ソリューション
ソフトウェア
その他・お知らせ
本文までスキップする

CFDでの詳細SOOTモデルの必要性

皆さま、こんにちは。

IDAJの水島です。

 

今回は、オートノマスメッシング熱流体解析プログラム「CONVERGE」の開発元である、Convergent Scienceが公開しているBLOGの内容を翻訳してご紹介します。


米国環境保護庁(以下US EPA)は、大気汚染物質の排出を抑制する厳しい基準を設けています。もっとも新しいものはTier3規格で、2017年に施行される予定になっており、ガソリン中の硫黄含有量の即座の低減が求められています。この新しい規制は、一部の大型車両を除いた、路上を走るほとんどの車両に適用されます。その結果、US EPAは、2030年までに大気汚染物質の排出量が大幅に減少すると予想しています。そして、これには粒子状物質(PM2.5)約8,000トンの削減も含まれています。この規制により米国は、カリフォルニア州、ヨーロッパ、韓国と肩を並べることになります。

地球環境と健康を守る(または車を販売したい場合)には、既存のシステムをより効率的に機能させ、規制に準拠するようにしなければなりません。

CONVERGE CFDは、Soot生成の様々なステップにかかわる基本的な物理プロセスと化学反応プロセス(微粒子核生成、凝集体形成、凝縮、Soot表面反応)をシミュレーションすることができます。経験論ベースモデルや現象論ベースモデルを使用すると、エミッションをすぐに見積もることが可能です。Soot生成をより詳細かつ正確にシミュレーションするために、CONVERGEの2つの詳細Sootモデルでは、詳細化学反応ソルバーSAGEが使用されます。なお、SAGEソルバーの使用には、PAH化学反応など詳細な化学反応メカニズムが必要です。CONVERGEには2つのメカニズムを組み合わせられるメカニズムマージツールが搭載され、ユーザーにとってより使いやすいものになっています。

 

 

詳細Sootモデルは、幅広い条件に適用可能で、Soot質量、数密度、体積分率、Sootの直径、表面積といった多くのデータを出力します。CONVERGE詳細Sootモデルはどちらも、気相と双方向で連成します。つまり、Sootの生成が気相の化学反応と熱発生に影響し、また気相の化学反応と熱発生がSoot生成に影響を与える仕組みです。双方向連成を用いたシミュレーションでは、Sootの生成のみならず、燃焼についても完全で正確な予測が可能です。

 

詳細Sootモデルの1つであるParticulate Mimic (PM)モデルは、モーメント法を使用しています。もう1つのParticulate Size Mimic (PSM)モデルは、同じサイズの粒子を含むセクションを解析して解を得るセクション法をベースにしています。PMモデルとPSMモデルの大きな違いは、PMモデルは粒子サイズの分布関数を仮定するのに対し、PSMモデルはPMモデルの結果に加えて粒子サイズ分布を求められる点です。

CONVERGE Studioを使用すれば、複雑なSoot生成と酸化プロセスを解析する詳細Sootモデルを簡単に設定できます。PMシミュレーションとPSMシミュレーションを可能な限り効率的に実施できるように、CONVERGEにはアダプティブゾーンモデルや動的メカニズムリダクションなど、計算加速機能も備わっています。産業界は、エンジンシのシミュレーションに対してホール・システム・アプローチの使用を目指しています。もはや燃焼から排気やエミッションを切り離すことはできません。別々にシミュレーションすることで生まれる誤差を受け入れる余地はないからです。US EPAすら、燃料と車両はひとつの統合システムだと見なしています。つまり、燃焼とその下流の正確なシミュレーションでは、ますます厳しくなるエミッションへの課題に取り組むために、単一の詳細化学反応ソルバーを使用することは理にかなっているのです。

 

出典:CONVERGENT SCIENCE BLOG(2016年11月30日公開)

 

 

 

 

主任研究員 Sarani Rangarajan

“THE NEED FOR DETAILED SOOT MODELING IN CFD”

 

 

本テーマも含め、CONVERGEのご紹介セミナーを開催中です。ぜひご視聴ください。

【オンラインセミナー(無料)開催中】「CONVERGE」ご紹介セミナー ~3次元流体解析の新たな可能性を~

オートノマスメッシング熱流体解析プログラムCONVERGEは、2008年の販売を開始以来、エンジン筒内の3次元解析をメインターゲットに、世界中で広くご活用いただいています。

普段CONVERGEをご利用いただいていないモデルベース開発を統括・推進されていらっしゃる開発責任者・管理職・シニアエンジニアの皆様、これからCONVERGEのご導入をご検討される方、IDAJにコンサルティング業務の依頼を検討される方に、CONVERGEがどういう場面でお役立ていただけるかをわかりやすくご紹介しています。

セミナーの詳細・お申し込みはこちら!

【CONVERGEユーザー様限定『Technical Webinar』】

弊社Webページ内ユーザーサポートセンター(製品別サポート情報「CONVERGE」>「技術情報」ページ)※に、お客様からお問い合わせの多い操作に関する解説と、いち早く解析にお取組みいただくことを目的として、CONVERGEの操作に特化してご紹介する動画をとして公開いたしました。CONVERGEの操作講習会の講師による解説付き動画を、いつでもご覧いただくことができます。

※ユーザーサポートセンターへのアクセスにはユーザー様毎に登録が必要となります。必ずご登録をお済ませの上、ご利用ください。
●既にご登録済のお客様はこちらから

●未登録のお客様はこちらから

 

■IDAJがご提供するオンラインコンテンツをご紹介しています。

IDAJ Resource Center

 

■オンラインでの技術相談、お打合せ、技術サポートなどを承っています。

本件ならびに本記事で登場する製品やサービスに関しては、下記までお気軽にお問い合わせください。ご連絡をお待ちしています。

 

株式会社 IDAJ 営業部

Webからのお問い合わせはこちら

E-mail:info@idaj.co.jp

TEL: 045-683-1990