電子機器の熱設計へのCAE活用の”キモ”(その2)
皆さま、こんにちは。
IDAJの中嶋です。
前回から、電子機器の熱設計においてポイントについてご紹介させていただいています。
ズバリポイントは、以下の通りです。
「伝熱経路のモデル化」
・半導体パッケージ
・プリント配線板
・筐体
「正しい物性値・発熱量」
・熱伝導率・比熱・密度
・輻射率(表面状態)
・発熱量
「実測との比較・精度向上」
・実測状況との違い
・接触熱抵抗
・実形状とCADデータ
こちらは、実際に「電子機器の温度測定とCAEのモデル化セミナー:基礎編」(IDAJ数値解析アカデミー)で使用しているセラミックヒータなんですが、このように単純な部品単体であっても、実測は思いのほか難しいのです。
そしてこちらは、セミナーにご参加くださった複数のグループが、6種類の方法で温度測定を行った実際の結果です。
比較的、単純な形状であるにも関わらず、グループによって測定結果には差が出ていることがわかります。
こちらは同じく「電子機器の温度測定とCAEのモデル化 自然空冷編:基礎編」セミナーで使用する、6つのヒータが載ったテスト基板です。
こちらも基板の構成としてはいたって単純なものですが、グループによって温度測定結果に大きく差が出ています。
また、CADデータと実形状が異なっている場合こともありますよね。
例えば、無理に曲げ処理した金属部品にはクラックが生じることがあり、これは熱伝導率の低下を招きます。
CADデータのように、きれいな形状ではなくなりますので、これが実測‐解析の結果の差を生じさせる原因となります。
さらに、同じ製品であっても、固体差がある場合も少なくありません。
こちらは、先ほどご紹介したセミナーで使用している5個の基板を測定した結果グラフです。同じ担当者が同じ方法で測定するも、固体差が出ていることがわかります。
設計・開発においては、取引のあるメーカーの製品が、どの程度の個体差があるかをあらかじめ認識なさっておくことも有用であると思います。
ここまでご紹介したように、抑えるべきポイントをご理解いただき、電子機器の熱設計にご活用いただければ幸いです。
IDAJでは、以下のようなメニューで、皆さまの熱設計をサポートさせていただきます。
電子機器の熱設計は、電気業界のみならず自動車や重工業界でも重要な設計課題としてプライオリティが高くなっています。また、電子機器の小型化および高性能化により、もはや製品の熱問題は設計の初期から検討を始めなければならない状況に直面しています。弊社では、このような熱問題に対するソリューションをご提供するために、Flothermをはじめとする解析ツールをご提供するだけでなく、様々なメニューをご準備しています。また熱設計と熱流体解析のエキスパートエンジニアが、お客様の課題解決をお手伝いします。
[熱設計支援ツールのご提供] Simcenter Flotherm、Simcenter Flotherm XT他
Simcenter Flothermは、装置全体から半導体パッケージ単体まで様々な電子機器に対して適用することができる、電子機器分野での世界シェアNo.1を誇る熱流体解析ツールです。熱設計者の方が効率的にご活用いただけるよう、直感的なモデル作成機能や一瞬で完了するメッシュ作成機能、熱設計を意識した結果処理機能など、様々な工夫がほどこされています。
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電子機器の温度測定と熱流体解析の結果の誤差を少なくしたいという方を対象とします。本コースでは自然空冷機器を対象に熱対策を検討いただくとともに、接触熱抵抗を適切に把握しモデル化する方法をご紹介します。
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