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CONVERGEワークフローのTips集

 

皆さま、こんにちは。

IDAJの水島です。

 

今回は、オートノマスメッシング熱流体解析プログラム「CONVERGE」の開発元である、Convergent Scienceが公開しているBLOGの内容を翻訳してご紹介します。


 

汎用CFDソルバーであるCONVERGEは、ロバストな追加設定が不要な製品です。ソルバーに組み込まれた自動メッシュ生成技術は、CFDプロセスにおけるメッシュ生成というボトルネックを解消しました。

このメッシュ生成の自動化というメリットをもってしてもなお、計算流体力学解析の実行は依然として複雑な作業であることに間違いはありません。メッシュ生成以外の前処理や、ポスト処理に時間がかかることがあります。CONVERGEソフトウェアには、シミュレーションプロセスを合理化するための多数のツール、ユーティリティ、様々な設定方法や手順などを紹介した各種ドキュメントはもちろん、高度な知識と豊富な経験を持つエンジニアによる技術サポートもついてきます。

前処理

ボリュームメッシュを作成する必要はありませんが、表面形状に隙間があってはなりませんし、三角形分割と法線ベクトルの方向に関して、いくつかの品質基準を満たさなければなりません。CONVERGE Studioには、基準を満たしていないネイティブの形状を迅速に検出、表示、解決するためのいくつかの表面修復ツールがありますが、その中でもPolygonicaを使用すると、CONVERGE Studio内で、表面修復機能を利用することができます。

エンジンシミュレーションでは、完全な形状ではなくセクター化(モデルの一部を表す軸対称形状)した形状モデルを使用して、計算コスト低減する手法がよく用いられます。CONVERGEのmake_surfaceユーティリティを使用すると、ピストンボウルのプロファイルと形状に関する少しのインプットに基づいて、適切なセクター形状がすばやく作成されます。CONVERGE Studioには、このツールのグラフィカルバージョンが組み込まれています。

 

どんなCFDソフトウェアでも、複雑な物理モデルを制御するための入力パラメーターは膨大で、ときに、その量に圧倒されることすらあります。CONVERGE CFDでは、シミュレーションを開始する前に、シミュレーション設定の構成をチェックします。check_inputsユーティリティを実行すると、欠落しているパラメーターまたは不適切に構成されたパラメーターに関する情報が出力されます。CONVERGE Studioでは、アプリケーション全体を通して[Validate(検証)]ボタンを使用すると、シミュレーションを設定しながら段階的に入力パラメーターを検証することができます。さらに、最終検証ツールでは、形状とケース設定パラメーターを調べて、修正が必要なものがあればその修正案を提示します。

CONVERGE機能セットの主な特長は、複雑な移動形状を簡単にシミュレーションできることです。ただ、シミュレーション中の境界面の交差が許容されていません。そこで、設定がこの条件を満たしているかを確認する方法がいくつか準備されています。流体力学ソルバーをオフにした状態でCONVERGEを実行すると、噴霧、燃焼、輸送方程式は解かれません。代わりに、このタイプのシミュレーションでは、表面の運動とグリッドの生成をチェックします。CONVERGE Studioの[View Options]画面⇒[Animation]タブを使用して、境界移動をプレビューし、移動中の各ステップで三角形要素の交差に問題がないかご確認ください。

 

 

多くの複雑なエンジン、ポンプやコンプレッサー、その他の機械のシミュレーションでは、シミュレーション中のさまざまな時点で領域間の流れを防ぐシール機能を採用しています。シール設定をテストするには、CONVERGE実行可能ファイルの後にcheck-sealing引数を指定して、CONVERGEのシーリングテストユーティリティを実行します。このコマンドは、単一レベルのセルのみを用いた簡易的なテストを実施し、AMR、局所細分割、ソース、マッピング、イベントなどを含む大部分のオプションは自動的にオフになります。

完全な多気筒シミュレーションは、流体と固体間の熱伝達、吸気と排気の流れ、その他の重要なエンジン設計パラメータを正確に予測します。一方で、多気筒形状とタイミングの設定は、解析を実施するエンジニアにとって煩雑な作業になることもあります。CONVERGE StudioのMulti-cylinder wizardは、この作業の負担を軽減します。wizardは、まずシリンダーの位相遅れを設定し、次に追加シリンダーの形状部品をコピー、そして火花点火などのイベントのタイミングを設定するというように、次のプロセスへとガイドしてくれます。設定が完了すると、各シリンダーの特徴の詳細を一覧にした早見表を出力します。

 

マルチシリンダーウィザード

マルチシリンダーウィザード

 

