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メカニズムリダクションのメリット

皆さま、こんにちは。

IDAJの水島です。

 

今回は、オートノマスメッシング熱流体解析プログラム「CONVERGE」の開発元である、Convergent Scienceが公開しているBLOGの内容を翻訳してご紹介します。


エベレストは、1年で約4mm大きくなっているのをご存知でしょうか?1

様々な本や情報では、その標高は8,850mとされています。エベレストのような移動系では、巻尺での測定よりも近似法が登山には役も立ちます。

しかし状況によっては、詳細情報が役に立たないことがあります。使用する予定がない詳細情報を取得するより、何か別のものにそのリソースを使いたくなることってありませんか?そんなときは、リソースを何に使うのかを選択できるオプションが必要です。

これが、エンジン燃焼の詳細で完全な予測の取得することを強く支持する方々に、私がメカニズムリダクションをお勧める理由です。

地図は、現地のすべてを表現していない。しかし、正しければ現地と同様の構造をしており、そこから地図の有用性がわかる。 -Alfred Korzybski 2

使用したメカニズムによって化学反応の解は求められます。一部の情報は重要ですが、その“すべて”がなくても、良い結果が得られることはよくあります。

CONVERGEには、解の精度を維持するためにメカニズムを削減する機能や、実験データと比較してメカニズムを調整する機能が複数あります。搭載されている機能は、0次元シミュレーション用のメカニズムリダクション、3次元の詳細化学反応シミュレーション中にメカニズムを削減するダイナミックメカニズムリダクションです。

下の図は、CONVERGEのメカニズムリダクションユーティリティで、様々な誤差の許容値を用いて、LLNLディーゼルサロゲートの詳細メカニズム3(化学種数は2,885、反応式数は11,754)を繰り返し削減した例です。その結果、このメカニズムは化学種および反応式数が異なる32のメカニズムになりました。次に、生成されたメカニズムを使用して、0次元着火遅れシミュレーションを実行しました。LLNLディーゼルサロゲートの削減後のメカニズム4と削減前の元のメカニズムの着火遅れの差は、CONVERGEで削減したメカニズムと元のメカニズムの差よりも大きくなっています。

さらに重要なのは、化学種数が削減されるにつれて、シミュレーションの実時間がほぼ直線的に減少したことです。すべての着火遅れが、元のメカニズムの0.2%以内だったことを考えると、これは劇的なスピードアップです。

1回の実行規模では、0次元シミュレーションは高速だといえます。しかし、たとえば遺伝的アルゴリズムの最適化のために、こういったシミュレーションを数千回実行するのであれば、計算時間はすぐに増加してしまいます。

 

化学反応メカニズム削減とプロットのカーブフィッティングのどちらでも、簡略化した見方に価値があるかどうかは、コンテキスト次第です。

例えば、曲線が0.9823のR2に当てはまるときにプロットがほぼ線形であるとする場合、当てはまらない0.0177を捨てています。しかし、その0.0177は、その瞬間にその系を説明するには必要だったのです。したがって、メカニズムを削減する能力や、プロットに合わせる能力が必要です。

 

さあ、山に行きましょう、アイスピックを手に!山に挑もうとする人を巻尺で邪魔するようなことはしませんから。

 

出典:CONVERGENT SCIENCE BLOG(2017年2月13日公開)

 

 

 

 

主任研究員 Sarani Rangarajan

THE MERITS OF MECHANISM REDUCTION

 

1 http://www.nationalgeographic.com/features/99/everest/roof_start.html
2 Korzybski, A. Science and Sanity: An Introduction to Non-Aristotelian Systems and General Semantics, Institute of General Semantics, 1933.
3 Pei, Y., Mehl, M., Liu, W., Lu, T., Pitz, W.J., and Som, S., “A Multi-Component Blend as a Diesel Fuel Surrogate for Compression Ignition Engine Applications,” Journal of Engineering for Gas Turbines and Power, GTP-15-1057, 2015.
4 Pei, Y., Mehl, M., Liu, W., Lu, T., Pitz, W.J., and Som, S., SME 2014 Internal Combustion Engine Division Fall Technical Conference, Volume 2: Instrumentation, Controls, and Hybrids; Numerical Simulation; Engine Design and Mechanical Development; Keynote Papers, Columbus, IN, USA, 2014.

 

 

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