ブーリアン演算が失敗する理由は?!
皆さま、こんにちは。
IDAJ_8Iです。
汎用CADツールを利用して、ソリッドの和・差・積を取る「ブーリアン演算」が上手くできずにお困りになったことはないでしょうか?
実は、CADfixの技術サポート窓口には、しばしばこのようなお声が寄せられます。そこで今回は、ブーリアン演算がなぜ失敗するか、CADfixではどのように原因をつきとめ、モデルを修正しブーリアン演算を成功させているのかについてご説明します。
CADfixを使用した形状のブーリアン演算
以下のケースでは、2つのボディを選択しブーリアン演算の「和=加算」を実行します。
しかし残念ながら、「新規ボディ:0」と表示されブーリアン演算に失敗しました。
失敗する理由のほとんどは、ブーリアン演算の対象データに問題があるため。まずは、ブーリアン演算の対象データを「適正モデル」でスキャンして問題を確認してみましょう。
その結果、「サーフェスの欠落」が問題として検出されました。
ブーリアン演算を成功させるためには、ボディを構成するフェースが全て完全な状態にしておく必要があります。
フェースは以下の図に示すように、フェースの曲率をあらわすサーフェス(サーフェスは一般的にフェースよりも大きい)と、サーフェスからフェース部分をくり抜くためのエッジ(フェースの境界線)で構成されています。
「サーフェスの欠落」は、フェースを構成するサーフェスが存在しない箇所があることを示していますので、ツリー上の「サーフェスの欠落」をクリックすると、モデルウィンドウで問題フェースがハイライトされます。
問題個所が特定されたら、修正していきましょう。
「サーフェスの欠落」をクリックすると、ツリーの下に修正候補が表示されます。
修正候補の中から、「フェースの埋め込み」を使用して欠落したサーフェスを作成します。このとき、フェースの埋め込みオプションは、デフォルト設定を使用します。
これで問題の修正ができたので、結合を実行します。以下に示す通り、2つのボディが1つに結合されたことが確認できます。
ここでご説明したのはあくまでも一例であり、データによってブーリアン演算が失敗する理由は異なります。しかし失敗時の対処の流れは、モデルをスキャン⇒問題点の発見⇒修正⇒ブーリアン再実行と同じです。
スキャンによって表示されるエラーの意味、修正方法がわからない場合はお気軽にCADfixサポート(cadfix@idaj.co.jp)あてにご相談ください。
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追記・更新:2021年5月12日
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