【製品情報】熱伝導・接触熱伝達・対流熱伝達・輻射熱伝達などの3次元熱解析ソリューション「GT-TAITherm」(その1)
皆さま、こんにちは。
IDAJの小川です。
GT-SUITEユーザー様の中には、車両の空調(冷暖房)機能をONにした状態の燃費予測などで、より高精度なキャビンモデルへのニーズが高まり、TAIThermあるいはPowerTHERM※との連成をご検討されているお客様も多いのではないでしょうか。
いよいよ、GT-SUITE V2019 build1で、Thermal Analytics社のTAIThermの機能限定版が、GT-TAIThermという名称でバンドルされました。
本記事では、ライセンス構成やフル機能版のTAIThermとの違いといったGT-TAIThermの概要、GT-SUITE V2019にプリインストールされるサンプルモデルの設定例や計算結果をご紹介します。
※ダッソー・システムズ社のSIMULIA PowerTHERM(旧PowerTHERM)は、本文内の「フル機能版のTAITherm」と同一と考えていただいて問題ありません。GT-SUITEとの連成解析についても稼働実績があります。
●GT-TAIThermの概要
1.GT-TAIThermの位置付け
2.フル機能版のTAIThermとGT-TAIThermの違い
3.GT-TAIThermとCoSimThermalのライセンス使用例
●サンプルモデルを使った連成解析
1.詳細キャビンモデル
2.排気管の伝熱予測モデル
GT-TAIThermの概要
TAIThermは、熱容量を持った固体壁面モデルの熱伝導、接触熱伝達、対流熱伝達、輻射熱伝達などを扱うことのできる、3次元の熱解析ソリューションです。
マルチレイヤー設定による多層構造の簡便なモデル化、境界条件としてベンチ室のソーラーランプ設定を含んだ太陽光の熱フラックス設定の多様さ、多重反射を考慮した複雑な輻射熱伝達、人体モデルを用いた快適性の評価などが、特徴的な機能として挙げられます。
雰囲気温度や対流熱伝達係数などの境界条件を手動で設定すれば、TAITherm単独でもある程度の熱解析が行えますが、熱流体部分を3D CFDやGT-SUITEのモデルと連成させることで、境界条件を相互にマッピングすることができ、より高度な過渡解析が行うことができます。
1.GT-TAIThermの位置付け
GT-TAITherm(有償オプション)は、利用可能なエレメント数が制限されるだけで、起動するアプリケーション自体はTAIThermそのものです。GT-SUITEとの連成解析での利用を前提としていますが、機能制限の範囲内であれば、付属的にTAIThermとしてご利用いただくことができます。つまり、GT-TAITherm=TAIThermですので、GT-SUITEとの連成解析のためには、CoSimThermal(有償オプション)ライセンスが必要です。

GT-TAIThermのGUI構成
2.フル機能版のTAIThermとGT-TAIThermの違い
フル機能版のTAIThermの場合、モデル(*.tdfファイル)内で使用できるエレメント数は無制限ですが、GT-TAIThermでは20,000要素までに制限されます。また、快適性の評価のための詳細人体モデル(Huma nComfort Module)がGT-TAIThermには標準で付属しています。
3.GT-TAIThermとCoSimThermalのライセンス使用例
現状でTAIThermやPowerTHERMのご契約が無く、GT-SUITEのみをご利用いただいているお客様の場合は、追加でGT-TAIThermとCoSimThermalをご契約いただくと連成解析が可能になります。
GT-SUITEやGT-TAIThermにご興味がおありであったり、またご不明な点がございましたら、どうぞお気軽に弊社までお問い合わせください。
自動車総合シミュレーションプラットフォーム「GT-SUITE」
追記・更新:2024年5月29日
■お問い合わせ先
株式会社 IDAJ 営業部
E-mail:info@idaj.co.jp
TEL: 045-683-1990