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機械学習による予測分析機能を強化するmodeFRONTIERのAIサポートツール

 

皆さま、こんにちは。

IDAJの清水です。

 

昨今、エンジニアリング分野での深層学習の活用に大きな期待が寄せられていますが、普段の業務でお忙しいエンジニアの皆様が、新たに深層学習に取り組まれるには、深層学習やプログラミングに関する知識習得、学習データの取得などの様々なハードルによって手を出しづらいのが現状ではないでしょうか。

また自動運転をはじめ、AIが、実社会の様々な場面で利用されるようになりました。それに伴って、AI利用の安全性を保証するために、ブラックボックスだと言われるAIの予測や判断の理由を理解することの重要性が高まっています。そこで注目されている技術が、説明可能なAI「XAI(Explainable AI)」です。エンジニアリングでAIを活用する際にも、AIの予測結果を得るだけでなく、AIがその予測をするに至った経緯を理解することが肝要です。

 

そこでIDAJが、従来のmodeFRONTIERの機械学習による予測分析機能を強化し、深層学習へのお取り組みのハードルを少しでも下げるため、またお客様のより良い設計をご支援するために開発したサポートツール(註)が「Deep RSM Add-on for pyCONSOLE(以下 Deep RSMアドオン)」、「XAI Add-on for pyCONSOLE(以下 XAIアドオン)」です。

本記事では、各ツールの概要と機能をご紹介します。

(註)Deep RSMアドオン、XAIアドオンをご利用いただくにはmodeFRONTIER 2022 R1以降のバージョンをご利用ください。

pyCONSOLE

最初に、modeFRONTIER 2021 R1で実装されたpyCONSOLE機能について触れます。Deep RSMアドオンとXAIアドオンは、modeFRONTIERの機能であるpyCONSOLEを介して実行されます。

pyCONSOLEは、デザインスペースにあるデータをPythonによって処理します。デザインテーブルに対して統計的な処理や計算を実施した新たなテーブルをmodeFRONTIER上に作成したり、modeFRONTIERでは作成できなかった独自のグラフ作成などが可能になります。また、PythonのGUIを作成するライブラリとpyCONSOLEを組み合わせて、新たなテーブルやグラフを作成することができます。GUIベースで操作するため、Pythonが扱えない方でも簡単に取り組んでいただけます。

pyCONSOLE画面と使用例

pyCONSOLE画面と使用例

 

Deep RSM Add-on for pyCONSOLE

これは、modeFRONTIERでは取り扱うことが難しかった画像データや波形データに対して、深層学習による予測/分析モデルを作成することができるツールです。GUIの操作によって、深層学習を行う際に必要な、データの前処理、学習、精度の確認、予測という4つの工程をGUI操作で完結させることができます。

4つの操作ステップ

4つの操作ステップ

 

ここでは、画像から1つの出力値を予測するモデルを構築するケースを例にご説明します。

Deep RSMアドオン

Deep RSMアドオン

 

1. データの前処理

modeFRONTIERによる最適化計算によって生成されたデータにアクセスし、適切な前処理を行うことができます。深層学習を実施するためのデータの整理、画像のリサイズや正規化といった煩雑な前処理をGUIベースで実施可能です。

データの前処理タブ

データの前処理タブ

 

2.学習

バッチサイズ、学習エポック数、学習率の3つのハイパーパラメータを決めれば、深層学習モデルの学習が可能です。深層学習モデルには、IDAJが規定したCNN(Convolutional Neural Network)モデルが搭載されています。右側の損失関数の出力グラフを見れば、学習が進行しているか否かを確認することができます。

学習タブ

学習タブ

 

3.学習結果の確認

modeFRONTIERで応答曲面を作成した時と同様に、精度の確認タブで距離チャートを表示し、学習した深層学習モデルがどのような精度で予測が可能になっているかを確認することができます。

学習結果の確認タブ

学習結果の確認タブ

 

