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【はじめての最適化】多目的最適化が選ばれる理由

皆さま、こんにちは。

IDAJの清水です。

 

<本コンテンツは連載形式でご紹介しています。●がついている記事が、このページでご紹介している内容です。>

【はじめての最適化】自動化、最適化とは

【はじめての最適化】ソフトウェアとの連成による自動化

【はじめての最適化】多目的最適化

【はじめての最適化】多目的最適化の実行プロセス

●【はじめての最適化】多目的最適化が選ばれる理由

【はじめての最適化】modeFRONTIERを使った多目的最適化(その1)

【はじめての最適化】modeFRONTIERを使った多目的最適化(その2)

【はじめての最適化】最適化だけじゃない!同定・自動適合

【はじめての最適化】最適化だけじゃない!応答曲面機能(その1)

【はじめての最適化】最適化だけじゃない!応答曲面機能(その2)

【はじめての最適化】最適化だけじゃない!応答曲面機能(その3)

 

~自動化・最適化をはじめる前に知っておくこと~(5)

 

皆様の中には「そういえば、今持っているソフトウェアには最適化の機能がついていたはずだ。」と思われる方がいらっしゃるんじゃないでしょうか?

しかし、よくそのソフトウェアの機能を見てみると、そのほとんどが単目的最適化の機能しかないことに気づかれるかと思います。

とりあえず、単目的最適化でやってみよう!という選択肢ももちろん問題ありませんが、目的関数が複数ありトレードオフ関係にあるのであれば、迷わず最初から多目的最適化を実施されることをお勧めします。

 

その理由は・・・?

 

実際には目的関数が複数あるにも関わらず、単目的最適化の機能で最適化するには2つの方法があります。

(1)制約法:これは複数ある目的関数の中から1つだけを目的関数とし、その他を制約条件にするという方法です。

例えば「最大応力はこの値以下でいいので、その場合に一番重量が軽くなる変数を求める。」といった最適化を行うことができます。

(2)線形加重和法:各目的関数に重み付けをして1つの評価指標を作ることで単目的にする方法です。

例えば「重量の軽量化を70%、応力の最小化に30%として、適当に新しい評価関数を作ってしまう」という方法です。

当然のことながら、(1)と(2)の方法では解は1つしか求まらないので、これまで見てきたように目的に応じて解を選好することはできません。また、ユーザーの目的に適った最適解を得るために、様々な試行錯誤を必要とするなど、多くの問題点が指摘されています。

 

本来は、多目的最適化であるのにも関らず、単目的最適化に置き換えた場合の問題点をもう少し詳しくご説明します。

まず制約法では、制約条件ギリギリの解が求まることが多く、さらに制約条件を複数回変更しない限り、どのくらい強度を我慢すればさらに軽量化が図れるかなどといったトレードオフ情報を得ることができません。また条件が厳しすぎると解が求まらない場合もあります。

つぎに、線形加重和法ですが、重み係数を合理的に決定する方法がなく、仮に決めたとしても解空間の分布形状の影響を受けてしまいますので解が求まる保証がありません。例えば右の図で、線形加重和法による解の探索を行った場合を考えます。線形加重和法は、ある傾きを持った直線がパレート面と接する点を求めることに他ならないため、図のように解空間が常に凸でない場合には、いくら重み係数を変更してもくぼみ部分のパレート解を探索できないなどの欠点が明らかになっています。

一方で多目的最適化では、パレート解に関する定量的なトレードオフ情報を得ることができるため、簡単に選好解を選択することが可能です。

実際の研究開発や製品開発で必要なのは、まさしくこの定量的なトレードオフ情報です。

今、各企業が競って最適化ツールの導入を進めているのは、まさにこの情報が得られるようになったからだと言っても過言ではないでしょう。

・modeFRONTIERを使った自動化や最適化環境の構築は、技術者を単純作業から解放し、大幅な工数の削減を実現します.

・多目的最適化によって得られた情報から、解のトレードオフを捉えることができ、どの指標をどのくらい妥協すれば、他の指標をどこまで向上できるのかといった考察が可能になります.

 

つまり、自動化・最適化環境の構築は、製品開発に必要な「時間」と「情報」を提供することによって,製品開発に大きな変革をもたらすことにつながるというわけです。

続きはこちら ⇒ 【はじめての最適化】modeFRONTIERを使った多目的最適化(その1)

 

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➡【関連資料ダウンロード】最適化という言葉から生じる誤解あれこれ

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追記・更新:2022年8月29日

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