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シミュレーションとアフターコロナ

皆さま、こんにちは。

IDAJの営業部:担当Uです。

 

何を今さら、という書き出しですが、私たちIDAJは、様々な物理現象に関するデジタルシミュレーションサービスをご提案しています。世界中の機関で研究されている新モデルの導入や、各開発元で日夜アップデートされるシミュレーションソフトウェアの活用、またお客様の技術立ち上げに際しての各種コンサルティング、使いやすいシステム構築サービスなどを組み合わせ、よりスピーディーに、よりよい計算結果をお客様にご提供できるよう努めております。

一方で、シミュレーションの宿命として、計算結果と実験値などの実現象との差分は常に存在します。実現象に近しい計算結果と、それを得るための入力条件の収集にかける工数や、計算格子の粗密による計算時間などは常にトレードオフ関係になっており、その利用目的によって、シミュレーションの活用シーンは細かく分かれます。様々な区分があるかと思いますが、例えば、以下のようなイメージです。

・絶対評価:実験と十分に合わせ込んだ信頼性の高いモデルを実験の代わりに使う

・相対評価:実験と傾向が合う程度のモデルを大まかな条件の比較に使う

・メカニズム解明:実験や測定が困難な現象を把握するため、シミュレーションを使う など

 

これらを設計の各フェーズや、突発的なトラブル対応など、どの場面でどのように用いるかをお客様ときちんと対話させて頂いた上で、適切なご提案をすることが私たちのミッションです。

シミュレーションの業務活用を成功させるには、まず目的を明確にすることが非常に重要です。どのような状況で、どのような判断材料を得たいのかといったことを特に重視して、お客様とは日々会話させていただきます。シミュレーションは、ある意思決定の判断基準・判断材料を、効率的・効果的に提供することが根本的な役割だと言えます。

 

設計開発プロセスでのCAE活用イメージ

設計開発プロセスでのCAE活用イメージ

形状違いによるエンジン性能の比較

形状違いによるエンジン性能の比較

 

さて、冒頭から畏まった話を述べてしまいましたが、世界中のすべての皆様がご存じの通り、COVID-19の大流行により、私たちの生活は一変しました。3密の回避、ソーシャルディスタンスの確保、マスク着用などの習慣が日常生活に浸透しています。そのような新しい生活様式が始まってしばらく経ちますが、経済活動再開の動きもあり、最近では、少しずつ街に賑わいが戻ってきているように感じます。ただ、コロナ禍の影響はあちこちに見られ、飲食店の席数が間引かれていたり、コンビニなど小売店のレジ前にクリアカーテンが張られていたりといった光景に対しても違和感がなくなってきました。

ある日曜日、コロナ禍での運動不足も手伝い、いつもより少し遠回りする散歩に出ていると、先日まで休工中だった新ビルの工事が再開していることや、横を通り抜けるミニバンの車内の全員がマスクを着用し、またすべての窓が半開きになっていることなどに気がつきます。そのような光景と、明日からの仕事への考えとが、ふと入り混じり、オフィスビルや商業施設、学校、また飛行機やバスなど、不特定多数が集まる建築物や輸送機器などの設計思想は、アフターコロナの世界で、どのように変化していくのだろうか、などとぼんやり考えていると、いつの間にやら家のすぐ近くまで来ています。そのまま、西日差し込む部屋に戻り、ノートパソコンを開き、「COVID-19 新設計」などと検索をかけてから、おっと、慌てて、手を洗いにバタバタしてみたり。。。

 

本記事の末尾にも記す通り、コロナ対策としてのシミュレーション活用事例が公開されています。また、それぞれの業界では、当然、すでに様々な議論が行われているようです。ただ、COVID-19については、まだまだ分かっていないことが多く、個々の場面での予防策として定量的な目標値は、現状では、設定しにくい場合がほとんどではないかと思います。大掛かりな設計検討が必要な建築物や、輸送機器などは、特に明確な設計基準や規格が整備されるとしても、それまでには相当な時間がかかるのではないかと想像します。

例えば、「十分な換気」とは、具体的にどれくらいの風速・風量が、どれくらいの空間に対して、どれくらいの頻度で行われることか?

