ソリューション
ソフトウェア
その他・お知らせ
本文までスキップする

【今日のANSYS】風力タービンと一体化した世界初のビル(Strata SE1)の設計をシミュレーションで改善(Ramboll社)

皆さま、こんにちは。
IDAJのANSYSプロダクト担当の河口です。

CAEやCFDが世の中の役に立っている情報や興味を引く適用事例などの情報を、ANSYS, Inc.及びアンシス・ジャパン株式会社発行の情報誌「ADVANTAGE」の記事を中心にご紹介させていただきたいと思います。

ロンドンにある居住用高層ビルStrata SE1は、風力タービンと一体化した世界初の巨大ビルです。SE1ビルの上部には、5枚のブレードを備えた風力タービン3基が備えられ、これらのタービンによって、ビルのエネルギー消費量の約8%に相当する年間50MWhの電気が発電されています。

この風力タービンの設計を担当したのがRomboll社。同社にはこれまでに、ビルの2つのタワーをつなぐブリッジに風力タービンを取り付けた、バーレーンワールドトレードセンターを設計した実績があります。

CFDシミュレーションで、様々な風向きと風速を設定し、初期設計の性能を評価したところ、各風力タービンの入り口に大きな再循環ゾーンが発生し、タービンの入り口に流れ込む風速が低下、さらに、このゾーンに生じた大量の乱流が原因で、タービンブレードに応力が加わることが判明
 ↓
初期設計では、瞬間的に発生する限られた条件下でしか風力タービンが使用できないことが判明
 ↓
CFDモデルを修正し、設計変更によって風力タービンの性能を向上させることができるかを確認
 ↓
風力タービンをビルのエッジに近づけつつ下に約9度傾けることによって、ビルのエッジに沿って上に向かう気流を利用し、タービン周りの構造の開放性を高めることで性能向上が期待できることがわかった
 ↓
建築技師による設計変更にも、その都度CFDモデルを変更してシミュレーションで効果を検証
建築技師も、シミュレーション結果を参考に、策定した様々な改善案を美観や構造の観点から評価
 ↓
その検討にANSYS CFDが大いに役立った
 ↓
現在、この風力タービンは、シミュレーションで予測した通り、様々な風条件下でノンストップで動作中

弊社の本社がある横浜ランドマークタワーには、残念ながらこのような設備はありませんが、今後日本でも、新しいコンセプトを持つ高層ビルとして、こんなビルが建設されるかもしれませんね?!

記事詳細は以下をご参照ください。また、詳細は下記までお気軽にお問い合わせください。
高層ビルの風力タービン

 

■お問い合わせ先
株式会社 IDAJ 営業部
E-mail:info@idaj.co.jp
TEL:045-683-1990