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デジタルトランスフォーメーションがけん引するものづくりのためのCAE

 

皆さま、こんにちは。

IDAJの林です。

 

働き方改革による働き方の多様化に加えて、COVID-19感染防止対策を契機に一気にテレワーク導入が進行、さらにデジタルトランスフォーメーションのトレンドを背景とした、新規アプリケーションやオンプレミスの既存システムのクラウドへの移行が大いに着目されるようになりました。

ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEは、設計、シミュレーション、マーケティング、セールス等あらゆる領域のプロセスを統一する次世代のプラットフォームで、クラウドにも対応しています。これまで設計者と解析専任者間で課題となっていたツールやファイルのやり取り、ユーザーインターフェースの分断が解消され、一つのプラットフォーム環境で設計検討が可能になります。

ここでは、設計者と解析専任者の連携コミュニケーションを促進する3DEXPERIENCE SIMULIAの特徴的な機能とクラウド環境で利用するメリットについてご紹介します。

 

ツール・データ・UI分断のない3DEXPERIENCEプラットフォーム環境

ツール・データ・UI分断のない3DEXPERIENCEプラットフォーム環境

 

クラウド環境で解析業務を行うメリット

現在は特にテレワークの促進と3密回避のため、実験現場に足を運んでの実験が難しい状況ですが、シミュレーションであれば、コンピュータとソフトウェアにさえアクセスできれば、どこからでもバーチャルに実験を実行し、設計開発を止める必要がありません。また、シミュレーションツールがクラウド上にあることで、最新バージョンへの自動アップデート、データの管理、共有手順の簡素化、使用ソフトウェアバージョン共通化の促進、国内外・オフィス・在宅といった執務場所を問わない共同作業、設計・解析業務の切り分け、ジョブ・タスクの明確化などのメリットがあります。

 

シミュレーションクラウド環境のメリット

シミュレーションクラウド環境のメリット

 

設計者と解析専任者の連携コミュニケーションを促進する3DEXPERIENCE SIMULIAの特徴的な機能

設計者と解析専任者が抱える課題に関するお客様の声をいくつかご紹介します。

  • 設計者が利用できるツールは、線形解析にしか対応していない
  • 非線形解析を行いたくても、ハイエンドの別の解析ツールを導入する必要がある
  • 複数のツールの使用手順を覚えるのに手間や工数がかかるため、解析専任者に依頼している
  • 解析専任者の技術を設計者に展開するにしても、“道具”の違いが大きすぎて壁がある など

 

現状では、設計業務と解析業務だけでも、利用しているツールや必要な知識が異なるため、ツールとプロセスが切り離されたサイロ組織が発生しています。市場ニーズに素早く対応し、コストを削減しつつ、高い性能をもつ製品を開発するためには、このようなサイロ状態を打開し、組織とプロセスが連携する新しいプロセスが必要です。

3DEXPERIENCEは、設計者と解析専任者が同じプラットフォーム上で作業しますので、現状のいくつかの課題を解決することができます。

1.設計者が線形解析だけでなく、高精度で、よりリアリスティックな挙動検討が可能

2.設計サイクルをスピードアップするために、解析モデル準備時間の短縮や結果処理の高速化を実現

3.複数のエンジニアがリアルタイムで最新データにアクセスし、設計検討が可能

 

1. 設計者が線形解析だけでなく、高精度で、よりリアリスティックな挙動検討が可能

(1) 3DEXPERIENCEの構造解析エンジンにはAbaqusのテクノロジーを採用

 CADにアドオンされた構造解析ツールでは、線形解析にしか対応しておらず、精度も期待できないというお声をお聞きすることがありますが、3DEXPERIENCEの構造解析エンジンは、世界最先端の非線形解析ソフトウェアAbaqusを採用していますので、非線形範囲の高精度な構造解析が可能です。自己接触や摩擦を含む複雑な接触問題やゴム材のような非線形性の高い対象物など、解析機能や精度が不足し、満足のいく結果が得られなかったケースもあったかと思いますが、3DEXPERIENCEであれば、CADと同じプラットフォーム上で構造解析を実行できます。また、カスタマイズ可能なアシスタントによって、メッシュ作成や境界条件設定、解析実行などを間違いなく進めることができるなど、設計者にとってユーザーフレンドリな環境が魅力です。

 

解析を進めるためのアシスタント機能

解析を進めるためのアシスタント機能

 

