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モータの設計シーンに対応した電磁界解析の活用方法(その3)

皆さま、こんにちは。

IDAJの清水です。

 

(過去の記事)

モータの設計シーンに対応した電磁界解析の活用方法(その1)

モータの設計シーンに対応した電磁界解析の活用方法(その2)

 

今回は、詳細設計についてご説明します。

多くの方がこの段階で、コギングトルクの設計を検討されるのではないでしょうか?

コギングトルクは騒音振動の観点などから、できるだけ小さくしなければなりません。ただしコギングトルクは解析設定の影響を強く受けやすく、メッシュや時間分割数など、正しく設定する必要があります。

以下の図をご覧ください。

左のように適切な設定をすれば、周期的であり正しいと思われるコギングトルクが得られますが、右のように悪い設定では、周期の崩れた正しくないコギングトルクが得られます。

なお、理論的な周期を把握しておくと、正しい設定がしやすくなります。今回の対称である8極24スロットでは機械角15度周期が理論次数となります。

 

 

コギングトルクの設計にあたって、スロットオープンは重要なパラメータです。

スロットオープンはコギングトルクを大きく変化させますが、トルクに対しては寄与度が小さく、両方の最適値を選択することができます。

 

 

Expressを用いて決定したベース形状を基にした、スロットオープンに対するコギングトルクとコイルの鎖交磁束の変化を、Designerにより確認しました。

コイルの鎖交磁束は、おおむねトルクに比例する物理量となります。見ておわかりの通り、コギングトルクはスロットオープンに対して大きく変化します。このケースでは、スロットオープンを狭くするほどよくなりました。

一方で、コイルの鎖交磁束は変化量自体は小さいものの、スロットオープンが小さくなるほど大きくなり、0.5mmで最適となることがわかりました。これは、磁気飽和や磁束短絡等の影響だと思われます。これらのことから、スロットオープンはできるだけ小さくした方が良い設計だと分かります。

 

 

次回は、磁石形状の設計についてご紹介します。

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追記・更新:2022年8月29日

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