Simcenter Flothermを活用してCASE革命に立ち向かう!(その3)
皆さま、こんにちは。
IDAJの中嶋です。
前回に続き、今回はその3です。CASE革命への対応が求められる電気・機械設計者の皆さまへ、開発テーマごとに、なぜSimcenter Flothermをご活用いただくのが良いのか、その理由を、ポイントをしぼってご説明させていただきます。
もしもご自身の担当製品が登場しない場合は、別途ご説明させていただきますので、各回の文末に記載している問合せ窓口よりお気軽にご連絡ください。
パワー素子が搭載されたインバータとモータが一体となった「機電一体製品」の熱解析は、もはや設計者が行う時代に
自動車業界は今、100年に一度の大変革期に直面しています。
その背景にあるのがCASE(※1)に代表される技術革新。
自動車の電装化比率(出荷額比)は30%を超え(※2)、自動車の電動化は今後も着実に進行することが見込まれます。
特に電気自動車はすべての動力をバッテリーで賄うため、ハイブリッド車と比べて部品の軽量化やモータの高効率化が不可欠です。モータとインバータの機電一体化や、大電流出力用にSiCパワー素子の搭載が進み、発熱密度や発熱量は増大。定常状態を想定した設計では破綻してしまい、走行状態や路面状態を考慮した過渡状態を前提にした熱設計が主流になりつつあります。そして、熱設計を担うのは製品設計段階で検討できる設計者なのです。
※1 Connected:コネクテッド、Autonomous:自動運転、Shared & Services:カーシェアリングとサービス、Electric:電動化の頭文字を組み合わせた造語
※2 日本自動車部品工業会資料より
グリッド生成が一瞬で完了
熱流体解析を行う上で切り離せないのがグリッドの生成です。時間がかかりますし、繰り返し確認が必要な作業です。
汎用熱流体解析ソフトウェアでは、モデルによってはグリッド生成に長時間要する場合がありますが、Flothermでは一瞬で完了!モデル形状を変えても追従するため、インタラクティブな操作が可能です。
高速な過渡解析
もはや定常状態を想定した熱設計では要求仕様を満たせなくなりました。
時間経過に伴って負荷が変動する動作モード条件下で、温度を検証する過渡解析が当然のこととなりました。一般的に過渡解析には計算時間がかかりますが、Flothermのソルバーは、汎用ツールの数倍の速度で高速に解析することができます。
リアルなジュール発熱分布
”電流の流れるところ発熱あり”
熱流体解析に必要な発熱条件は、なにも部品内部に限ったことではありません。バスバーや大電流の流れる配線パターンの発するジュール熱は、解析温度を確実に嵩上げします。
任意形状の導体に電流の入口と出口、それに電流値を指定するだけでジュール発熱量を解析に反映することができます。
実測値との合わせ技
せっかく温度測定データがあるのだから、それを解析モデルに反映したい。
しかし一般には解析結果と実測データを見比べ、モデルの物性値や構造を手合せするという気の遠くなる作業が必要です。Flothermで、モデルの物性値や構造を過渡熱測定のデータに合わせ込み、モデル精度を格段に向上させることができます。
3DCADデータの効率的活用
設計用に作られた3DCADモデルと熱流体解析モデルでは使用目的が違います。無条件に設計用のCADモデルを適用し、過度に複雑なモデルを解析に使うことは、計算時間の長期化を招くだけ。
Flothermでは3DCADモデルを元に、放熱経路に影響しないフィレットやねじ穴などを削除する簡易化機能が豊富。効率的な解析モデルの作成が可能です。
低次元モデルの出力
解析時間が長く、入力発熱条件が複雑な過渡解析。
Flothermでは、熱解析モデルを低次元化し、回路シミュレータに組み込んだ電気回路・熱連成解析が可能です。回路の動作モードに合わせて素子の発熱条件を変化させ、様々な動作モードに応じた素子温度を短時間で取得することができます。
IDAJでは、熱流体解析を活用する設計者を技術面からサポート。熱流体解析者なら必修の伝熱の基礎理論講座や電子機器熱設計概論セミナーに加え、通常では有償のFlotherm操作トレーニング(¥80,000/人・2日間)を今なら無償でご案内しています(※3操作トレーニングの無償キャンペーンは予告なく終了させていただくことがあります)。
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