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【今日のANSYS】現象の理解とプロセス最適化(大阪府立大学様)

皆さま、こんにちは。

IDAJのANSYSプロダクト担当の河口です。

CAEやCFDが世の中の役に立っている情報や興味を引く適用事例などの情報を、ANSYS, Inc.及びアンシス・ジャパン株式会社発行の情報誌「ADVANTAGE」の記事を中心にご紹介させていただきたいと思います。

製薬や食品、電子材料、エネルギーといった広範な製造業の製造プロセスにおいて、材料を微細な粒子(紛体)にしたり、紛体を移送したりすることは広く行われています。しかし、そうしたときの紛体の振る舞いについては、つい10年ほど前まではあまりよくわかっていませんでした。この紛体の挙動について20年以上に渡り、シミュレーションを使って研究していらっしゃるのが、大阪府立大学 大学院工学研究科 綿野哲教授です。今回は、様々な企業との共同研究を手がけるとともに、国内外での学会や講演などを通じて、製造業へのシミュレーションツールの現状にお詳しい綿野先生に、紛体領域へのシミュレーションツール導入のメリットや課題について伺ったインタビュー記事をご紹介します。(※)

 

以前は、コンピュータの能力が乏しく、かつシミュレーション手法は確率論的なものが用いられるだけで、紛体の振る舞いは実はごく最近までほとんどよくわからなかった。

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1996年頃になって、粒子離散要素法などが実用化され、学生が自分達でプログラム組んで計算をはじめたが、それでも理想形状での少数の粒子計算がやっと。

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この紛体の挙動を20年以上に渡ってシミュレーションも用いて研究されているのが綿野先生。

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Fluentを導入してから状況が大きく変わり、綿野先生の紛体シミュレーション技術は世界をリードしている。

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これまでは経験的な設定のみで、容器内の紛体の挙動は不明だった、容器の中でハンマー状の翼が高速回転して紛体を砕くいう乾式粉砕器のシミュレーションにFluentを適用。

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Fluentは、一番使われいるソフトウェアで安定性と安心感があり、技術サポート力を期待して選定。

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しかし、世界発の試みであったため当初はとても苦労を・・・頑張って何とか苦難を乗り越えた。

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粉砕器内で粒子の挙動と破壊の様子がシミュレーションできるようになった。

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特注ガラスで特殊な粉砕器を試作し、超高速カメラで撮影して確からしさも確認することができた。

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実は粒子は回転翼に当たるのではなく、羽根に加速された空気に運ばれて容器内壁にぶつかり、砕かれていることが世界で初めてわかり、羽根形状の設計だけなく、容器内壁形状も大切だとわかった。

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粒子の動きを可視化することで運動のメカニズムがわかるようになり、付随して研究にかける時間・コスト・試作も大幅削減。現在は高速撹拌造粒機のスケールアップ解析などにも適用。

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これまでは実験メインだったが、今ではまずはシミュレーションからと、プロセスが変更され余計な試作なくなった。今後、ますますシミュレーション適応を拡大する予定。

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ただし物理の原理原則がわからないままシミュレーションをしてもダメ。結果を判断するのは人間である。各分野にシミュレーションツールの導入が進んでいるが、大学と共同研究するとトータルイニシャルコストが抑えられる可能性がある。今後、これまで考えもつかなかった用途がどんどん出てきそうで楽しみだ。

 

(※)アンシス・ジャパン株式会社様の顧客事例を参照しました。

詳細は下記までお気軽にお問い合わせください。

 

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株式会社 IDAJ 営業部
E-mail:info@idaj.co.jp
TEL: 045-683-1990