(2) 強度解析と耐久性解析の連携を自動実行可能

一般的に強度解析と疲労解析は、別のツールを使用するケースがほとんどです。き裂は必ずしも最大応力が発生しているところから発生するとは限らないこと、き裂の発生場所は荷重の順序に依存することなど、疲労寿命の評価は強度解析と同様に実設計において重要です。3DEXPERIENCEは、強度解析だけでなく疲労解析も同じGUI上でシームレスに実行、評価することができます。

 

構造⇒耐久性の一連の解析ジョブを一度に実行

構造⇒耐久性の一連の解析ジョブを一度に実行

 

2. 設計サイクルをスピードアップするために、解析モデル準備時間の短縮や結果処理の高速化を実現

(1) テンプレートを利用し、解析専任者のノウハウを活用

3DEXPERIENCEには、数多くのアセンブリモデルをより短時間でメッシングするために便利な2つの機能が搭載されています。1つ目はジオメトリのフィーチャ情報を元に、適切なメッシュを生成するためのルールを登録するルールベースメッシング、2つ目はアセンブリモデルに対して、並列処理をしながらバックグランドでメッシュ生成するバッチメッシュ機能です。ルールベースメッシュを利用すれば、社内におけるメッシュ情報を標準化でき、簡易強度解析、詳細強度解析、固有値解析など、解析の目的に応じたメッシュパラメータを解析専任者が保存すれば、設計者がそれらをテンプレートとして再利用できるため、解析専任者のノウハウを共有することができます。

 

メッシュのルール化とバッチメッシュ機能

メッシュのルール化とバッチメッシュ機能

 

(2) 結果処理の高速化

3DEXPERIENCEは、ポスト処理の高速化にも力を入れており、並列化にも対応しています。またユーザーが、モバイル端末からサーバー上にある解析結果データにアクセスし、現場で結果を確認することができます。

 

解析結果をモバイル端末で確認

解析結果をモバイル端末で確認

 

3. 複数のエンジニアがリアルタイムで最新データにアクセスし、設計検討が可能

(1) ファイルベースでなくプラットフォームベースでのデータ管理

CADとCAEツール間のデータのやり取りは、CADツールから中間ファイルへ変換してから解析ツール側へ渡したり、解析ツールで変更した形状データがCAEツール独自のファイルであるため、CADへフィードバックするためのファイルを準備してからCADデータに反映させるというように、通常、ファイルベースでの頻繁なやり取りが発生します。3DEXPERIENCEプラットフォームベースでのデータ管理では、CAD・CAEともプラットフォーム上で管理された最新データに容易にアクセスすることができます。

たかがデータのやり取りだと思わるかもしれませんが、あるケースでは、設計者-解析作業者-解析専任者間のデータのやり取りをファイルベースからプラットフォームベースに変更しただけで、16時間かかっていた設計工数を1時間にまで短縮できたことが報告されています。こういった“名もなき作業”にメスを入れることで、作業効率の改善を期待することができます。

(2)意思決定支援機能「Result Analytics」

3DEXPERIENCEには、設計者と解析専任者がデザインを共有し、ディスカッションしながら、設計デザインを意思決定するための支援機能があります。設計候補案の比較や絞り込み、推奨設計案に対するコメント付加などが可能です。

  • Compare機能:複数の設計候補案の形状図や解析結果図を並べて比較できる
  • Collaborate機能:変位や質量等の項目を重み付けし、スコアやランクを可視化して絞り込む
  • Recommend機能:絞り込んだ推奨設計案にコメントを追加して他メンバーに報告する
  •  
設計案のCompare機能、Collaborate機能、Recommend機能

設計案のCompare機能、Collaborate機能、Recommend機能

 

本記事では、設計者と解析専任者のコミュニケーションを促進する3DEXPERIENCE SIMULIAをクラウド環境で利用するメリットと、いくつかの特徴的な機能をピックアップしてご紹介しました。

3DEXPERIENCEをクラウド環境で利用いただくことで、設計者と解析専任者の間に横たわる、異なるツールを利用する上での不便や、データのやり取りで生じるタイムロスなど、様々なインターフェースによる課題を解決すると同時にそれぞれが強固に連携することで、解析結果やデザインについて協議・検討するという本来集中すべき活動に工数を注ぐことができるものと思います。

3DEXPERIENCE SIMULIAの詳細説明やトライアルに関するご要望は、下記までお気軽にご連絡くださいますようお願いいたします。

 

 

■お問い合わせ先

株式会社 IDAJ 営業部
E-mail:info@idaj.co.jp
TEL: 045-683-1990