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縮約した反応メカニズムの最適化

 

皆さま、こんにちは。

IDAJの水島です。

 

今回は、オートノマスメッシング熱流体解析プログラム「CONVERGE」の開発元である、Convergent Scienceが公開しているBLOGの内容を翻訳してご紹介します。


私が料理するときは決まってインド料理で、常に30種類ほどの材料を使用します。そして最近はミニマリスト流ベーキングにはまっています。

マカロンの材料を9つから5つに減らすのは比較的シンプルなんですが、私を悩ませているのは、膨大な材料を使うインド料理でも、深い味わいを残すことができるだうか? という疑問です。

そして、その答えは「イエス」。

30種類の中から適切な5つの材料を選択することがカギです。しかし減らす量が多くなるほどに、実際に重要なものが何かを特定することが難しくなるものです。

幸いなことに、「メカニズム」の場合にはCONVERGEがそれをやってくれます。

 

Convergent Scienceは、ローレンスリバモア国立研究所が公開しているディーゼル燃焼メカニズム2,885化学種を、メカニズムリダクションツールを用いて3度リダクションし、83化学種からなるメカニズムを生成しました。

次に、希薄条件、化学量論的条件、リッチ条件下で、0次元着火遅れのシミュレーションを実行しました。

以下の図が示すように、化学種数を931にリダクションしたメカニズムでは着火遅れ時間は有意に変化しませんでしたが、化学種数を83に大幅にリダクションさせると有意に変化しました。

 

 

 

私は以前のブログでメカニズムリダクションツールとダイナミックメカニズムリダクションの価値についてご紹介しています。

アルゴンヌ国立研究所が行ったメカニズム開発(54種1)のようにメカニズムを開発しようと、CONVERGEのメカニズムリダクションツールまたはダイナミックメカニズムリダクション機能を使用して自動的にリダクションしようと、軽減しなければならないのは、メカニズムをリダクションするたびに生み出しているであろう誤差によるコストです。

シミュレーションの結果はリダクションするごとに、元のメカニズムを使用した結果から遠のいていきます。

その一方で、小さなメカニズムでのシミュレーションでは、はるかに高速で実行することができます。

では、メカニズムの調整を始めてみましょう。メカニズム調整ツールを使って、着火遅れまたは層流燃焼速度データに関連する感度分析を実施して、選択したターゲットに最も影響を与えるメカニズムの反応を特定します。

着火遅れや層流燃焼速度の感度分析データがなくても、メカニズム調整ツールを使えば、これらのデータを0次元ソルバーや1次元ソルバーから取得することができます。

今から約20数年前、Convergent Scienceのco-founderであるKelly Senecalは、内燃エンジンの設計において、遺伝的アルゴリズム(GA)最適化を他に先駆けて使用しました。

CONVERGE 2.4から、メカニズム調整ツールではGA最適化に内在する可能性を用いて、メカニズム内の最も敏感な反応に対して修正されたAファクターに基づいて、さまざまなメカニズムを構築します。

GA実行の設定は面倒なことがありますが、メカニズム調整ツールがすべての入力ファイルを設定してくれますので、ユーザーはGAを簡単に実行できます。

上の3つの図は、メカニズムの調整が着火遅れに与える影響を示しています。

メカニズム調整ツールを使用して、化学種数を83種にリダクションしたメカニズムを、元のLLNLディーゼルメカニズムの着火遅れデータに対して最適化しました。

ここでは、メカニズム調整ツールによって修正されたAファクターがあるメカニズムで実行した2つのシミュレーションのデータを示しています。

最適化されたメカニズムの着火遅れのデータが、元のLLNL値と一致していることがおわかりいただけるかと思います。

メカニズム調整ツールを使用すると、着火遅れの目標値や層流燃焼速度の目標値と一致するように、メカニズムを柔軟に最適化することができます。

たとえば、一連の層流燃焼速度に合わせて調整するのと同時に、メカニズムの着火遅れが確実に変わらないようにすることができ、さらにGAで生成されたメカニズムに3次元シミュレーションを実行する計算時間があると仮定すると、3次元シミュレーションをベースとした最良の結果を得られるのです。

この研究に関しては、今後発表される論文をご覧ください。

 

大きなメカニズムがあり、効率的な実行とロバストな結果の両方が必要であれば、CONVERGEのメカニズム調整ツールをぜひお試しください。

プリンの味は食べてみないとわからない。つまり「論より証拠」ですよ。

 

 

出典:CONVERGENT SCIENCE BLOG(2017年7月24日公開)

主任研究員 Sarani Rangarajan

OPTIMIZING A REDUCED REACTION MECHANIS

 

Yao, T., Pei, Y., Zhong, B.-J., Som, S., and Lu, T., “A Hybrid Mechanism for n-Dodecane Combustion with Optimized Low-Temperature Chemistry,” 9th National Combustion Meeting of the Central States Section of the Combustion Institution, Cincinnati, OH, United States, May 17-20, 2015.

 

CONVERGEをご存じでない皆様、是非こちらをご視聴ください。CONVERGEの概要について9分で確認いただけます。

 

CONVEREGEの適用についてご不明な点がございましたら、お気軽に弊社までお問い合わせください。

 

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