ソリューション
ソフトウェア
その他・お知らせ
本文までスキップする

【デジタルデータを使い倒す】CAEはどのように使われてきたか?

皆さま、こんにちは。

IDAJ 営業部の飯田です。

 

MBD(Model Based Development、モデルベース開発)は、最近特に目にし、耳にする機会が多くなりました。

MBDはバーチャル空間での設計、検証を大幅に増やす新たな開発手法です。実機検証の回数を減らせるため、開発効率化を目的に大手自動車メーカー様において導入が進んでいます。弊社主催の昨年のカンファレンスでは、マツダ 常務執行役員 人見様から「ものづくりにおける選択と集中 ~CAEを活用したモデルベース開発の可能性~」と題して、今後の開発面での最重要課題はMBDであるとしたその考え方と実績についてご説明いただいたところです。

では、CAE(Computer Aided Engineering)を本業としてやってきた弊社が、今後はMBD、さらにはSPDM(Simulation & Process Data Management)、AIや機械学習(ディープラーニング)へどのように取り組んでいくのか、また、取り組んでいくつもりなのかをご紹介していきたいと思います。

 

●CAEはどのように使われてきたか?

MBDプロセスへの取り組み

モデルを徹底的に使い倒す

結果を徹底的に使い倒す(その1)(その2)

SPDMのススメ

 

CAEはどのように使われてきたか? ~CAE活用の歴史~

 

一昔前の製品は、現在ほど複雑な制御や構造、機能を有するシステムではなかったため、開発プロセスにおける構想設計の段階では、熟練技術者や少数の主要技術者が「匠の技術(いわゆる”カン・コツ”)」によって検討、あるいは内製ツールによる簡易計算を行うことで全体構想を描いていたと聞きます。その後、Assy設計と部品設計を行い、シミュレーション(CAE)は設計が目論見通りに性能を発揮するか否かを評価するために、設計プロセスにおける下流工程で使われてきました。また、シミュレーションの対象も部品単体の構造解析や流体解析などの限定的な範囲でしか適用されていません。万が一、この段階で意図した性能が出ていないとなると、Assy設計やシステム評価の下流工程で手戻りが発生し、大きなロスを生むことになります。

 

 

下流工程での手戻りを少しでも減らす試みとして、CAEの活用領域が次第に拡大していきます。CAEソフトウェアや計算機の能力向上を追い風に、部品単体で実施されてきたシミュレーションがAssy設計にも適用されるようになります。各部品を一体化して計算するんですね。

さらに、CAEのフロントローディングも進んでいます。主に設計プロセスの下流工程で使われてきたCAEを、できるだけ上流工程側にフロントローディングする取り組みですね。現在の市場で求められる高度で多くの機能を有する製品を開発するためには、今までのプロセスが通用しないレベルにまでその中身が複雑化しています。試作ができても単一システムか単品部品程度です。そのため、システム全体の振る舞いや機能を早い段階で把握・検証できるよう、CAEの活躍が期待されています。

また、部品設計のフェーズでは、設計担当者が様々な設計パラメータをふって計算する業務に自動化の仕組みを取り入れたり、そこに最適化のアルゴリズムの考え方を取り入れて最適解の「群れ(パレート解)」を自動的に探索するという仕組みを取り入れたりするのも、プロセスの効率化に対する取り組みの一つです。弊社が自動化や最適化のためのツール「modeFRONTIER」の販売を開始したのが2001年のことになりますので、自動化・最適化もすでに多くの企業様で取り入れられています。

活用領域は、解析対象領域の拡大を指すと同時に、ユーザー数やユーザー層の拡大も示しています。専任者のものであったCAEを、CAEソフトウェアを改良し、システム化することによって設計者に使いやすくした上で、CAEの設計者展開を進めている企業様もあります。

これら3D詳細シミュレーションのほかに、最近では、システムシミュレーションの適用が活発化しています。

エンジン全体性能評価を例にとりますと、部品の評価でコンプレッサの性能マップを予測し、エンジンモデルのタービンのマップに組み込むことによって、エンジン全体の性能として、このコンプレッサを使ったらどのような性能が出るかを開発の下流工程でバーチャルで評価することができます。

しかし、現状では、いずれもボトムアップで、詳細なものから簡単なものへ組み込むという評価CAEの中での活用が進んでいるにすぎません。弊社カンファレンスでご講演くださったマツダ様は「CAEの活用はモデルベース開発への序章」だとおっしゃっています。

 

 

次回は、「MBDプロセスへの取り組み」についてご紹介します。

 

■お問い合わせ先

株式会社 IDAJ

営業部 info@idaj.co.jp

TEL: 045-683-1990