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Rocky DEMを用いた混合装置解析

 

皆さま、こんにちは。

IDAJの中嶋です。

 

今回は、パーティクルシミュレーター「Rocky DEM」の開発元である、ESSSが公開しているBLOGの内容を翻訳してご紹介します。

 


 

なぜ混合が重要なのか?

薬剤成分の粉末混合から流動床原子炉内の燃料粒子まで、パン屋で生地にイーストを混合する作業からアスファルトプラント内部の砂利まで、系の均一性を高める手法を探求する必要性は、多くの産業にとって共通です。

混合は、不均一系を操作して、その不均一性、組成の勾配、特性、温度を減少させる単位操作です。混合はまた、熱伝達率と質量移動速度を高め、反応と構造変化を制御するために利用されます。

 

混合が失敗するとどうなる?

混合装置が正しく動作しなかったり、その設計が粗末だったりすると、目標の均一性を達成するのに要する時間とエネルギーが増えるため、生産コストがかなり上がる可能性があります。混合が失敗した場合には、製品のバッチ全体が廃棄され、生産プラントがしばらく停止するおそれすらあります。

マーケットにはすでに多くの混合装置が出回っているにも関わらず、工業規模での効率的な混合は難しいこともしばしばあります。粒子のサイズや密度が大きく異なる場合、重力によって粒子が分離される傾向があるため、さらに複雑になります。

また有機的材料を扱う場合は、材料の劣化や衛生の問題という点で、いくらか困難さが増してしまいます。

 

Rocky DEMを使う理由は?

Rocky DEMは、混合装置内の粒子の挙動を評価することができますので、装置を設計、最適化するのに役立ちます。ラボで実際にテストし、ラボから実スケールモデルへとスケールアップする前に、複数のコンフィグレーションを調査するため、計算シミュレーションを用いるとコストを大きく削減できます。

また、Rocky DEMでのシミュレーションは、装置の効率評価、特に、運転条件を変更する、生産を増やす、または予想外の材料特性を扱う場合に有用です。

 

粒子の数が多い場合は?

以前は、混合の評価に離散要素法(Discrete Element Method:DEM)を用いる場合、粒子数が多いと非現実的なシミュレーション実行時間になるというデメリットがありました。しかし、計算能力とコード並列化の進歩によって、実行時間が制約となることはほぼなくなりました。

下記動画のシミュレーションでは、粒子数120万の材料が、30 rpmのプラウミキサーで、極めて迅速かつ効率的に混合されていく様子がわかります。パドル近くの混合の詳細や、ミキサー内の混合度が高いゾーンと低いゾーンが可視化されています。これは、ミキサー性能の最適化に役立ち、また、プロセス効率を理解する助けともなります。

 

 

非球形状の粒子

形状は時に重要で、実形状の挙動を模擬するのに球形の粒子を用いたのでは十分ではないことがあります。Rocky DEMには、非球形状の粒子シミュレーションを実行する機能がありますので、大いに力を発揮します。

次の動画は、キッチン用ハンドミキサーを用いて、ピーカンとピーナッツを混合するシミュレーションです。最大の混合効率に7秒未満で達したことが示されています。また、容器の底あたりにいくらかの分離が見てとれ、装置の設計を改良する必要があること示唆しています。

 

 

付着モデル

粒子には粘着性があり、凝集体を形成したり、壁面にくっついたりすることがあります。こういった場合、Rocky DEMの付着モデルを用いて、これらの現象をモデル化します。

この例では、アスファルトプラント装置の回転ドラムセクションを評価しています。結合剤と細かい粒子が、砂利の粒子と混合されています。シミュレーションでは、装置内の湿った粒子の一般的な挙動が再現されています。粒子クラスタの形成と壁面への粒子付着が模倣され、装置の混合セクションにおける滞留時間と質量保持に新しい剥離フィンが与える影響を評価することができます。

 

 

熱伝達モデル

混合運転にはたいてい熱伝達が伴います。この場合、粒子間の適切な熱伝達や質量移動を正しく見積もるには、混合は極めて重要です。

次の例は、Rocky DEMを用いて、ロータリーキルン内の熱伝達をモデル化したものです。ロータリーキルンは、冶金・触媒産業においてよく使用される一般的な混合装置です。曲線状の壁面は1,298Kまで急速に温められます。時間の経過とともに変化する粒子の温度がモニタリングされ、異なる回転速度やリフターをつけた場合の影響を評価します。このシミュレーションの詳細はこちらをご覧ください。  

 

DEM-CFD連成

Rocky DEM – Ansys Fluent連成機能を用いると、流体-固体内の混合を計算することができ、離散要素法(DEM)を用いたモデル化が可能なプロセスの幅が広がります。

次の動画は、ガス流量が増加しつつある流動床の双方向連成シミュレーションです。ここに見られる均質な混合の挙動は、工業プロセスで流動床を用いる主なメリットの1つです。

 

 

 

出典:(一部編集して翻訳)Mixing equipment analysis using Rocky DEM

2017年2月8日公開


 

パーティクルシミュレーター Rocky DEM

 

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