【はじめての最適化】modeFRONTIERを使った多目的最適化(その2)
皆さま、こんにちは。
IDAJの清水です。
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【はじめての最適化】modeFRONTIERを使った多目的最適化(その1)
●【はじめての最適化】modeFRONTIERを使った多目的最適化(その2)
【はじめての最適化】最適化だけじゃない!応答曲面機能(その1)
【はじめての最適化】最適化だけじゃない!応答曲面機能(その2)
【はじめての最適化】最適化だけじゃない!応答曲面機能(その3)
~自動化・最適化をはじめる前に知っておくこと~(7)
modeFRONTIERを使った最適化のつづきから。
「片持ち梁の多目的最適化」
溶接剤を使って縦棒に横棒を取りつけます。そして横棒の先端に上から一定荷重をかけたときに、横棒の変位を最小にして、横棒と溶接剤のコストを最小化したいという問題です。
最適化計算のために、アルゴリズムを選択します。
今回は「多目的遺伝的アルゴリズムMOGAⅡ」を用いました。
遺伝的アルゴリズムを用いる際の初期サンプリングには、一様乱数法を使って16個体作成し、それを20世代進化させるという計算を実施しています。
下図は、最適化計算によって得られた2次元散布図で、縦軸が変位量で横軸がコストです。変位量とコストはきれいにトレードオフしているのが確認できると思います。
左図の黄色のデザインは拘束条件からはずれたデザインです。右図はパレート最適解をマーキングしたものです。緑色のデザインがパレート最適解です。
また、解の選好方法として、このように多次元解析チャートを使って絞り込むこともできます。
例えば、MaxSつまり最大せん断応力が大きいものは除きたいという場合には、軸線上の▼(下向きのミドリの三角マーク)をマウスで下にドラッグすることで、デザインを絞り込んでいきます。
今回は目的関数が2つなので、2次元散布図でも解の選好が可能ですが、一般的に目的関数が多くなるとこのような多次元解析チャートで値を絞り込んでいくことが多くなってきます。
下図は、得られたパレート最適解を模式的にあらわしたものです。
多少、変位が大きくても安いものを作りたい場合には、デザインIDが171のものを作ればいいですし、逆に、コストがかかっても、変位量が小さいものを作りたい場合にはデザインID274などを選好するのが良いでしょう。
「いやいや、そうでなくどちらもそこそこに。」ということであれば、デザインID300という選択肢ももちろんあります。
つまり、どの性能をどれだけ妥協すれば、もう一方の性能をどれだけ上げられるのかを定量的に理解することができます。
これがまさしく、これまでご説明してきた多目的最適化の最大のメリットです。
続きはこちら ⇒ 【はじめての最適化】最適化だけじゃない!同定・自動適合
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追記・更新:2022年8月29日
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