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定常ソルバーとマルチリファレンスフレーム法

皆さま、こんにちは。

IDAJの水島です。

 

今回は、オートノマスメッシング熱流体解析プログラム「CONVERGE」の開発元である、Convergent Scienceが公開しているBLOGの内容を翻訳してご紹介します。


CONVERGEの強みの1つは、移動形状が含まれる複雑な非定常問題に対して正確な結果を常に出し続けていることです。CONVERGE v2.4に導入された機能で、この強みは定常状態の問題にも適用できるようになりました。

完全に再設計された定常ソルバーと新しいマルチリファレンスフレーム(MRF)法で、定常状態のシミュレーションを加速させます。この2つの機能は、移動形状の問題で定常状態の結果が必要なときに、一緒に適用すると特にうまく働きます。回転機器であるコンプレッサー、ファン、ポンプが好例です。

この新しい定常ソルバーは、定常状態モニターを利用して、流量の収束を追跡します。シミュレーションは、自動粗化されたグリッドと、解のトレランスを緩めた支配方程式で始まります。これにより、流体の流れが急速に領域全体に伝播します。モニターした各流れ変数が指定された平均値と標準偏差内に収まると、CONVERGEはグリッドを徐々に細分化し、解のトレランスを厳しくして、解の精度を向上させていきます。

コンプレッサーやファン、ポンプなどの移動形状を備えた機器のシミュレーションでは、MRF法を用いると精度にほとんど影響を与えることなく計算時間を短縮することができます。この方法の核は、ポンプのインペラなどの形状の可動部分を個別の参照座標系として扱うことです。

CONVERGEは、慣性座標系から移動座標系へ流れの諸量を変換し、形状の動きを表現しています。

 

羽根付きディフューザーを備えたERCOFTAC遠心ファンを例に、定常状態のシミュレーションを加速するいくつかの方法を比較してみました。

 

 

以下は、定常ソルバーとMRF法、非定常ソルバーとMRF法、非定常ソルバーと回転移動考慮の3つのケースの出口での質量流量を比較した結果です。

MRF法を使用した2つのケースの質量流量の初期条件の値は、領域全体で均一です。移動形状を考慮した場合は、粗いグリッドで行った以前のシミュレーションから取得したより正確な初期条件を使用しています。移動形状を考慮したケースはMRF法を用いた2ケースより、正確な初期条件を使用しているのにもかかわらず、正確な定常状態に収束するまでに数千サイクルかかっています。

v2.4の MRF法を使用した2つのケースは、移動形状を考慮したケースよりもはるかに速く収束しています。さらに、MRF法と定常ソルバーを組み合わせたケースは、3つのケースの中で最も速く収束しています。実に1,000サイクルもかかっていません。一番下の図は、ソルバー構成別の実時間の比較です。また、3つのケースの質量流量と圧力上昇はすべて、実験結果の3%以内におさまっています。

シミュレーションで定常状態の結果を求める場合は、CONVERGE v2.4で定常ソルバーとMRF法を組み合わせると、正確な結果を迅速に得られることがご理解いただけたのではないでしょうか?!

 

出口の質量流量の収束履歴

出口の質量流量の収束履歴

出口の質量流量収束履歴の拡大表示

出口の質量流量収束履歴の拡大表示

各ソルバーでの実時間の比較

各ソルバーでの実時間の比較

 

 

出典:CONVERGENT SCIENCE BLOG(2017年4月26日公開)

 

 

主任研究員 Julian Toumey

STEADY-STATE SOLVER AND MULTIPLE REFERENCE FRAME APPROACH

 

 

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