4.予測

学習した深層学習モデルに画像を入力した際の予測結果を得ることができます。出力結果を得るだけでなく、右下のシークバーの位置から、現在、選択している画像データの出力値が学習データ群の中でどの程度の立ち位置なのかを確認することが可能です。また、シークバーを動かして、出力値が高いものはどういう画像が多いかなどを確認したり、Grad-CAMという可視化手法を使って予測値を出すために深層学習モデルが注目していた箇所を確認することができます。

予測画面

予測画面

 

 

modeFRONTIER応用操作講習会:深層学習基礎編

modeFRONTIER応用操作講習会:深層学習基礎編

 

XAI Add-on for pyCONSOLE

modeFRONTIERには、多次元解析チャートや寄与度分析をはじめとする様々な分析機能がありますが、XAIアドオンは、modeFRONTIER上で作成した応答曲面やデータをより深く理解するために、さらに細かい分析を可能にするツールです。ここからは、XAIアドオンに含まれる4つの解析ツールをご紹介します。

XAIアドオン

XAIアドオン

 

1.LIME (Local Interpretable Model-agnostic Explanations)

LIMEは、modeFRONTIERで実測またはCAEデータを元に作成した応答曲面を深く解釈・説明する際に利用します。注目するデザインの応答曲面の予測結果を寄与度で説明し、寄与度のポジティブ・ネガティブの結果から、ある入力変数を動かしたときの予測値への影響を見ることができます。

LIMEによる応答曲面の説明

LIMEによる応答曲面の説明

 

2.SHAP (SHapley Additive exPlanations)

SHAPもLIMEと同様に、応答曲面を深く解釈・説明する際に利用し、応答曲面の予測結果を各入力変数の寄与度を用いて説明します。SHAPの寄与度から、各デザインの予測において、どの入力変数が予測値を増加もしくは減少させる寄与度を有しているかを理解することができます。また、様々な寄与度の可視化をサポートしており、多角的な寄与度分析を行うことができます。

SHAPによる応答曲面の説明

SHAPによる応答曲面の説明

 

3.MMD-critic

MMD-criticは、データに含まれる代表的なデザイン(プロトタイプ)と特異なデザイン(クリティシズム)を検出します。いくつかの代表的、特異なデザインの例示によってデータの説明を行う手法であり、数多くのデザインを含むような複雑なデータを扱う場合に有効です。MMD-criticは応答曲面を説明するのではなく、応答曲面を作成する際に用いたデータを説明することで間接的に応答曲面を説明します。

MMD-criticで検出された代表的、特異なサンプルの例

MMD-criticで検出された代表的、特異なサンプルの例

 

4.Autoencoder

Autoencoderはニューラルネットワークの一種で、次元数の多い入力データを低次元に圧縮する機能を有しています。入力データに含まれる特徴を要約した中間層の出力を分析することで、データに含まれる類似性や非類似性、データ間距離などの隠れた構造を明らかにすることが可能です。

Autoencoderによる次元圧縮

Autoencoderによる次元圧縮

modeFRONTIER応用操作講習会:XAI編

modeFRONTIER応用操作講習会:XAI編

 

今回は弊社が作成したアドオンツールに関してのご紹介となりましたが、pyCONSOLEを用いたお客様のご要望に沿ったツール開発も承っております。pyCONSOLEを用いれば専任者ではない方でも、より高度な予測/分析モデルの構築や活用が可能になります。少しでもご興味ございましたら、お気軽に弊社までご連絡、お問い合わせいただけますと幸いです。

 

IDAJがご提案する「RPA(自動化)・最適化・機械学習」ソリューション

設計・開発の舞台が実機からシミュレーションに移ったことで、コンピュータ上での反復作業は増大し、さらに複合的な分野を同時に検討しなければならない設計・開発においては、人の手でだけでは対応しきれないような問題が増加しています。
このような設計・開発環境の変化に適応するため、次のような設計支援ニーズが顕在化しており、それぞれに対する適切なソリューションの選択が、こちらからの設計・開発の成否を分ける可能性があります。

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無料オンラインセミナー(Webinar)

弊社では、RPA(自動化)・最適化・機械学習、modeFROPNTIERにご興味のあるお客様を対象に、常設で下記のオンラインセミナーを開催しています。

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