【今日のANSYS】ANSYS Fluentによる快適性指標の評価
皆さま、こんにちは。
IDAJのANSYSプロダクト担当の河口です。
CAEやCFDが世の中の役に立っている情報や興味を引く適用事例などの情報を、ANSYS, Inc.及びアンシス・ジャパン株式会社発行の情報誌「ADVANTAGE」の記事を中心にご紹介させていただきたいと思います。
今回は、社内で技術トピックスとして情報を得た、快適性評価のための適用例をご紹介します。
一般的に、人の快適性は、以下の6つの物理量で決まるといわれています。
・空気温度
・風の強さ
・湿度
・着衣量
・人体の代謝量(メット量という指標で定式化可能)
・放射(輻射)
ISO07730では、国際規格としてこれらを用いてPMV(Predicted Mean Vote:予測平均温冷感申告)という指標を定めています。
このPMVは、温度、湿度、風速などの関数として定義された数値で「-0.5~0.5」が快適性の目安。
(関連する指標として、不満足者率PPD(Predicted Percentage of Dissatisfied)もあります。)
PMV=f(流速, 温度, 湿度, , , ,)
温熱快適性は、代謝量に依存します。激しい運動をしている場合は、温度が低い冬でも暑く感じますよね。
代謝量は、単位表面積あたりの代謝量Metabolic Rate(メット値)で表します。
・1 [Met] = 58.2 [W/m^2]に相当(椅子に座った状態程度)
・人体の表面積はおおよそ1.8[m^2]程度⇒人体からの発熱は100[W]程度
代謝量(メット値)は、例えば、自動車の運手席の方(男性)と助手席に座っている方(女性)とでは1.5倍も違います。
エアコンのON/OFFや、車内の設定温度で、大論争が勃発することがあるのはこのためだったのですね・・・
また、温熱快適性は着衣量に依存します。薄着の場合は、温度が高くても涼しく感じますね(今年の夏は効果がありませんでしたが・・・)。
着衣量は、皮膚表面から着衣外面までの熱抵抗をクロ値で表現します。
・1 [clo] = 0.155 [℃・m^2/W]に相当
温度は、温熱快適性の基本的な要因で、気流(風速)によって温熱快適性が異なります。温度が同じでも、風速が強いと涼しく感じます。
壁や天井、床などから伝わる輻射伝熱量(放射温度)は、温度が低い部屋でも高温壁からの輻射伝熱により温かく感じます。
そして、日本に住んでいる以上は避けては通れない「湿度」。この湿度によって随分と快適性が異なります。じめじめと暑苦しいったらない!
ANSYS Fluentは、空間のこれらの量を精度良く算出することができます。
室内や車室内はもちろんのこと、出張時に、“飛行機のどの座席を抑えるべきか”の検討の一助ともなりますので、その際には、是非、ご自身でシミュレーションなさってはいかがでしょうか!?(航空機の機種がわかれば、大まかに検討することができるのです!)。また、これによっていつも悩ましい、機内での服装も検討可能ですので是非トライしてみてください。
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