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コンプレッサーのシミュレーションにCONVERGEを適用

 

皆さま、こんにちは。

IDAJの水島です。

 

今回は、オートノマスメッシング熱流体解析プログラム「CONVERGE」の開発元である、Convergent Scienceが公開しているBLOGの内容を翻訳してご紹介します。


 

CONVERGEなどの計算流体力学ツールには、実際にプロトタイプを製作してテストする困難さと、時間・費用というコストなしに、コンプレッサーを分析し、最適化する機能が備わっています。

今回は、CONVERGEのいくつかのコアテクノロジーを使用して、コンプレッサーシミュレーションの工程をより簡単に、より速く、より正確にする実施する方法をご紹介します。

 

AMRAdaptive Mesh Refinement

CONVERGEのロバストな機能の中核は、解適合格子(AMR)です。AMRは、シミュレーション開始前に指定した基準に応じて、メッシュを粗密化します。コンプレッサー内の可動部品の間の狭いギャップの解像度が維持され、CONVERGEが流れの特性を捉えてメッシュを自動生成します。したがって、ユーザーは、メッシュ生成作業が不要で、CONVERGEに任せておけば良いのです。

コンプレッサーのシミュレーションの場合、AMRは特にバルブ周辺の狭い隙間の流れ解析に適用します。速度、温度、その他の目的の物理量の大きな勾配に合わせて、CONVERGEがメッシュの解像度を自動的に高めていきます。

また、AMRアルゴリズムの感度を細かく制御するために、サブグリッドスケール(Sub-Grid Scale:SGS)パラメータを変更することができます。以下の動画は、AMR機能を使って、レシプロコンプレッサーのバルブを通過する流体ジェットを解析した事例です。

 

 

グリッド収束の研究ではAMRの利点が実証されています。この研究では、目的の物理量が収束値に達するまで、グリッドを連続で細分化しました。この例では、以下の図1・2に示した吐き出しバルブのバルブリフトとシリンダー圧力にあたります。

グリッド収束の研究のための方法の1つは、ベースグリッドのサイズを小さくする、つまり、セル数を増やすことです。さらに良いのは、AMRの細分化スケールを変更することです。CONVERGEは、高勾配の近隣に細かいグリッドを作成します。そうすることで収束された解にすばやく到達し、総セル数が少なくなります。

表1は、ベースグリッドのグリッド数と実時間、図1・2に示すAMRグリッド細分化研究でのセル数と時間を比較したものです。最も細かいベースグリッドでも、最も細かいAMRレベルのいずれも解は収束しましたが、AMRでのシミュレーションの方が、シミュレーション時間が短く、セル数が少ないことがわかります。

 

図1・2:細分化されたベースグリッドと増加したAMR埋め込みスケールの間で比較された吐出バルブリフトとシリンダー圧力

図1・2:細分化されたベースグリッドと増加したAMRスケールの間で比較された吐出バルブリフトとシリンダー圧力

 

表1:ベースグリッドとAMR収束研究のセル数と実時間

表1:ベースグリッドとAMR収束研究のセル数と実時間

 

リードバルブの変形FSI

コンプレッサーの計算精度をさらに高めるためには、流体構造連成(FSI)モデルを利用ください。この機能で、レシプロコンプレッサー内などのバルク流とリードバルブの間の相互作用をモデル化して、コンプレッサー内の物理的な動作を正確に解析、破損点を予測します。

上の動画のレシプロコンプレッサーは、流体構造の相互作用を予測するためにCONVERGEの1次元ビームモデルを使用しています。バルブを通過する流れに応じて、バルブが実際にどのように変形するかにご注目ください。

カスタム流体プロパティ

コンプレッサー内の作動流体は、ほとんどの場合、理想気体とかけ離れています。CONVERGEでは、複数の異なる状態方程式モデルから、作動流体の物理的特性を正確に表すことができるモデルを選択します。理想気体の法則のほかに、ユーザーのアプリケーションに適合するRedlich-KwongやPeng-Robinsonなどの3次式モデルもあります。

また、作動流体の代わりにカスタム流体プロパティを直接指定することができますので、第三者の特性ライブラリとリンクさせる代わりに、流体特性を含むテーブル形式のデータファイルを使用します。これらのカスタムプロパティには、温度の関数として、粘度、伝導率、圧縮率などが含まれます。

作動流体として空気を使用する場合など、多くのアプリケーションでは、理想気体の法則が状態方程式に適しています(図3~6)。

 

図3〜6:理想気体の法則が空気に対してうまく機能する例

図3〜6:理想気体の法則が空気に対してうまく機能する例

 

図7~10は、複数の方法で計算した、超臨界CO2のさまざまな流体特性を比較しています。これらの例では、テーブル形式の流体特性がNISTデータとかなり一致しています。Peng-Robinsonの状態方程式モデルがその次ですね。

 

図7〜図10:様々なEOS、テーブル形式データとNISTデータの比較

図7〜図10:様々なEOS、テーブル形式データとNISTデータの比較

 

CONVERGEには、シミュレーションのプロセスをより簡単かつ正確に、コンプレッサーを対象とするCFDの難問に対応できる複数のテクノロジーがあります。是非、ご活用ください。

 

出典:CONVERGENT SCIENCE BLOG(2018年6月27日公開)

(一部編集して翻訳)CONVERGE FOR COMPRESSORS: PROVEN TOOLS, NEW APPLICATION

主任研究員 Julian Toumey

主任研究員 Julian Toumey

 


CONVERGEをご存じでない皆様、是非こちらをご視聴ください。CONVERGEの概要について9分で確認いただけます。

 

CONVEREGEの適用についてご不明な点がございましたら、お気軽に弊社までお問い合わせください。

 

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