既存のビル管理法や、コロナ対策の専門家会議などで色々な議論はなされていると思いますが、一言で定義を言い表し、それを世の中の基準として確立するのは、一朝一夕にいかないものだろうと、素人ながらに思います。厚生労働省が提唱する新しい生活様式関連の記載を読むと、当然止むを得ないことですが、今のところ「可能な限り」とか「できるだけ」といった表現が散見されます。

さて、そんなコロナ禍において、日々の暮らしを続けていくために、国や企業などは、限られた情報の中から意思決定を繰り返していかねばなりません。コロナ禍がいつまで続くのか、誰にとっても予測は難しいですが、近い将来、建築業界や輸送機器業界などで、これまでにない感染病対策の設計基準や、新しい意思決定のあり方などが登場するかもしれません。過去の偉人がフリーハンドで描いていたものは、現代のデジタル技術を組み合わせることで、また違った輪郭を持つようになるかもしれません。

話を冒頭に戻すと、私たちがご提供するシミュレーションは、あらゆるシーンでの意思決定の判断基準を提供することが主な役割です。ある性能をできるだけ向上させる設計空間の探索や、未解明現象の可視化など、それぞれの目的に合わせ、ご活用いただくことができます。先に、シミュレーションの活用するためには、目的を明確にすることが重要と述べました。シミュレーションは、決して、占いの水晶玉や、魔法の杖ではありません。物事をよりよいものにしたいという利用者の強い意志があってこそ、シミュレーションは役割を持ち、一つの道具として価値を持ちます。

まだまだ未知なることが多いアフターコロナの世界で、どのような方向に進むべきか、どのような意思決定をしなくてはならないのか、今後も難しいことがたくさん待ち受けていることは明らかですが、私たちは、私たちの立場から、ものごとをよりよく変えていきたい意思を持つ方々へ少しでも確かな判断材料をご提供できるよう努めていかなければならないと気持ちを新たにしております。

手探りともいえる状況の中、日夜、豊かな日常生活を取り戻すため、尽力されているすべての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

 

IDAJでは、以下のようなソリューションを取り扱っております。

 

Virtual Environment ~エコビルディング統合解析・BIMプロセス支援ソリューション~

Virtual Environment(以下VE)は、統合モデルを用いて日照や光、温熱環境などの建物環境をシミュレーションするソフトウェアで、日照、光、温熱環境、配管、配線、避難、コストなどを計算することができます。VEは、BIM(Building Information Modeling)プラットフォームとの運用性を重視しており、双方向の情報交換によって設計プロセスを高速化し、容易にデジタル設計に取り組むことができます。

パネル上のアイコンによる選択がメインで、コマンド入力の必要はほとんどなく、初心者でも直感的にご利用いただけます。

温室効果ガスの削減などエコビルディングの世界は常に厳しいレギュレーション下にありますが、今後は、新たなコロナ対策の考えも導入され、さらなる設計複雑化や市場競争の激化が予測されます。もし少しでも私たちのサービスがお役に立てる可能性があれば、お気軽にお問い合わせを頂ければ幸いです。

 

主な機能一覧

主な機能一覧

解析事例:換気効果流線 オマーン中央銀行データセンター アマンルーヴィ

解析事例:換気効果流線 オマーン中央銀行データセンター アマンルーヴィ

 

 

解析事例:避難シミュレーション

解析事例:避難シミュレーション

 

 

ご参考:新型コロナウイルスに関連するIDAJ Blog過去記事

 

【適用事例紹介】COVID-19等の感染症対策に有効活用されるシミュレーション ~風や湿度を考慮したソーシャルディスタンス検討~

【適用事例紹介】感染症対策や医療機器の開発に有効活用されるシミュレーション

営業部通信:サンタクロースが病気になると、何が起こるのか?

【適用事例紹介】COVID-19等の感染症対策・ニューノーマルに向けて ~マスクってやっぱり大事~

 

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