AI活用、その前に(その4)
皆さま、こんにちは。
MBDプロセス推進室の玉手です。
<これまでの記事はこちら>
今日は前回に続いて、「プロセスの標準化」と「モデルデータの管理」のためのSPDM(Simulation Process & Data Management)をご紹介します。
あくまでも一例ですが、
第一ステップは、「モデル作成のルールを決める」こと。
■使用目的と粒度
・各モデルを開発プロセスの「何処で」「何の目的で」使用するのか を明確にする
・必要となる精度とスピードに応じてモデルの粒度を決める
■モデルI/O
・使用目的を明確にすることで、そのモデルの連携相手と、その際にどのようなInput / Outputが必要となるかが自ずと決まる
■作成手順
・モデル作成に必要な情報とその取得方法(過去設計、3次元CAE、実測)を決める
・キャリブレーションが必要な場合はその手順と合否の判断基準も明確にする
第二ステップは「モデル作成のプロセスを決める」こと。
例えば、メカ、エレキ、制御の各担当者がいらしゃって、その皆さんを取りまとめるリーダーがいらっしゃる、これは比較的典型的な開発体制ではないかと思うのですが、海外ではこの担当者に加えて、「キャリブレモデル管理」という担当者を置くことが多くあります。
この人たちは、メカ、エレキ、制御のベースモデルを検証して、ルール通りに作成されているかを確認し、キャリブレーションができたモデルをアップロードします。
そして、各設計の皆さんは、自分たちが作ったモデルは無く、このキャリブレーション担当が作成したモデルを使って設計をしていきます。
また、粒度の粗いモデルを作成する場合は、キャリブレーション担当が粒度の粗いモデルをキャリブレーションして設計者に渡すという管理の仕方ができるようになります。
ここまでできると、先ほどご説明した「Multi-Disciplinary」ということで、複合領域(ドメイン)の異なるモデルをつなげるということが比較的簡単にできるようになります。
こちらは、パワトレ、電動システム、制御それぞれのサブシステムに対して、粒度の異なるモデルが準備されているイメージです。
設計者から「抜けているモデルがありますよ」とお知らせを受けたキャリブレモデル担当者は、設計が必要なモデルを作成してシステムにアップロードします。
それに対して、電動システムの設計者は、どういったシーンでモデルを使うかを選択すると、適切なモデルが選択され、さらに各モデルが連携されてシステムシミュレーションが実行されることになります。
ここまでは、1次元のモデルのデータ管理という観点でご説明しましたが、今後は、3次元のデータ管理も必要になってきます。
それらを一元的に管理するのに便利でかつ効率的なのが「Aras Innovator」です。
今回は、データ準備からデータ管理というテーマで記事を書かせていただきました。いささか、話が脱線気味になってしましたが、何卒ご容赦ください。
これからますます重要度が増すであろう「データ」。本記事の中で、ご興味がある箇所がございましたら、弊社までどうぞお気軽にお問い合わせください。
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