表面の三角形要素は、CONVERGEのシミュレーション中には交差できないため、ICエンジンの吸排気バルブなどは、バルブシートに近い最小リフト値に設定する必要がありますが、技術的には閉じられていません。CONVERGE Studioには、吸気バルブと排気バルブの運動プロファイルに基づいて、バルブを自動的かつ迅速にこの位置に移動させるツールがあります。

コンプレッサーのシミュレーションでは、作動流体が理想気体からほど遠いことがよくあります。CONVERGEでは、複数の状態方程式モデルに加えて、作動流体に対してカスタム流体プロパティを指定することができます。CONVERGEは、粘度、伝導率、圧縮率などのプロパティを、提供されたテーブル形式のデータから温度の関数として読み取りますので、CONVERGEを第三者のプロパティライブラリとリンクさせる必要がありません。

CONVERGEは非常にロバストなツールでもありますので、圧縮性または非圧縮性流れ、多相流、非定常または定常状態、移動形状、非ニュートン流体など、さまざまな種類のシミュレーションに適用できます。これらの領域とシナリオのそれぞれに対して、設定パラメーターを構成する必要があります。CONVERGE Studioには、ICエンジン、コンプレッサー、ガスタービンなどの例題とその設定があります。[File] > [Load Example Case]をクリックし、特定のシミュレーションタイプに対してCovergent Scienceが推奨するデフォルトパラメータを使用してサンプルケースを開くだけ。サンプルケースをシミュレーションの開始点として使用したり、CONVERGEの使用方法を習得しながら、そのままシミュレーションを実行することができます。

 

CONVERGE Studio V2.4

CONVERGE Studio V2.4

 

ポスト処理

CONVERGEによるシミュレーション形状の三角形分割は、有限要素解析(FEA)シミュレーションの形状の三角形分割とは異なることがあります。これは、FEA形状が熱伝達解析に最も関連する領域で、解像度がより高くなる場合があるためです。CONVERGEには、壁近傍の熱伝達データを、CONVERGEシミュレーション出力からFEA表面の三角形分割にマッピングする、HTCマッピングユーティリティがあります。このユーティリティを使うと、2つのシミュレーション方法の間で反復でき、設計を理解し、最適化することができます。

CONVERGE Studioには、2次元プロットを作成する強力なラインプロットモジュールがあります。高レベルのプロットをカスタマイズできるだけでなく、CONVERGEに固有の2次元* .outファイルの一部をプロットできるようになっています。また、ラインプロットモジュールを使用すると、定常状態シミュレーションでの質量流量収束などのシミュレーションプロパティを監視することができます。 

 

CONVERGE Studioで利用可能なポスト処理ツールの一つに、エンジンパフォーマンス計算機があります。これは、ユーザーのシミュレーション設定のCONVERGE出力とエンジンパラメーターから、360度または720度の範囲の仕事量やその他の関連するエンジン設計パラメーターを自動的に計算します。結果は表にまとめられるため、簡単にスプレッドシートにエクスポートできます。

ドキュメンテーション

Convergent Science YouTubeチャンネル(英語)に、シミュレーション設定のチュートリアルビデオシリーズをアップし、ケース設定を段階的に解説しています。基本的なCONVERGEのサンプルケースの一部である表面処理、シミュレーション設定、シミュレーション、ポスト処理に関する情報はこちらをご参照ください。

Convergent Science のCFDオンライン・サポート・フォーラム(英語)では、他のCONVERGE CFDユーザーとコミュニケーションできますし、Convergent Scienceの知識豊富なチームからサポートを受けることができます。

CFDは、多くの未知数、境界条件の不確実性、流れの複雑さなどから、まだまだ困難なケースが多数あります。CONVERGEは、メッシュ作成の必要性をなくし、工程を簡略化する補助ツールを提供することによって、皆さまをご支援します。

 

 

出典:CONVERGENT SCIENCE BLOG(2018年8月20日公開)

(一部編集して翻訳)CONVERGE WORKFLOW TIPS

主任研究員 Julian Toumey

主任研究員 Julian Toumey

 


CONVERGEをご存じでない皆様、是非こちらをご視聴ください。CONVERGEの概要について9分で確認いただけます。

 

CONVEREGEの適用についてご不明な点がございましたら、お気軽に弊社までお問い合わせください。

 

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オートノマスメッシング熱流体解析プログラムCONVERGEは、2008年の販売を開始以来、エンジン筒内の3次元解析をメインターゲットに、世界中で広くご活用いただいています。

普段CONVERGEをご利用いただいていないモデルベース開発を統括・推進されていらっしゃる開発責任者・管理職・シニアエンジニアの皆様、これからCONVERGEのご導入をご検討される方、IDAJにコンサルティング業務の依頼を検討される方に、CONVERGEがどういう場面でお役立ていただけるかをわかりやすくご紹介しています。

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