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熱設計のフロントローディング

皆さま、こんにちは。

IDAJの営業部:担当Kです。

 

電子機器専用熱設計支援ツール「Simcenter Flotherm」は、設計の初期段階から終盤まで、各フェーズでご活用いただくことができます。

そこで今回は、CADでの形状作成、詳細設計に入る前段階の構想設計フェーズでの熱設計におけるSimcenter Flothermのお役立ち機能をご紹介します。

 

よく言われるフロントローディング。

設計の上流段階では設計自由度が高く、対策コストも安価ですが、設計が進むにつれて設計自由度が狭まり、問題が発生した際の対策コストは高価になる傾向があります。場合によっては、いくらコストをかけようとも目標温度内に収まらない・・・なんていうことがあるかも知れません。

そうならないために、設計上流の段階で、理論的な評価に基づいた設計方針を立てて、手戻りの少ない設計フローを確立するというのがフロントローディングの考え方です。

 

 

スマートフォンやタブレット、ノートパソコン、携帯音楽プレイヤーなど身の回りにある電気製品だけでなく、自動車に搭載される各種ECUや制御機器、街中に設置される電力インフラ機器など、私たちの生活を支える電子機器はより高機能化が進んでいます。しかしながら、小型化、軽量化が求められ、製品の熱課題は高まる一方です。

このような電子機器の熱解析に特化したツールが、Simcenter Flothermです。これまでは試作前の検証フェーズで使われるケースが多かったですが、熱設計の難易度の上昇とともにに、設計上流での適用がどんどん進んでいます。

設計上流では、要求に対する設計成立性の検証や、部品・ユニットの配置など、複数パターンの比較検討を簡単に行えなくてはなりません。

Simcenter Flothermは、それにお応えする機能が備わっています。

 

モデル作成の入力テンプレート

Simcenter Flothermには、モデル作成を効率化するための入力テンプレートがあります。入力テンプレートは形状だけでなく、電子機器でよく使われる部品などが含まれており、電気設計、機構設計ともCADでの形状作成に入る前の、設計上流段階での概略の形状作成や配置検討を簡単に行なうことができます。

 

充実した形状・物性ライブラリ

Simcenter Flothermには、電子機器でよく使われる材料の各種物性情報が標準で含まれています。作成した形状に対して材料物性や表面状態を一般名称で選択し、設定していくことができます。ファンを使う強制空冷の際も、性能 (静圧-流量特性)を含めて、型番でライブラリ化されています。

 

異方性を持った熱伝導率の設定

プリント基板は、配線パターンと樹脂では大きく熱伝導率が異なります。プリント基板をモデリングする際には、面内方向、厚み方向など異方性を持った熱伝導率を設定することができ、より現実に即した熱解析を支援します。

 

 

利用者に負担を掛けない事前準備

Simcenter Flothermは、解析メッシュの詳細度を3段階からの選択することができます。さらに、メッシュを切った後の編集においても、形状の変更に追従してメッシュが自動的に再生成されます。利用者に負担になりやすい解析実行までの準備工数を大幅に軽減します。

 

Simcenter Flothermは、簡単に形状作成でき、かつ現実に即した条件を設定することができますので、形状のない設計上流段階でも正しく設計方針を立て、手戻りのない設計フローの確立にお役立ていただけるものと思います。ぜひ、ご活用ください!

 

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