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【今日のANSYS】日本初の補助人工心臓の開発・設計効率化と(サンメディカル技術研究所様)

皆さま、こんにちは。
IDAJのANSYSプロダクト担当の河口です。

CAEやCFDが世の中の役に立っている情報や興味を引く適用事例などの情報を、ANSYS, Inc.及びアンシス・ジャパン株式会社発行の情報誌「ADVANTAGE」の記事を中心にご紹介させていただきたいと思います。

今回は、株式会社サンメディカル技術研究所様。同社が手がけるのは、体内埋め込み型の補助人工心臓「EVAHEART(エヴァハート)」。

補助人工心臓は、自分の心臓では血液の循環ができなくなってしまった非常に重傷な心不全の患者さんが、ドナーが現れて最終的な治療として心臓移植手術をうけるまでの平均約3年間、自身の心臓を残したままでその血液循環機能を補助するポンプの働きをする医療機器です。

ここでは、開発グループ兼海外事業グループ グループリーダー 金箱 秀樹様、開発グループ 設計開発チーム 鈴木竜太様へのインタビュー記事をご紹介します。(※)

人工心臓と聞くと、2015年に放送されたドラマ「下町ロケット」を思い出される方がいらっしゃるのではないでしょうか。もう3年前になるんですね。私、毎週、欠かさず見てました。
(ちなみに、ペースメーカーと人工心臓は別のものです。)

 

同社は、東京女子医科大学の山崎健二教授が考案された補助人工心臓の実用化を目的として設立された
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約20年かけて開発した体内埋め込み型補助人工心臓システム「EVAHEART」を開発
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2011年に厚生省の認可を受けて販売を開始
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これまでの補助人工心臓は体外設置型で、患者さんは太いパイプで繋がれ、ずっと入院していなければならなかった・・・
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EVAHEARTは、体内埋め込み型で退院や社会復帰が可能
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ただしもちろん、一瞬たりとも止めることはできない、医療機器をしては最高クラスの高度管理医療機器の生命維持装置でありながら、在宅でも使われるという極めて特殊な医療機器
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高レベルの設計が必須
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その開発にANSYS製品が役立っている
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少し前まではシミュレーションは外部の研究機関に委託していたが、新システムの開発にあたり、モータとポンプの設計を効率的に進めるために、自社で流体・電磁界・構造のシミュレーションを開始
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過去にFluentの利用経験があったことや、委託先がFluentを使っていたこと、カバーする製品群が豊富なことがANSYSの選定理由
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補助人工心臓の血液ポンプで最も気をつかうのが、ポンプ内に血栓ができること
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血液が澱まないように、ポンプの回転数や羽根条件を様々に変更してCFDで血液の流れを可視化し、澱みのポイントを把握することができる
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ドクターに対して、CFDでの可視化結果をもとに、「我々のポンプは回転数を変更しても澱みの発生はこの程度です」という説明が可能。さらに、ドクターからの「では、こういう状態だったらどうなるの?」といった質問にも社内でCFDを実施し、その結果を用いて回答できるようになった
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ただし包括的にみると、医療業界においては、シミュレーション結果はあくまでも参考データでしかなく、CAEの活用は進んでいない
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最終的には生体での検証が必須
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だが、シミュレーションを使って各部をあらかじめ最適化し、生体評価を可能な限り省略し効率的な開発を目指す
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仮説を立ててシミュレーションを実行することでその結果を分析し、現象を理解するためのツールとして使っていきたい

 

(※)アンシス・ジャパン株式会社様の顧客事例を参照しました。
詳細は下記までお気軽にお問い合わせください。

■お問い合わせ先
株式会社 IDAJ 営業部
E-mail:info@idaj.co.jp
TEL: 045-683-1990