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【適用事例】CONVERGEによる塗装プロセスのシミュレーション

皆さま、こんにちは。

IDAJの水島です。

 

「CONVERGE」は、エンジン筒内やガスタービン、ポンプ、コンプレッサのシミュレーションで広くご活用いただいていますが、実は、塗装プロセスのシミュレーションにも適用することができます。

 

【適用課題例】

・電着塗装プロセス

・静電塗装プロセス

・どぶ漬け塗装プロセス

・スプレーガン、エアブラシによる吹付塗装プロセス

・水洗いプロセス

・乾燥プロセス など・・・

 

CONVERGEの自動メッシュ生成ソルバーは、複雑な形状や、これまで格子法ソルバーが苦手としてきた移動境界を伴う計算を容易に・高速に実行します。

ユーザーは、表面形状のみを用意するだけでよく、CONVERGEが流体計算を実施しながら内部の流体メッシュを自動作成するため、どんなに複雑な形状であっても、どんなに複雑な形状の変形・移動であっても、必ず流体解析を実施することが可能です。

また、難易度の高い3次元の流体-固体熱連成解析や流体-構造連成解析にも対応することができます。

 

塗装プロセスにおいて塗装対象とする自動車のフレームなどは、小さなボルト穴を伴う複雑な形状であることが多いのが特徴です。下図はガスタービン燃焼器内の燃焼解析例ですが、空気導入のパンチ穴形状をそのままに流体計算を実施しています。

 

 

それでは塗装プロセスの中から、いくつかの事例をご紹介します。

 

電着塗装プロセス(電着・水洗い)

こちらの動画は、自動車のホイールを水につけ入れて取り出すプロセスをシミュレーションしたものです。これは塗料を考慮した解析ではありませんが、同様の手順で塗装プロセスにも応用することができます。

CONVERGEでは、解析にかかる時間を短縮するために、フレームの隙間やボルト穴を簡略化する必要がなく、そのままの形状を解析に反映させることができます。したがって、どの部位に水がたまるのか、取り出す速度によって排水状況がどう変わるのかなどといった検討が可能となります。もちろん、異なる形状の計算もすぐに実行できます。

また、移動速度は任意に与えることができますので、漬ける時間や取り出す時間をどのように設定するか、入水速度や引き上げ速度の違いによって気泡が発生してしまわないかといった検討も行うことができます。最終的には、各工程を短縮化するための検討という用途にまで拡大適用していただけるものと思います。

 

 

空気ジェットによる乾燥プロセス

こちらは自動車フレームの塗装後のプロセスである、乾燥プロセスのシミュレーション事例です。

移動するフレームの左右に配置された空気ジェットノズルによって乾燥させるもので、フレーム移動を反映させた流体解析を実施し、局所的な乾燥状態を予測します。

ボルト穴もあるフレームの実際の複雑な形状を解析に反映することができ、また、メッシュも必要な箇所にのみ細かいメッシュを配置することで、メートルオーダーの移動距離に対しても効率的に流体解析を行うことができます。

固体内部のメッシュも作成すれば、フレームの温度変化も直接的に解析することができます。

 

 

 

スプレーガンによる吹付塗装プロセス

塗装装置であるスプレーガンの解析事例をご紹介します。

スプレーガンでは、塗料を噴射するだけでなく、周りにアシストエア、シェイピングエアという空気を噴射させることにより、塗料の広がりを制御しています。

流体解析を実施することで、塗装面への塗料付着面積が予測できますので、エア圧力違いや塗料の流量違いで付着範囲や膜厚分布がどう変化するかを検討する際には有用です。本事例では、シェイピングエア圧力違いでの付着面積比較・膜厚分布の比較、実測との精度比較も実施しています。

今回の解析対象は、平板の塗装状態でしたが、複雑な塗装対象を考慮した予測も可能です。

 

 

[1]Ye, Pulli, “Numerical and Experimental Investigation on the Spray Coating Process Using a Pneumatic Atomizer : Influences of Operating Conditions and Target GEometries”, 2017, www.mdpi.com/journal/coating

[2]”Research on Distribution Properties of Coating Film Thickness from Air Spraying Gun-Based on Numerical Simulation”, 2019, www.mdpi.com/journal/coating

 

CONVERGEの燃料噴射シミュレーションでは、ガソリン・ディーゼルエンジン筒内計算で広く使われている、ラグランジュ法という手法を採用しています。ラグランジュ法は、数万ともなる液滴の運動方程式を解くことで、蒸発、分裂、抵抗、熱伝達などの物理過程を表現しています。また、壁面での反発挙動も、衝突の勢いによって付着するか跳ね返るかを判定したり、衝突面が燃料で濡れていると付着しやすくなるといった現象が物理的にモデル化されており、条件によっては薄い液体の膜である液膜を形成します。液膜自体もガスの流れや次々と衝突してくる液体の影響を受けて移動したり広がったりします。前置きが長くなりましたが、数多くのエンジン筒内解析で検証されたこれらの実績あるモデルを塗装シミュレーションに適用できるということも、CONVERGEをご利用いただくメリットです。

 

今回の解析では考慮していませんが、スプレーガンの移動経路を考慮した解析、塗料の揮発性などを考慮した解析、さらに静電場と電荷した塗料液滴を考慮した解析も実現できます。

 

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