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カーリングストーンの動きの謎がついに解明されました!

皆さま、こんにちは

IDAJの水島です。普段は流体解析を担当しています。

 

報道等でご存知の通り、カーリングストーンの動きの謎が解明されました!

 

世紀の謎「カーリングはなぜ曲がるか」を精密観測で解明 | 立教大学 

私は大のカーリングファン。オリンピックだけでなく、今年8~9月に行われた北海道カーリングツアーも日々チェックしていました。この報道を目にして、早速筆をとりました。

 

右投げ選手が反時計回りに回転させる(アウトターン)と、ストーンは進行方向左側へ曲がりながら進んでいきます。逆回りだと右側へ曲がる。これに氷をブラシで掃くスウィープを駆使して距離をのばしたり、ガードストーンで進路を邪魔したりしながら得点を競います。

リンクの表面は真っ平らではなくて、ペブルと呼ばれる小さな氷の粒が敷き詰められているんだよ~、ストーンの下面は平らではなくてお茶碗のように円形のエッジで接しているんだよ~と、カーリングうんちくはこれくらいにして本題です。(カーリングの歴史や用具などの解説は、日本カーリング協会のWebページで紹介されています。)

 

 

選手がストーンを投げるデリバリーの際に、ストーンに回転をかけながら手から離す様子をご覧になった方も多いかと思います。

”ストーンのターンと曲がる方向の関係が物理学で解明できていない”ということは どこかから得た情報で知ってはいたのですが、今回発表された論文によると、なんと98年越しの未解決課題!

それが日本人研究者によってようやく解明されたのです!

詳細はSpringer-Nature社Scientific Reports誌に2022年9月3日に投稿された論文に委ねますが、詳細な測定によって様々なことが明らかになっています。動摩擦係数の速度依存性(速度が遅いほど摩擦係数が増加)や、遅い回転では回転速度が上昇し、それは並進運動の運動量減少に由来すること、などなど。

今回の立教大学村田教授のプレスリリースによると、

「冬季オリンピックのカーリング競技を見ていて、曲がる方向に違和感をもつ人が少なくないのではないでしょうか。」

と書かれています。

お恥ずかしながら、私は長年にわたって違和感を感じることができていませんでした。だって野球の右ピッチャーのスライダー(反時計回り)は左に曲がるし。職業柄の流体脳の直感は正しくないようです。スライダーの場合は、空中の圧力分布が左右で変わるからと、流体解析でしか見たことのない理屈で解釈したつもりになっています。

日々物理法則にのっとってシミュレーションしていますが、まだまだ解明すべき課題はたくさん転がっているのですね。

 

この詳細挙動解析を元にしたカーリング技術の発展(より効果的な曲げスウィープの開始タイミング?)はもとより、エンジニアの皆さまには、この現象を応用した画期的な工業製品の開発を期待してやみません。

 

待望の続編を書きました!是非、こちらもご覧ください。

追記・更新:2023年3月3日

 

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