【適用事例】ドローンからロケットリフトオフまで ~運動を伴う流体シミュレーション~
皆さま、こんにちは。
IDAJの水島です。
最近、私の心が躍ったニュースの一つが、スペースX社が開発したクルードラゴンが、アメリカで9年ぶりの有人宇宙飛行を成功させ、ロケット打ち上げの商用化実現に向けた大きな一歩を踏み出したというものです。
打ち上げやISSドッキング、地球帰還はもちろんのこと、個人のスマートフォンからリアルタイムで鮮明な映像を観られたこと、乗員がタッチパネルで操縦していたことには別の驚きがありました。
機械や航空学科を目指した方であれば、ロケットや宇宙に対する憧れは大なり小なりお持ちなのではないでしょうか?!
そして、大学の流体力学の授業で、「宇宙には流体、無いぞ」と揶揄されたのは私だけではないと思います(泣)。
と・・・多少、展開が強引ではありましたが、そこはご寛容いただき、今日は、ロケットの打ち上げシミュレーション結果をご紹介したいと思います。
この流体解析の特異な点は、ロケットの移動履歴を与えずに計算している点にあります。
ロケット運動の自由度(この場合には、鉛直上向きの1自由度)を設定し、ロケットの重量と重心を入力、ロケットエンジンから噴出される推力を入力、あとは成り行きで時々刻々の位置が求まって流体解析を実施しています。
以前にご紹介した、ロベルトカルロスのフリーキックを再現したサッカーボール挙動の解析は、6自由度(並進移動3自由度、回転3自由度)で設定しています。(記事:“伝説のフリーキック”と流体構造連成解析)
IDAJが販売しているCONVERGEで計算しており、CFDを解きながら“メッシュ”を作成するという特長を生かし、成り行きの物体移動に対しても、また、どんなに複雑な物体移動に対しても流体解析が可能です。
コンプレッサや流体バルブなど、工学的対象への適用例は、記事:【適用事例】CONVERGEによるAbaqus連成・流体構造連成シミュレーション をあわせてご覧ください。
こちらの動画では、鳥が羽ばたいて上昇していく解析例も紹介していますが、最近の流行りは「ドローン」。
米国のアルゴンヌ国立研究所で実施された、CONVERGEによる「ドローン」のシミュレーション結果をご紹介します。
対象はDJI社製ドローンPhantom3で、まずは1つのプロペラだけを対象とした流体シミュレーションを行い、実測値と比較して精度を確認しています。
次にドローン全体を対象として、飛行状態にある流れ解析を実施しています。プロペラの回転はもちろんのこと、全体が運動している状況も計算することができます。
解適合格子機能を用いると、必要な部位に必要な期間だけ細かいメッシュが配置できるため、プロペラが起こす渦挙動を精度よく効率的に捕らえることができています。さらに、ロケットやサッカーボール、鳥の羽ばたきで紹介した流体構造連成解析を行うことで、プロペラの回転速度のみを与え、成り行きでのドローン挙動を解くことできます。
この技術を使えば、ドローンを農薬散布に活用する場面を想定し、噴射した農薬がどこに着地するのか予測することも可能でしょう。また、ドローンレースにおいて横風の影響を考慮したドローンの挙動を正確に予測できるかもしれません。
身近な題材へのCFD適用は考えるだけでワクワクしませんか?
本テーマも含め、CONVERGEのご紹介セミナーを開催中です。ぜひご視聴ください。
【オンラインセミナー(無料)】「CONVERGE」ご紹介セミナー ~3次元流体解析の新たな可能性を~
普段CONVERGEをご利用いただいていないモデルベース開発を統括・推進されていらっしゃる開発責任者・管理職・シニアエンジニアの皆様、これからCONVERGEのご導入をご検討される方、IDAJにコンサルティング業務の依頼を検討される方に、CONVERGEがどういう場面でお役立ていただけるかをわかりやすくご紹介しています。
【CONVERGEユーザー様限定『Technical Webinar』】
この度、弊社Webページ内ユーザーサポートセンター(製品別サポート情報「CONVERGE」>「技術情報」ページ)※に、お客様からお問い合わせの多い操作に関する解説と、いち早く解析にお取組みいただくことを目的として、CONVERGEの操作に特化してご紹介する動画をとして公開いたしました。CONVERGEの操作講習会の講師による解説付き動画を、いつでもご覧いただくことができます。
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