重なデータと知見から構造設計を見直し
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UAVの操縦者がやむを得ず着水する際に、最良のパターンで着水させる判断材料も得られた
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このシミュレーションによってかなりの費用を削減することができた
このように、実試験が困難な対象では、やはりシミュレーションが最大限に威力を発揮しますね。
記事詳細は以下ご参照ください.
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