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【製品情報】熱伝導・接触熱伝達・対流熱伝達・輻射熱伝達などの3次元熱解析ソリューション「GT-TAITherm」(その3)

皆さま、こんにちは。

IDAJの小川です。

 

今日は、サンプルモデルを使った連成解析の二つ目「排気管の伝熱予測モデル」について解説します。

●GT-TAIThermの概要

1.GT-TAIThermの位置付け

2.フル機能版のTAIThermとGT-TAIThermの違い

3.GT-TAIThermとCoSimThermalのライセンス使用例

●サンプルモデルを使った連成解析

1.詳細キャビンモデル

2.排気管の伝熱予測モデル

 

サンプルモデルを使った連成解析~排気管の伝熱予測モデル~

本モデルは、排気マニホールドからマフラーのテールエンドまでの排気管セクションを対象に、GEM3Dで離散化されたモデルとTAIThermモデルを連成させ、マフラー内部の複雑な伝熱現象などを予測させました。

詳細なエンジンモデルなどは接続されておらず、境界条件に排気ガスの温度と流量を時刻歴で与えて、600秒間のウォームアップ計算をします。計算結果にはアニメーションのような過渡履歴は残さず、600秒後の最終ステップの結果のみを保存しました。

 

 

(1)GEM3Dモデル

GEM3Dでインポートしたメッシュデータの領域を分割し、コマンドを用いてパイプや分岐管を構築したり、マフラーシェルとバッフルやパンチ穴などの内部構造を設定しますが、これらはGEM3Dの操作手順と変わりません。しかし、前題の詳細キャビンと違って、GEM3Dモデルは複数コンポーネント(パーツ)に分割してGT-SUITEモデルに変換されますので、パーツの流体温度や熱伝達係数をNASTRANデータのどの位置にマッピングするかを割り付ける作業が必要です。

 

(2)TAIThermモデル

排気管やマフラーの各構成部品を分割して、Shell要素として設定するのは前述の詳細キャビンモデルと同様ですが、マフラー内部のバッフルやパンチ穴部分の形状をなるべく忠実に残しながらも要素数は18,094に抑えられています。

 

 

(3)連成解析の結果

本サンプルは600秒間の過渡解析なので、詳細キャビンモデルに比べれば計算は短く、数分で終了しました。

排気マニホールドに接している排気ガス温度を確認すると、管の長手方向に対して、各離散化要素の温度がマッピングされている様子がわかります。

 

 

マフラー内部で、バッフルや内部パイプの壁面を挟んで両側の流体要素に接していますので、GEM3Dモデルを用いた解析では対流熱伝達の設定が複雑で、輻射の効果にいたっては検討自体が困難でした。しかし、ここにTAIThermモデルとの連成という技術を取り入れることで、壁面と流体のマッピングが容易になり、さらに多重反射を含む複雑な輻射計算も可能となりますので、高精度化が期待できます。また、このサンプルのような構成から、TAIThermモデル側を拡張して、アンダーフロアと遮熱板を追加し、熱害の予測といった検討にもご利用いただけるようになります。

 

 

GT-TAIThermの概要はご理解いただけましたでしょうか?

GT-SUITEで流体を細かく離散化するといっても、3D CFDほど詳細なメッシュを作成することはありませんし、GEM3DやCOOL3Dを使えばモデル化も簡単です。ここにGT-TAIThermを追加すると、対流や輻射の熱伝達解析がより高精度になるという点が魅力的で、例えば、設計開発の初期検討であれば、20,000要素という制限は意外と必要十分のようにも思われます。

GT-SUITEやGT-TAIThermにご興味がおありであったり、またご不明な点がございましたら、どうぞお気軽に弊社までお問い合わせください。

 

自動車総合シミュレーションプラットフォーム「GT-SUITE」

 

■お問い合わせ先

株式会社 IDAJ 営業部

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