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xMODの活用方法:INCAを用いたバーチャルキャリブレーション(その1)

皆さま、こんにちは。

IDAJの小川です。

 

今日は、IDAJがマルチツール連携、MILS、SILSからHILSまでモデル共有を可能とするシミュレーションプラットフォームとして取り扱っている「xMOD」の活用方法についてご紹介します。

 

製品開発の効率化のために、いわゆるV字開発プロセスやMBD(Model Based Development:モデルベース開発)が注目を集めています。

V字開発プロセスでは、開発工程である左バンクで作成されたモデルを、検証工程である右バンクへスムーズに流通させる必要がありますが、多くの場合、使用されるシミュレーション環境や設備環境が、左・右バンクでは異なるため、左・右バンクの連携が取れないことが課題となっています。

そこで、シミュレーションプラットフォーム「xMOD」の典型的な活用方法の1つである、INCAを用いたバーチャルキャリブレーションをご紹介します。

 

ここでは一般的なエンジンベンチ構成を簡略化してご説明します。

以下の図に示す通り、エンジンベンチシステムを通して実機エンジンが動作し、一方でINCAによって制御パラメータが変更されます。

一般的なエンジンベンチ構成

一般的なエンジンベンチ構成

 

■xMODのベンチシステムへの接続

xMODを使用すると、エンジンベンチシステムにモデルを接続することができます。

xMODには通信機能がありますので、エンジンベンチシステム側に通信手段さえあれば、どのようなベンチシステムでも接続することが可能です。

xMODの通信機能には、CAN、イーサネット(UDP)、EtherCATなどがあります。

 

次の図は、xMODを使用してエンジンベンチへモデルを接続した例です。ここでは、T/M(トランスミッション)以降のドライブトレインや車両側をモデルとしました。

xMOD上で動作するモデルは、WindowsネイティブなリアルタイムOS(RTX64)によってハードウェアリアルタイムを実現でき、リアルタイムで動作します。

このような環境では、T/M以降はモデルですので、モデルに対して同じ入力であれば、毎回同じ出力値(モデルからのアウトプット)が得られ、実機エンジンに対して、再現性のある環境を構築することができます。

 

エンジンベンチへのxMOD接続例

エンジンベンチへのxMOD接続例

 

■INCAを用いたバーチャルキャリブレーション

 

続いて、さらに上流側でのキャリブレーションシーンを想定してみましょう。

 

実機エンジンやコントローラに代わり、エンジンモデルや制御ロジックモデルを使用します。

下の図は本ケースの構成を表していますが、このようなシーンであっても、xMODを使用すればINCAを使用することが可能です。

xMODはXCP(プロトコル)をサポートしており、INCAで使用されているa2l、hexファイルを生成することができます。これによって、MILモデルとしてのMATLAB/Simulinkモデルの各パラメータに対して、INCAからアクセスすることができるようになります。

これらは、モデルを相手としたキャリブレーションということで、バーチャルキャリブレーションと呼ばれ、より早い段階でキャリブレーションを実施することが可能になります。

現在の適合業務において、INCAを使われているユーザー様は多いかと思いますが、その経験を無駄にすることなく、バーチャルキャリブレーションを実施することができます。

例えば、試作段階で動作させるための制御定数の仮決定や、プリキャリブレーションによって実機キャリブレーションの範囲を限定するなど、バーチャルキャリブレーションを実施することにより、開発プロセスの効率化に寄与します。

 

INCAを用いたバーチャルキャリブレーション

INCAを用いたバーチャルキャリブレーション

 

続きは次回に譲ります。

xMODやバーチャルキャリブレーションにご興味がおありの場合は、お気軽に下記までお問い合わせください。

マルチツール連携、MILS、SILSからHILSまでモデル共有を可能とするシミュレーションプラットフォーム「xMOD」

 

■お問い合わせ先

株式会社 IDAJ 営業部

E-mail:info@idaj.co.jp

TEL: 045-683-1990